W杯からフォーメーションの歴史を調べてみました【サッカー】

オシム監督が指摘しましたが、とにかく日本人はフォーメーション論議が好きらしいです。

フォーメーションとは、ピッチ上の選手11人を配置した隊形のことで、その隊形からある程度のサッカーのやり方が見て取ることができます。

今回は、W杯の優勝チームのフォーメーションの歴史を調べてみました。

優勝国のフォーメーション

フォーメーションの記録をなかなか見つけ出すことができませんで、

Wikipedia様を参考にさせていただきました。また、僕が観たことのある大会は、私見も加えてフォーメーションを語ることにさせていただきます。

 

フォーメーションの形成には、歴史的に2つの要素が影響していています。

1つめがサッカーのルールの変更です。

とくにサッカーが開始された頃は、オフサイドのルールが、サッカーの原型になったラグビーのルールに近かったことがフォーメーションに大きく影響しています。

ルール改正がフォーメーションに影響した例としては、

1950年代に世界最強を誇ったハンガリーのMMフォーメーション(←WMフォーメーションをアレンジ)があります。

 

2つめはサッカーの戦術です。

W杯で優勝したチームを倒そうと、強いチームに対抗する戦術が考えられ、その戦術に合ったフォーメーションを設定したりしました。

1960年代の世界最強ブラジルの4-2-4に対抗するために、

オランダやドイツの用いた1970年代の4-3-3、

その4-3-3に対抗するためにフランスやブラジルが用いた1980年代の4-4-2などがこれに当たります。

強いチームに対抗するための新しい戦術やフォーメーションを生み出すという歴史を繰り返したきたんですね。

 

過去記事で紹介していますが、

現代サッカーのフォーメーションのトレンドは4-3-3や4-5-1です

この4-3-3と4-5-1はとても類似していて、MFやFWの選手の配置を変えることで、戦況に応じたアレンジができます。

4-5-1は4-3-2-1、4-2-3-1、4-1-4-1などに、

4-3-3は4-3-2-1にアレンジできるわけです。

現代のフォーメーションに至るまでの歴史を、ワールドカップの優勝国のフォーメーションを振り返りながら、確認してみましょう。

Vフォーメーションからペレの時代

第1回 1930年ウルグアイ大会

第1回のウルグアイ大会は、開催国であるウルグアイが優勝しました。

そのときのフォーメーションがこちらです。

1930年のウルグアイのフォーメーションは2-3-5です。

2-3-5はGKからみたときにVの字にみえることからVフォーメーションと言われ、

1860年代以降のルール改正により世界中で主流となったフォーメーションです。

 

第2回 1934年イタリア大会

第2回のイタリア大会も、開催国であるイタリアが優勝しました。

イタリアのフォーメーションはこちら。

イタリアも第1回のウルグアイと同じ2-3-5のVフォーメーションでした。

インテル&ミランのホームスタジアムの名前になったジュゼッペ・メアッツアの名前があります。

歴史を感じますね。

 

第3回 1938年フランス大会

第3回のフランス大会は、イタリアが優勝。初の連覇ということになります。

そのときのイタリアのフォーメーションはこちら。

ん~やはりVフォーメーション・・・。ほんとかなぁ、ぁゃしぃ。でもWikipedia様を信じましょう。

1930年に始まったワールドカップでは、1938年の第3回までは2-3-5のVフォーメーションが優勝したということになりますね。

 

第4回 1950年ブラジル大会

諸事情により1940年代はワールドカップは中断され、第4回は1950年に再開され、ブラジルで行われました。

優勝したのはウルグアイ、2度目の優勝です。ウルグアイのフォーメーションはこちら。

あまりにも昔過ぎて知っている選手はほぼいませんが、スキアフィーノだけはなんとか聞いたことがあります。

あ、フォーメーションは4-3-3です。

1930年以降の世界のサッカー界のフォーメーションは3-4-3(3-2-2-3)と配置したWMフォーメーションが主流だったようです。

事実上の決勝戦でウルグアイに敗れた開催国ブラジルはWMフォーメーションだったようです。

それまでの2-3-5のVフォーメーションからウルグアイの4-3-3に変わったことは歴史の転換期であると言えるでしょう。

 

第5回 1954年スイス大会

第5回のスイス大会では西ドイツが初優勝。

そのときのフォーメーションはこちらです。

・・・これは、なんというフォーメーションなのでしょうか・・・。

選手の並びから4-3-3にしたいと思います。

前回優勝のウルグアイと同じフォーメーションになるでしょうか。

2大会連続で4-3-3が制したことになります。

 

優勝したのは西ドイツですが、ほぼ奇跡の優勝と語られています。

西ドイツと決勝で戦ったのは当時の世界最強国マジック・マジャール(魔法のハンガリー人)と称されたハンガリーです。

絶対的エース走る少佐ことプスカシュほかコチシュ、ヒデクチ、チボールなどの選手を擁し、1950年以降国際大会で33連勝と世界で一番強かったのがハンガリーです。

サッカーの歴史を振り返ったとき、1950年代のハンガリーを抜きに語れません。

そのハンガリーの得意なフォーメーションはWMフォーメーションを応用したMMフォーメーション。

この西ドイツとの決勝戦もMM気味の3-5-2(3-2-3-2)のフォーメーションだったようです。

 

第6回 1958年スウェーデン大会

第6回のスウェーデン大会の優勝チームはその後王様と呼ばれることになるペレのデビューしたブラジルが初優勝します。

ペレが歴史に登場したという大会ということです。

そのブラジルのフォーメーションは4-2-4

それまでの世界の主流だったWMフォーメーション、また、2大会連続で優勝チームが用いた4-3-3から、4-2-4フォーメーションが主流となる歴史的な大会となりました。

 

第7回 1962年チリ大会

チリ大会はブラジルが連覇することになります。

大会が始まってすぐにエースのペレが怪我により出場ができなくなりますが、前回大会の優勝メンバーが多く残り、

また、ペレとダブルエースだったガリンシャの活躍によりブラジルが連覇ということになりました。

 

ガリンシャの活躍は凄まじかったようで、W杯の歴史で、選手一人の力で優勝したのは1986年のマラドーナ、1962年のガリンシャの2人だけだと言われています。

フォーメーションは前回と同じく4-2-4で、こちらも連覇ということになります。

 

第8回 1966年イングランド大会

第8回はサッカーの母国であり、開催国であったイングランドが、いろいろな幸運も重なり初優勝。

フォーメーションはこちらです。

4-4-2(4-1-3-2)というフォーメーションです。

サッカーの母国イングランドはこの大会でしか優勝していません(←まぐれ?地元の利?)。

まぁ地元開催でいろいろな状況が有利になることはイングランドに限ったことではありませんけど。

ですから、このときのメンバーはイングランドのレジェンドとして語られる選手ばかりです。

GKゴートン・バンクス(イングランド銀行)、DFボビー・ムーア(ザ・キャプテン)、MFボビー・チャールトン(キャノンシュート)などは現代も語り継がれる名選手です。

 

第9回 1970年メキシコ大会

第9回大会は、円熟期を迎えたペレ率いるブラジルが王座奪還、史上初の3回目の優勝を成し遂げます。

ペレのいるブラジルは、やはりこのフォーメーション。

やっぱり4-2-4。

4-2-4のフォーメーションが12年間で3度世界1になったことになります。

後で説明することになりますが、

この大会で、またペレが第一線から退くことに合わせて、4-2-4といフォーメーションは歴史から消滅することになります。

4バックと3バックの時代

第10回 1974年西ドイツ大会

10回目を迎えたW杯は開催国西ドイツが優勝。

この大会はサッカーの歴史の大きな転換期となります。

西ドイツは4-3-3のフォーメーションでした。

優勝したのは西ドイツでしたが、サッカー界を席巻したのはトータルフットボールのオランダでした。

オランダはヨハン・クライフを擁し、選手がポジションを固定せず、ポジションチェンジを繰り返しながら試合を進める方法トータルフットボールで世界に衝撃を与え、大会の主役となります。

クライフのライバル?である西ドイツの皇帝ベッケンバウワーは、準優勝したクライフやオランダのほうが語られる機会が多いのでちょっとかわいそうですね(笑)

そのトータルフットボールのオランダのフォーメーションは一応4-3-3。

4-2-4が消え、4-3-3が世界の主流となっていきます。

この世界を席巻したオランダのトータルフットボールが、その後のサッカーの戦術に大きな影響を与えることになります。

ですから、この大会はサッカーの歴史の転換期と言えるでしょう。

 

第11回 1978年アルゼンチン大会

第11回は開催国のアルゼンチンが初優勝。

パサレラケンペスが活躍しました。

フォーメーションは、MFの役割をはっきりと分けた感のある4-3-3です。

4-3-3が2大会連続で世界を制したことになります。

 

第12回 1982年スペイン大会

第12回はイタリアが3度目の優勝。

1次リーグは不調でしたが、2次リーグから覚醒、あれよあれよと優勝してしまいました。

さすがカテナチオのイタリアです。

5-4-1(5-1-3-1)という明らかに強固な守備からカウンターをやりますよとの意図がありありです。

イタリアはコンティロッシだけで得点したようなものでした(笑)

 

マラドーナのアルゼンチン、ジーコ、ファルカンのブラジルとの接戦をものにし、ボニエク擁する台風の目ポーランドに完勝、決勝で西ドイツのゲルマン魂をへし折る完勝!

イタリアが強かったです。

しかし、5-4-1とか凄くレアなフォーメーションです。

3バック?5バック?の先駆けと言えるでしょうか。

 

第13回 1986年メキシコ大会

メキシコ大会はマラドーナのマラドーナによるマラドーナの大会、ってことでアルゼンチン2回目の優勝。

ん~一応3-5-2でしょうか。

確かに3バックでしたけど、ブルチャガはもっと前目で、両サイドはあまり上がらなかったので、5-3-2だったのかなぁとも。

マラドーナは守備を全くせず攻撃に専念していました。

 

第14回 1990年イタリア大会

14回大会は西ドイツが3度目の優勝。

3度目の優勝はブラジル、イタリアに次いで3チーム目。

5-3-2がベースのフォーメーションですね。

ブレーメ、ベルトルトの両サイドが上がれば3-5-2ですから、前回のアルゼンチンと同じになります。

2大会連続で優勝チームは5-3-2若しくは3-5-2が制したことになります。

 

第15回 1994年アメリカ大会

歴史上、欧州、南米以外で初めて行われたアメリカ大会、優勝はブラジルです。

1980年代後半から世界の主流となっていた4-4-2のフォーメーションが世界を制しました。

 

第16回 1998年フランス大会

第16回大会の優勝チームは開催国のフランスでした。

1~15回の68年間で優勝したことのある国は南米の3強ウルグアイ、ブラジル、アルゼンチン、欧州の3強?イタリア、西ドイツ、イングランドの6か国で占められていましたが、

フランスがついに7か国目の優勝国となった歴史的な大会となりました。

形的には4-5-1(4-3-2-1)です。中盤の厚さがみてとれますね。

 

第17回 2002年日韓大会

歴史上、初めてアジアで行われた日韓大会、ブラジルが5回目の優勝です。

フォーメーションは3-5-2(3-4-1-2)場合によっては5-3-2

カフー、ロベカルはウイングバックのポジションになりますね。

 

第18回 2006年ドイツ大会

18回大会はイタリアが4度目の優勝。

フォーメーションはご覧のとおり4-4-2です。

 

現在の主流

第19回 2010年南アフリカ大会

歴史上、初めてアフリカ大陸で行われた大会、優勝チームはスペイン。

8か国目の優勝チームであり、ジンクスとして無理だと言われてきた欧州選手権とW杯を連覇した初めてのチームで、歴史的な出来事でした。

スペインのフォーメーションは4-5-1(4-2-3-1)です。

4-3-3ともみてとれます。

最近の主流のフォーメーションとなってきましたね。

 

第20回 2014年ブラジル大会

20回の優勝チームはドイツ。

南米大陸で初めて優勝した欧州のチームです。

歴史のジンクスを打ち破ることになりました。

フォーメーションは4-5-1(4-1-4-1)

やはり最近の世界の主流のフォーメーションですね。

ドイツは開催国ブラジルに7-1の圧勝、歴史的大勝利?大敗北?となる大事件でしたね。

 

第21回 2018年ロシア大会

最新の大会の優勝はフランス。2回目の優勝です。

フォーメーションは4-5-1(4-2-3-1)

2010年以降の3大会連続で4-5-1のフォーメーションが世界を制することになりました。

最新のフォーメーションと言えるでしょう。

 

以上、21回全ての大会の優勝チームのフォーメーションを調べてみました。

だいたい2~3大会で優勝チームのフォーメーションが変化しているという傾向にありますね。

  • 1930年 2-3-5 ウルグアイ ※Vフォーメーション
  • 1934年 2-3-5 イタリア ※Vフォーメーション
  • 1938年 2-3-5 イタリア ※Vフォーメーション
  • 1940年 40年代は諸事情によりW杯中止
  • 1950年 4-3-3 ウルグアイ ※Vフォーメーション消滅
  • 1954年 4-3-3 西ドイツ
  • 1958年 4-2-4 ブラジル 
  • 1962年 4-2-4 ブラジル
  • 1966年 4-4-2 イングランド
  • 1970年 4-2-4 ブラジル
  • 1974年 4-3-3 西ドイツ ※4-2-4消滅 再び4-3-3へ
  • 1978年 4-3-3 アルゼンチン
  • 1982年 5-4-1 イタリア ※3-6-1とも 3バック主流?
  • 1986年 3-5-2 アルゼンチン ※5-3-2とも 3バック
  • 1990年 5-3-2 西ドイツ ※3-5-2とも 3バック
  • 1994年 4-4-2 ブラジル ※3バックから4バックへ
  • 1998年 4-5-1 フランス ※4-3-2-1とも
  • 2002年 3-5-2 ブラジル ※再び3バック
  • 2006年 4-4-2 イタリア 
  • 2010年 4-5-1 スペイン ※4-3-3に近い
  • 2014年 4-5-1 ドイツ ※4-3-3に近い
  • 2018年 4-5-1 フランス ※4-3-3に近い

・・・というようなフォーメーションの歴史になります。

 

1930年代W杯が開始された当初はVフォーメーションである2-3-5が主流であり、

1950~1970年代の30年間は、4バックをベースにした4-3-3、4-2-4が主流、

1980年代から、センターバックを3人配置した3バック、5バックのフォーメーションが、

1990年代に入り、再び4バックをベースにした4-4-2、4-5-1が

2010年以降は、現代の主流で、MFの配置に違いがありますが4-5-1、4-3-3ともとれる

という、フォーメーションの変貌がみてとれます。

フォーメーションの歴史はこういう感じになりますね。

まとめ

今回は、フォーメーションの歴史を、W杯の優勝国のフォーメーションをモデルにしながら、振り返ってみてみました。

現代の主流である4-3-3、4-5-1に至るまでのおよそ100年間、フォーメーションはルールや時代の戦術などによって、いろいろな変化をしてきたことがわかりますね。

現代の僕たちは、過去の様々な事例がありますから、参考にすることができますが、戦術やフォーメーションを作り出した人たちは、ん~よく考えたなぁと思いますね。

弱いチームが強いチームに勝つために、ドン引きカウンターでいこうと、そのためにはスウィーパーを配置して1982年のイタリアのような5-4-1をパクっちゃおうと、僕なんかは思っちゃいます(笑)

今回のフォーメーションについての記事が、読んだ下さった皆さんのサッカーのお役に立てればうれしく思います。

よかったらフォーメーションに関する記事<<フォーメーションに相性はあるのか?【サッカー】>>もご一読ください。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。