【簡単】サッカーの基本戦術について解説します

サッカーの戦術って難しい、よくわからない。

なぜかというと、ポゼッションサッカーやカウンターサッカー、ゾーンプレスなどのサッカー用語の整理ができていないからです。

そこで、今回はサッカーがますます楽しめるように、サッカーの基本戦術について解説したいと思います。

目次

そもそも戦術とは

そもそも「戦術」がなんなのかがわからないから難しいわけで、戦術が何かと理解できれば簡単なんです。

戦術を理解するためには、「戦略」と「作戦」と「戦術」という言葉とその関係を整理すれば良いのです。

まずはサッカーとは全く関係のないところで、戦略、作戦、戦術の関係を考えてみましょう。それが次のとおりです。

  • 戦略:中長期目標
  • 作戦:短期目標(単発の目標と言っても良いです)
  • 戦術:短期目標を達成する方法、手段

この関係性を、例えば、「バレーボールチームが地区予選10試合を勝ち抜いて全国大会に出場する」という活動に当てはめて考えてみます。

  • 戦略:全国大会への出場
  • 作戦:地区予選の1試合1試合を勝つ
  • 戦術:目の前の試合に勝つための方法、手段

となりますよね。具体的に作戦と戦術を考えてみましょう。

1試合目

相手は自分のチームより弱いため、凡ミスを最小限に抑え通常の力量で試合をすれば勝てる確率が高い。

レギュラーメンバーでノーマルな戦いをする(←作戦)。

凡ミスが少なくいつも通りの力が発揮でき(←戦術)、

試合に勝った(←作戦成功)。

2試合目

相手には身長の高い選手が多く、ブロックが得意。オーソドックスな攻撃よりもクイック攻撃を多用して戦う(←作戦)。

クイック攻撃の得意なセッターを先発させてクイック多用で(←戦術)1セット目は成功。

2セット目にセッターの組み立てが相手に読まれるようになったため、通常のセッターに変更しオープンとクイック攻撃の頻度を調整(←戦術)。

功を奏し試合に勝った(←作戦成功)。

3試合目

相手は強豪でオープン攻撃が強烈、でもレシーブに難がある。

レシーブの強いリベロの先発とピンチサーバーの多様で相手の守備を崩す(←作戦)。

リベロのレシーブによりボールを拾うことはできたが(←戦術)、ピンチサーバーを多用したが(←戦術

サーブで崩すことができずに、試合に負ける(←作戦失敗)。

 

戦術を理解しするために、戦略と作戦との関係から解説してみました。

全国大会に出場するという長期目標(戦略)を達成するために、1試合毎にを相手との力量と自分のチームの状況を踏まえた短期目標(クイック攻撃作戦、ピンチサーバー作戦など)を設定し、

その短期目標を達成するために、クイック攻撃の多用やピンチサーバーの多用などの方法、手段(戦術)を実施する、というような関係性になります。

また、戦術は自チームと相手チームの比較などで計画しますが、

実際の試合の中で起こるいろんな状況によって計画どおりに実施できたり、計画の変更を余儀なくされることもあります。

これは戦術を変更するということになります。繰り返しますが、戦術とは目標を達成するための方法、手段ということです。

サッカーの戦術

戦略と作戦と戦術の関係性がイメージできたら、これをサッカーに当てはめて考えてみましょう。

この記事を書いているときに、2018ロシアワールドカップが開催されていますが(日本がコロンビアに勝ち、セネガルと引き分け、ポーランド戦を控えている段階です)、

例えば、この日本代表のW杯での活動を例に戦術を解説してみます。

戦略:1次リーグ突破(勝ち点5)

作戦

  • コロンビア:最低でも勝ち点1をとる。
  • セネガル:絶対に勝つ(勝ち点3)
  • ポーランド:最低でも勝ち点1
戦術(コロンビア)
  • 中盤での優勢(4-2-3-1)
  • 中盤でのボール奪取から時間をかけない攻撃
  • 全選手のハードワーク(走れない選手はだめ)
戦術(セネガル)
  • 中盤での優勢(3-4-2-1)
  • ポゼッションを上げ、サイドから攻撃
  • 全選手ハードワーク(守備のときは5バック)
戦術(ポーランド)
  • 中盤での優勢(4-2-3-1)
  • 中盤でのボール奪取から時間をかけない攻撃
  • 全選手のハードワーク(走れない選手はだめ)
  • ※コロンビアと同じ

例えば、このような戦略、戦術になると想定します。

1次リーグを突破し決勝トーナメントに進出することが中長期目標で、

そのための作戦がコロンビア、ポーランドに勝ち点1をとる作戦、セネガルに勝つ作戦、勝ち点1をとる戦術が上記のような内容ということになります。

実際は、コロンビア戦で開始3分で退場、PKを獲得して先制点をとれたので、中盤の優位は変わらないんですが、

ボールポゼッションを上げるという戦術に変更したわけですし、

コロンビア戦で勝ち点3をとれたので、セネガル戦は当初の予定よりさらに攻撃的に攻めるという作戦に変更されました(結局は引き分けで勝ち点1)。

これからポーランド戦になるわけですけど、実際にも勝ち点1とれば1次リーグを突破できる状況になりましたので、戦略的には予定どおりに計画が進んでいるということになりました。

このように考えると、戦略は変わっていませんが、作戦の遂行状況によって、作戦や戦術が変わっていくということになりますね。

状況によって戦術は変わるということです。

また、中盤での優勢という戦術は同じでも、その実施のためのフォーメーション(戦術を成功させるための仕組みのひとつ)は異なります。

 

このように、サッカーの戦術とは試合に勝つための具体的な方法、手段ということで、

この方法、手段は監督の考え、相手との力関係、試合の状況などなど、いろいろな要因によって変更されたりします。

サッカーの基本戦術

バレーボール、サッカー日本代表の例から、戦略、作戦、戦術の関係を整理できて、サッカーの戦術とは試合に勝つための方法、手段ということがおわかりいただけましたでしょうか。

それでは、サッカーにおける基本戦術を解説します。

サッカーの作戦は、その試合にどうやって勝つかということです。

この「どうやって」というのが具体的な方法、手段であり、今回のメインテーマである「戦術」になります。

サッカーの試合で勝つための具体的な方法は、

  • 試合でどんなサッカーをやるのか(試合全体の方法)
  • そのサッカーをやるためにはどう守るのか(守備の方法)
  • そのサッカーをやるためにはどう攻めるのか(攻撃の方法)

ということであり、これが今回の結論である「基本戦術の考え方」です。更に具体的にかつ簡単に解説しますと、

  • 試合の方法:ポゼッションサッカー/リアクションサッカー
  • 守備の方法:マンツーマンディフェンス/ゾーンディフェンス
  • 攻撃の方法:速攻/オーソドックス(速攻ではないということ)

というような区分けができ、これがサッカーの基本的な戦術となります。

サッカーの戦術を覚えていくためには、まず、この基本的な戦術を理解することからはじまります。

それぞれの方法を確認しておきましょう。

ポゼッションサッカー

自分のチームがボールを保持する時間を長くし、ゲームをコントロールしながら試合に勝とうとする方法。

ポゼッションサッカーを遂行する仕組みとしてスペインで「ティキ・タカ(tiki-taka)」と呼ばれるスタイルがありますね。

サッカーチームではFCバルセロナ、Jリーグでは浦和レッズがこの戦術を採用しています。

リアクションサッカー

ボールを保持するよりも、相手の戦術に対応して試合に勝とうとする方法。

一般的には堅守速攻という固い守備からボールを奪って速攻で攻撃するという戦術。

世界中のどのカテゴリーのチームでもリアクションサッカーを採用していることが多いと思います。

マンツーマンディフェンス

サッカーの守備の戦術で、相手の選手1人1人に対してマークを付けて守る方法。基本的には自分の担当する相手にずっと付いていくという守り方。

ゾーンディフェンス

サッカーの守備の戦術で、自分の担当するエリアを守る方法。マンツーマンとは対をなす方法で自分のエリアに入ってきた相手に対応するという守り方。

速攻/オーソドックス

サッカーの攻撃の戦術は、速攻(カウンター攻撃)とオーソドックスに区分けされると思います。

速攻とは、マンツーマンやゾーンという守備によってボールを奪取してから、シュートにもっていくまでの時間を短くする攻撃方法です。

自陣深い位置からのカウンター攻撃もあれば、ゾーンプレスにより相手のゴールにより近い位置でボールを奪い攻めるショートカウンター呼ばれる攻撃方法もあります。

また、サッカーの攻撃にはサイド攻撃や中央突破などもありますが、これらも戦術の範疇に入ると思います。

 

これらが、サッカーの戦術の基本となります。

この基本的な戦術をより精密なものにするため、より効果的に遂行するための

4-3-3とか3-5-2などのフォーメーションやDFラインのフラット型、ダブルボランチなどのシステムがありますが、

このフォーメーションやシステムも戦術の範疇に入ります。

また、サッカーのレベルが高くなっていくほど、この戦術は高度に、詳細になっていきますし、試合の中でいろいろな状況の変化などによって変更されていきます。

戦術は無限にあるというと大げさかもしれませんけど、それほど複雑になっていきます。

まとめ

今回はサッカーの基本的な戦術について解説しました。

戦術を理解するには戦略と作戦との関係性、中期目標、短期目標、目標を達成するための方法、手段と整理するとわかりやすいと思いますね。

サッカーの戦術は、試合全体の方法、守備の方法、攻撃の方法が基本だということを覚えていただきたいです。

この戦術は計画の段階でも、実施の段階でも、監督の考え方、相手との力関係などにより多種多様に組み合わされ、変更されたりします。複雑なんですね。

ですから、まずは、基本的な戦術を理解すると良いと思います。

今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。

過去記事の<<ボランチの意味と役割を完全に覚えちゃいましょ【サッカー】>>もご一読いただければ嬉しく思います。