サッカーはボールを蹴るスポーツですから、正確で、強くて、遠くまで飛ぶボールを蹴りたいですよね。
それには正しいキックの仕方、蹴り方をマスターする必要があります。
効果的な蹴り方にはいろんな要素があるんですけど、今回は軸足にポイントを当て、
軸足の使い方のコツを紹介してみたいと思います。
目次
軸足の基本

ボールを蹴るときの軸足は、基本的にボールの真横に置きます。
インステップでもインサイドでも他の蹴り方でも、ボールを蹴るときには軸足をボールの真横に置くように心がけましょう。
そして、ボールを蹴りたい方向へ軸足の爪先を向けるようにします。
これが、正しいボールの蹴り方の基本ですから、普段の練習からこのように軸足を置くようにしましょう。
ただし、この軸足の位置ではインサイドキックは蹴りやすいですが、
インステップやインフロントなど他のキックは蹴り方が上手にならないと蹴りにくい位置です。
ですから、自分の蹴りやすい軸足の位置を探して、その蹴りやすい位置で蹴り方の練習をしながら、
最終的にこの正しい蹴り方のための軸足の位置に近づけていくという考えをお勧めします。
なぜなら、サッカーの試合では最低でもインサイドキック、インフロントキック、インステップキックの3種類の蹴り方ができないとサッカーの実施が難しいからです。
軸足をボールの真横に置くという基本は当然大事なんですけど、
そのことによってボールを蹴りにくいままでは力が発揮できませんよね。
ですから、蹴り方のコツとして軸足を置く場所や、軸足の使い方をアレンジすることによって、
スムーズな蹴り方を身につけることのほうが断然効果的だと思います。
強いインステップを蹴りたい、インフロントで高いボールを蹴りたい、
そんなときには軸足の使い方を工夫すれば、自分の考えたボールを蹴ることができる可能性が高くなります。
軸足の使い方を意識して、繰り返し練習すれば、自分にしっくりくる蹴り方、
また、正しい蹴り方に近づいていくと思います。
過去記事で、ボールを蹴るときには「ミート/meet」と「インパクト/impact」が大事だと紹介したのですが、
このミートとインパクトに軸足の位置、軸足の使い方が大きく関係してきますので、覚えておいてください。
軸足のコツ
ボールの蹴り方はいろいろなコツがあるんですけど、その中のひとつ、
軸足の位置を調整することによって効果的な蹴り方ができるようになります。
3種類の図で確認してみましょう。

↑軸足をボールの真横に置くことが基本でしたが、それよりも少し後ろに軸足を置いてみましょう。
この軸足の位置はインステップキックのときに蹴りやすくなります。
軸足をボールの真横に置いたときのインステップの蹴り方は、
正しく蹴れれば蹴ったボールが強くて低い弾道で飛んでいきますが、
上手でない人はミートすることが難しくてインパクトが弱まります。
ですから、この図のように、少しだけ軸足をボールより後ろに置くことで、
足の甲がボールにミートしやすくなり、強いインパクトが与えられるようになります。
この蹴り方だと、ボールが少し浮き気味のライナーで飛んでいきます。
軸足を基本よりも少し後ろに置くことがインステップキックを効果的にするコツです。
ちなみに、軸足の位置でインサイドキックをするとそのボールも浮きやすくなります。
インステップキックをマスターしたい人はこの軸足の位置から始めて、
ミートの練習を繰り返して、正しいキックをマスターできると良いですね。

↑次は、軸足を更に後ろ、そうですねぇ、軸足の爪先がボールの中央にかかるくらいの位置において、
基本の軸足の位置から少し離れたところに置く蹴り方もあります。
これは、インフロントキックを効果的に蹴ることができる軸足の位置で、
選手の頭を越すような高いボールを蹴ることができます。
また、この軸足でインステップで蹴ると、このボールも高く浮いたボールになります。
つまり、軸足を適度にボールの後方に置けば、高いボールが蹴れるようになるんです。
インフロントやインステップが浮かなくて悩んでる小学生さんはいませんか?
ゴールキックやFKを蹴ってもすぐに相手にカットされたりしませんか?
僕がコーチをしていた頃はたくさんいました(笑)
高いボール、浮いたボールを蹴るには何個かコツがあるんですけど、そのひとつがこの軸足の位置、使い方です。
インフロントをマスターして高いボールを遠くまで飛ばすようになる段階として、
マーカーの上にボールをセットして、軸足をちょっと後ろ目において、
ボールの下を蹴るように練習すれば、感覚がつかめていくと思います。
ゴールキックやコーナーキックなどのプレースキックで高いボールが蹴れないと不利ですよね。
この軸足の位置も試してみてください。

↑こちらは先ほどのインフロントキックのときの軸足よりも後ろで、今度はボールの近くに軸足を置くという形です。
これは、アウトサイド、アウトフロント、トゥーキックのときに蹴りやすくなる軸足の位置です。
アウトフロントキック自体は試合中にそんなに使う蹴り方ではありませんけど、
アウトサイドとトゥーキックは、ときどきパスやシュートの場面で使うことがありますよね。
アウトサイドとトゥーキックを使うのはドリブルのときです。
ドリブルは、相手を抜き去るドリブルもありますが、
試合中に多く使うのはボールを運ぶ、ボールを移動させる直線的なドリブルです。
このときにアウトサイドやトゥー部分を使いますので、このときの軸足の位置、ボールの位置関係はこの図くらいが良いと思います。
もちろん、パスやシュートのようにボールを蹴るときに、アウトやトゥーで蹴るときには、この軸足の位置が効果的で、
逆に、ボールの真横に軸足があるとアウトやトゥーキックは難しくなりますね。
試合では思っているよりトゥーキックを使うと思います。この軸足の位置も練習してみてください。
以上、3種類の軸足を置く位置を紹介しました。
効果的な蹴り方ができるコツとして覚えて、練習してみてください。
僕はサッカーを始めたばかりのころ、やはり高いボールが蹴れなくて、
蹴り方の練習をするときに、軸足を置く位置を地面に線を引き目印にしていました。
蹴り足が安定してくる(正しい蹴り方ができてくる)と、軸足の使い方で飛んでいく軌道や種類が調整できるようになります。
皆さんも軸足を意識してみてはどうでしょうか。
軸足は大事
そして、ボールを蹴るときの軸足は、これまで説明してきました位置だけではなく、
向きや角度などの細かいコツもあるのですが、なにより「軸」としての強さが大事になります。
体全体の反動を軸足で支えてボールに力を与えるわけですから、
強靭な軸足であればあるほど、効果的な、強力な蹴り方ができます。
強力なキックを習得したい人は、フィジカル強化による軸足の強化が必要になり、
このことも効果的な蹴り方のためのコツになりますね。
軸足とは両足ですから、下半身の強化が必要になります。
筋トレなどのフィジカルトレーニングもそうですが、軸足強化のため、
軸足を効果的に使うための練習を2つほど紹介しておきます。
↑例えば、こちらのような練習です。いわゆる「けんけん」です。
ボールを蹴るときの軸足はかかとから地面に着地することが大事ですが、
結構な衝撃がかかり、軸足が弱いと体全体のバランスを崩してしまいますので、
筋肉の強化と上手な使い方が必要になります。
サッカーのトレーニングや練習メニューの中にこの「けんけん」を意識して取り入れると、軸足の強化につながると思います。
似たような練習に片足ちょんちょんリフティングもあります。
↑こちらはプロの方が教えていますので、参考にしていただければいいんですけど、
やはり軸足の強化を図るためのトレーニングですね。
練習前のアップや自主練、家の中でもできそうですので、参考にされてみてはいかがでしょう。
個人的な考えですけど、軸足の強化するときには、利き足の逆の軸足の強化や使い方の習得で十分だと思っています。
試合中にはほとんど利き足でキックするからです。もちろん、両足を鍛えることにこしたことはありません。
まとめ
今回は、効果的な蹴り方のための軸足のコツというテーマで、ボールを蹴るときの軸足の位置のことを中心に紹介しました。
あくまで、サッカーの基本的な部分を説明したつもりで、軸足の使い方は、個人によって千差万別です。
中村俊輔のような凄いFKを蹴るときの軸足の使い方は、本人が練習して習得したものです。
みんなが同じ軸足の使い方というのはないのではないでしょうか。
ただ、基本を踏まえて、それから自分に合うようにアレンジしていくというイメージで軸足の使い方を考えていただければ良いと思います。
この記事が皆さんのサッカーに少しでもお役に立てればうれしく思います。
ボールの蹴り方について過去記事の<<ボールの蹴り方と名称を全部覚えちゃいましょ!【サッカー】>>もご一読いただければと思います。