サッカーで「ワンツー」っていうのを聞いたことがあると思います。
正確には「ワンツーパス」、また「壁パス」とも言います。
2人の選手でダイレクトでパス交換することで、サッカーの技術としては初歩的なものなんですが、
このワンツーをアレンジして使うと、試合で効果的に使うことができます。
今回は、サッカーの試合で使える効果的なワンツー、そのための普段の練習方法を紹介したいと思います。
目次
ワンツーをみてみましょう
サッカー選手が2人でパスのやりとりをするときに、
パスを受けた選手がパスを送った選手にダイレクトでパスをすることをワンツーと言います。
他にも「壁パス」「リターンパス」という言い方もします。
サッカーボールを蹴ることができれば誰にでもできるプレーです。
図で説明しますとこんな感じです↓。
サッカーをちょっとでもやった方ならわかると思います。
この簡単な基本的なパスワークの精度を高めて、いろいろなアレンジを加えると↓こんな感じになるのです。
ワンツー、ダイレクト、3人目の動き(←ワンツースリー!)など、サッカーの面白い部分でもあるパスワークをお楽しみください。
あ!ワンツーパス目線で観察してみてください(笑)
と、ワンツーパスがアレンジされたりするとこんなビルドアップ、崩しができるんですねぇ。
これらのパスワークの基本となるのが、先ほどの図で示した簡単なワンツーパスということになります。
ワンツーの基本を覚えて、それをアレンジしていくことで、映像のように、
サッカーの試合での効果的なワンツー、パスワークに発展させていくことが可能です。
ここでは、サッカーの試合で効果的に使えるワンツーパス、また、ワンツーパスの精度を高めていくための練習を紹介したいと思います。
ワンツーの練習方法
まず、ワンツーを効果的にしていくための練習方法を紹介します、が!
ワンツーパスを成立させるための要件を正しく覚えておきましょう、全く簡単です(笑)
- ワンのパスを出す選手はワンのパスをした後ツーのパスを受けたい場所へ素早く移動する
- ツーのパスを出した選手もツーのパスを出した後のプレーを準備しておく
この2つです。
パスワークの基本のひとつであるワンツーパスを成立させるのはとても簡単です。
サッカーの試合でもワンツーを成立させることは簡単にできますが、
このワンツーの後どんなプレーをするのかがサッカーの試合では重要なんです。
例えば、ワンツーの後シュートにもっていくのか、
ピッチサイドでのワンツーからクロス(センタリング)にもっていくのか、
はたまた、ワンツーの後にさらに別の選手とワンツーをするのか、などです。
ですから、ワンの選手もツーの選手も、
- ワンツーを成立させること
- ワンツーが成立した次のプレー
を考えてワンツーをやるように意識しましょう。
これを踏まえていくつかの練習方法を紹介します。
サッカーの試合で効果的なワンツーが使えるように、普段の練習から意識して取り組んでみてください。
1.壁パスからのシュート練習
普段のチーム練習でよくみられる壁パスからのシュート練習です。
この練習はシュート練習だけではなくて、ワンツーの練習もできます。
ワンツーを意識して練習すると、けっこういい練習になりますよ。
映像をお借りますね、特に壁になるツーの選手の動きに注目してみてください。
↑ツーの選手がパスをした後次のプレーの準備をしていたでしょ!
このサッカーの練習場面でよくみられる壁シュートの練習を、サッカーの試合で使えるようなワンツーパスの練習に活用できます。
- 壁は選手がやります
- ワンのパスをした選手は素早くボールに移動します
- 壁はツーのパスをしたあと次のプレーの準備をします
この3点を意識して、この壁シュートの練習をするだけです。
本来この練習はシュート練習なんですが、
選手たちがシュートと同じくらいワンツーパスの意識をすることでパスワークの練習にもなります。
この練習では、よく指導者などが壁をやったりしますよねぇ、これはもったいないです。
壁はツーの選手ですから、壁も選手がやることをおすすめします。
ちなみに僕は、シュートした選手が、壁をやるというローテーションで練習していました。
壁になった選手はシュートのこぼれ球を狙う準備をしますので、
シュートされたボールを、ワンの位置まで運んでいきます(←ドリブルで)。
つまり、この壁シュートの練習で、参加した選手全員がシュート練習、ワンの選手、ツーの選手の練習ができるということになります。
ワンツーを練習するにはとてもいい練習ですので、ぜひ参考にしてみてください。
あ!パスは受け手が受けやすいように愛を込めて、扱いやすい(←弱いのではなく)パスを心がけてください、ワンのパスもツーのパスも!
この壁シュートの練習でも、ワンのパスを出す選手は壁であるツーの選手が扱いやすいパスを、
壁のツーの選手は、ワンの選手がシュートしやすいパスを出してくださいね。
2.動きながらのワンツー
普段のワンツーの練習を可能な限り実戦に近づけていきます。
サッカーの試合では、先ほどの壁シュートのように、ツーの選手が棒立ちしているようなシーンはあまりありません。
全選手が動きながらプレーしていますので、
ワンツーパスも動きながら、移動しながらのワンツーパスでなければなりません。
そのための練習になります。
「これがその練習メニューだ!」というのはございませんm(__)m
ツーの選手が動きながらパスを受け、ツーのパスをするということを求めていますので、
先ほどの壁パスシュート練習の壁の選手が、ワンのパスを受ける前に動けばいいんです。
参考になるのはこちらの映像からです。
↑こちらの映像の練習の中にワンツーパスのシーンが2か所あります。
この2つのシーンのワンツーは、2つともツーの選手が動いてパスを受けています。
日々の練習の中で基本的なワンツーパス、また、サッカーの試合で使えるように動きながらのワンツーパス、
これらの感覚を身につけるのにはとても良い練習だと思います。
例えば、このツーの選手が動きながらパスを受けることを取り入れた壁パスシュートの練習を取り入れてみるとか。
ずばりこれ!という練習メニューではありませんが、動きながらのワンツーを意識した練習をおすすめします。
このクルゼイロのワンツーのメニューは参考になると思います。
3.あえて1回止めるワンツー
止めたらワンツーじゃないじゃないか!とご批判を受けそうですが、実戦的なワンツーとご理解くださいm(__)m
ワンツーパスですから基本はダイレクトプレーが基本なんですが、
パスワークを効果的にするためのアレンジの方法のひとつが、パスを1回止めることです。
このブログの実戦スキルコーナーで過去にポストプレーについてを紹介していて、
→「くさび(楔)」と「ポストプレー」を覚えましょう【サッカー】
ワンツーパスのシーンでダイレクトでパスを出すのではなく、
1回ボールを止めて(←時間をかけて、溜めて)パスをするのはポストプレーの範疇でもあるんですけど、
このパスワークのひとつであるワンツーというプレーをアレンジすると考えてもらっても良いです。
こちらもこれだという練習メニューはありませんが、
紹介しました壁パスシュート、動きを取り入れたワンツーの練習の際に、
ツーの選手がボールを1回止めるということを取り入れてもらえれば良いと思います。
サッカーの試合の中でのパスワークは同じリズムでは相手に読まれたりして対応されやすくなります。
選手個々の状況判断によりますけど、パスワークが単調にならないための工夫が必要です。
このパスワークのリズムを変えることに、ちょっと時間をつくる(←溜をつくる)ことで、
相手の動きを止めたり、また動かしたり、味方の移動時間を作ったり、などができます。
もちろん、ワンツーパスがスムーズに使えるようになってからでも良いので、
ワンツーパスのアレンジとしてツーのところでパスを1回止めるということも意識して、
普段の練習の中で取り入れてみてください。
以上、練習メニューということではないんですが、
サッカーの試合でワンツーを効果的に使うための普段の練習の考え方、練習方法を紹介しました。
パスワークですから、パスをした後動きが止まってしまってはワンツーは成立しません。
パスをした選手はすぐに動いて(←パス&ゴー)次のプレーの準備を、
ツーの選手も同じくツーのパスを出したら次のプレーを準備してください。
ワンツーをより実戦的に使うには、動きながらということが絶対条件です。
パスを受けるための動き、パス送るパートナーがどこに動くのか、を考えながらワンツーパスを意識してください。
この実戦的なワンツーパスが習得できれば、
サッカーの必殺技と言っても良い「3人目の動き」「ワンツースリー」の習得が可能になります!
※「3人目の動き」「ワンツースリー」は別記事で紹介します。
日々の練習でワンツーを磨いてください。
サッカーの試合で使えるおすすめのワンツー
ワンツーについての内容でしたので、個人的な経験によりますけど、サッカーの試合で使えるおすすめのワンツーを紹介します。
ワンツーのパターンを2つ紹介しますけど、
これは先ほどのワンツーの練習のところで紹介しました、
- ワンツーの次のプレーを準備しておく
- 動きながらワンツー
- あえて1回止めるワンツー
を使ったワンツーです。
僕が発明したわけでもなく、プロの試合では普通に使われているワンツーですので、なにも凄いワンツーではありませんm(__)m
ただし、ハマったらビッグチャンスを作れるワンツーで、大人のサッカーに限らず、ジュニアまで普通に使えます。
最初のほうで紹介しました映像の中にもありますので、あとで確認してみてください。
図で紹介しますね。
↓中央突破のワンツー、こんな状況の場面ですが・・・、
ツーの選手にワンのパスを出して、ツーの選手からツーのパスを受けようとしても・・・、
↑相手DFに対応される可能性が高く、ワンが入り込むスペースがありませんよね。
このワンツーも可能性がないわけではありませんが、チャンスをつくりだすのは難しいです。
そこで、ツーの選手が動いてワンの選手の進入するスペースを空けるようなワンツーにすると・・・、
↑ツーの選手が相手2の方向に移動したことで、ツーをマークしていた相手1を動かしたことで、
ワンの選手が進入するスペースを空けたんですね。
つまり、動きながらのワンツーによって、中央突破できる可能性を高めたワンツーになります。
この動きながらのワンツーのお手本となる映像を探したのですが、なかなか良いのが・・・こちらでいかがでしょう。
↓2:59~のスローの映像をご覧ください。
↑南野がパスをもらおうと斜めに動きますけど、マーカーのV・ダイクが南野についていってますよね。
南野の動きによってV・ダイクの居たスペースが空くわけです。
その空いたスペースに味方選手が入り込み、ツーの選手がヒールでパスを送っています。
この南野たちのプレーは、動きながらのワンツーのお手本のような動きです。
センターフォーワードとセカンドトップorトップ下のコンビネーションで使うことが多いと思います。
バイタル周辺での中央突破に効果的なワンツーですので、ぜひ練習してみてください。
この動きながらのワンツーでちょっと工夫しなければならないことがあります。
ツーの選手が動きながらツーのパスをすることになるんですが、ツーの選手の動く方向とは逆の方向にツーのパスを出さなければならないんです。
ヒールキックを使いこなすテクニシャンなら問題ないんですが、やはり自分の後ろにパスをするという技術が必要になります。
そこで、こちらの映像のルート・フリットのツーのパスのやり方を参考にしてみてください。
映像の中の↓8:00~8:05のシーンです。ワンツーは失敗していますけど(笑)
自分の後方へのパスをアウトサイドを使って出しているのがわかると思います。
このような動きながらのワンツーパスのシーンでのツーのパスは、体の向きを考えながらアウトサイドを使うとスムーズにパスを出せますよ。
ちなみに、ダイレクトが難しかったら、1回止めても良いと思います。
足の裏でボールを止めて、体をずらしながらアウトサイドでパンパーンとできると思います。
こちらも日頃の練習でやってみてください。
さらにもうひとつ、同じようなワンツーを紹介します。
先ほどの南野のワンツーのアレンジなんですけど、あのワンツーをサイドからやります。
図で説明しますね、ぜひイメージしてみてください。
こんな↓シチュエーションです。
WGなりSHなりのワン選手がボールをもち、自分のマーカーと対峙して、
ゴール前には味方の選手とそれをマークする相手選手がいるシチュエーションです。
このシチュエーションでワンツーを使いシュートまでもっていきますよ!
ツーの選手がニアサイドに動き、ワンの選手はそこにパスを出します。
ツーのマーカーらは動きに対応しますので、味方選手についていきます。
そうするとPKスポットあたりにぽっかりとスペースが空きますので、
ワンはそのスペースに移動し、ツーはそのスペースにツーのパスを出します。
ツーはどかんとシュートを打ちます!
このサイドからのワンツーも、ツーの選手が動きながらパスを受け、
自分のいたポジション方向へツーのパスをする、ワンがシュートをうつという形です。
こちらのワンツーのツーの選手もパスは自分の後方へのパスになりますので、パスの蹴り方を工夫しなければなりません。
このサイドからのワンツーは相手DFを崩せる可能性がとても高いので、こちらも普段の練習で鍛えてみてください。
以上、サッカーの試合で使えるワンツーの形を2つ紹介しました。
繰り返しますが、この2つのワンツーのポイントは、ツーの選手が動きながらワンツーをするということです。
映像や図が多くなりましたけど、頭でしっかりとイメージをして、普段の練習で試してみてください。
サッカーの試合でかなり効果的なワンツーですよ。
まとめ
以上、今回はワンツーパスについて紹介しました。
パスワークの基本ともいえる選手2人で行うワンツーパスですが、ボールが蹴れれば誰にでもできるプレーです。
ところが、この簡単なワンツーにいろんな要素を加えていくと、サッカーの試合でとても効果的に使える技になります。
そのためには、ワンツーに加える要素を理解して、日々の練習の中で技を磨いていくことが必要です。
この記事で紹介した要素とは、
- 次のプレーを意識したワンツー
- 動きながらワンツー
- 1回止めてみるワンツー
の3つですので、参考にしてみてください。
この3つの要素を加えたワンツーができれば、試合でけっこう使えますが、
なにより、このワンツーをさらに発展させることができますよ。
文中でも少し触れましたが、「3人目の動き」「ワンツースリー」というサッカーの必殺技が習得できます。
こちらはまた別の機会に紹介したいと思います。
今回の記事が読んでくださった皆さんのサッカーの楽しみにお役に立てればうれしく思います。
よかったら実戦スキル関連記事の<<カットインからのシュートを身につけよう!【サッカー】>>もご一読ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。