フォーメーションと特徴を知ってサッカーを楽しみましょう

サッカーにはフォーメーションっていうのがあるんだけど、イマイチよくわからないという人は、今日ここで覚えてしまいましょう。

サッカー用語に「フォーメーション」や「システム」という紛らわしいものがありますが、これもわかりやすく解説します。

今回はフォーメーションとその特徴を紹介します。

目次

フォーメーションってなんだ?

フォーメーション(formation)とは「隊形」のことです。

サッカーの試合ではピッチ上に11人の選手を配置しますが、それぞれDF、MF、FWをどのように配置するか、この11人全体の隊形がフォーメーションです。

フォーメーションの代表的なものが「4-3-3」「4-4-2」「3-5-2」などです。

この数字の並べ方は「DFの人数-MFの人数-FWの人数」と表記します。

ヨーロッパなどではGKを加える「1-4-3-3」と表記されたりしますが、日本ではGKを省くことが多いですね(だってGKは絶対に1人ですから)。

 

また、最近はMFの配置を分けて「3-2-3-2」とか「4-2-3-1」などと4つの数字で表記されるのがトレンドのようですが、この記事では昔ながらの3つの数字の「4-3-3」などと表記します。

フォーメーションでなにがわかるのか?DF-MF-FWの人数がわかります。

人数がわかることによって、そのチームがどういう内容のサッカーをしようとしているかが大雑把にわかります(笑)。

後で詳しく説明しますが、

サッカーの試合はチーム毎に、攻撃や守備の方法を、選手の人数や組み合わせを計画して戦います(これをシステムとか戦術とか言います)。

厳密には、この計画した攻撃や守備を実施しやすいように11人を配置した隊形がフォーメーションです。

 

試合になれば相手との力関係や状況によって計画した攻撃や守備は次から次に変化していきます。

ということは、フォーメーションも状況に応じて変化していくことになります。

 

つまり、フォーメーションからわかることはDF-MF-FWの人数であり、その人数からどういう試合をしようとしているかということが漠然とわかるということです。

また、フォーメーションの特徴を知ることによってさらにチームの傾向を予想できると思います。

フォーメーションの特徴

フォーメーションの特徴を確認したいと思います。

この記事を書いているときにワールドカップロシア大会をやっていますので、各国のフォーメーションを例としてみたいと思います。

攻撃方法、守備の方法の傾向という視点で確認してみましょう。

4-3-3

2018ロシア大会のブラジルの4-3-3のフォーメーションです。

4-3-3の特徴は攻撃を重視したフォーメーションです。

特にFWの個人の力に頼る傾向にあります。

現代サッカーで考えるとMFの人数が3人と少ないので、できるだけ早くFWにボールを渡して攻撃をしようとする傾向が強いです。

DF4人と守備的MFが1人ですから守備の人数が少ないですから、守備に不安があります。

つまり、4-3-3のフォーメーションは守備よりも攻撃を重視した超攻撃型のフォーメーションです。

MFの配置が異なりますが、ロシアワールドカップではブラジルのほかにスペイン、フランス、メキシコ、ナイジェリア、セネガルなどがこのフォーメーションです。

守備はまぁいいや、がんがんに攻めてやる」という特徴です。

4-4-2

2018ロシア大会のアルゼンチンの4-4-2のフォーメーションです。

4-4-2の特徴は攻撃と守備のバランスを重視したフォーメーションです。

特に守備でDFとMFは自分の担当するエリアをきちんと守ろうというゾーンディフェンスに適したフォーメーションです。

1980年代以降最も多く採用されているのではないでしょうか。

ロシアワールドカップではアルゼンチンのほかにポルトガル、スウェーデン、ウルグアイなどが採用しています。

攻撃も守備も組織的にバランスよくやろうぜ」という特徴です。

3-6-1

2018ロシア大会のベルギーの3-6-1のフォーメーションです。

3-6-1の特徴は中盤でボールを奪い素早く攻めることを重視したフォーメーションです。

中盤でボールを奪うということはゴールまでの距離が近いので、ボール奪取からフィニッシュまで短時間でできることが期待できます。

そのためにMFの人数を多く配置しているんですね。

中盤に人数が多いと選手間の距離が近くなりますので、ショートパスを繋ぎやすくなりますので、ボールの支配率も上がります。

中盤の人数を増やしたことでDFが3人しかいませんので、この支配率を上げなければ守備が苦しくなりますので、ボール支配率はチームの生命線になります。

攻撃の配置が少し違いますが、ロシアワールドカップではイングランドが3-5-2の3バックのフォーメンションです。

とにかく中盤でボールを取っちゃおうぜ」ということが3-6-1や3-5-2の特徴です。

DFの人数が3人のときにはほぼ中盤の高い位置でボールを奪おうとする意図があると考えていただいて良いと思います。

その他

ロシアワールドカップに出場している国では、ほぼ4バックをベースにしたフォーメーションをとっています。

4バックはきちんとエリアを守備しようとする特徴があります。

 

コスタリカのフォーメーションは5-4-1です。

DFがなんと5人!

MFも守備的MFを2人配置していますので、守備の人数を7人配置しています。

これは明らかに引きこもって超守備的に、攻撃はカウンターでという意図がうかがえます。

 

我らが日本も大会前のガーナ戦で3-6-1のフォーメーションを試しましたが、このときも守備のときにはDFが5人という状況になったりしていました。

 

逆に禁断のフォーメーション3-4-3があります。

これは4-3-3よりももっと攻撃的なフォーメーションでありDFの人数が3人なので、超ハイプレスでボールを奪うことを意図しています。

 

フォーメーションの特徴を確認するのに、代表的な4-3-3、4-4-2、3-6-1とその他でちょっと珍しいフォーメーションを紹介しました。

要するにDF、MF、FWのどのポジションに人数をたくさん配置するかによって、攻撃的なのか守備的なのか、中盤で勝負するのか、

また、どのエリアでボールを奪おうとしているのかという戦術の一部がみて取れると思います。

フォーメーションの特徴は配置される人数によって戦術の傾向がわかるということです。

システムとフォーメーション

システム(system)を理解するとフォーメーションがよりはっきりと理解できます。

「システム」とは、攻撃や守備を選手がどう動いて実施するのかという仕組み(計画と言っても良いです)のこと指します。

フォーメーションと一緒に具体例で考えたほうがわかりやすいと思います。

フォーメーション

この記事のメインテーマで、先に示したとおりサッカーの試合での11人の隊形、基本布陣のことです。

4-3-3とか4-4-2とか表記され、DF-MF-FWの人数がわかるもので、ポジションの配置人数からどういうサッカーをしようとしているのかという特徴がある程度わかります。

システム

サッカーの試合で攻撃や守備のとき、選手たちがどういう動きで実施するのかという仕組み(システム)のことです。

この仕組みはた~くさんあって、また、厳密に言うと試合中の選手の動きや状況に合わせて変化するので、細かなところまでありけっこうややこしいです(笑)。

ここでは、システムを示す簡単な具体例で確認します。

言葉?文字?で表すと「フラットな4バック」「ダブルボランチ」「1トップ2シャドー」などがシステムを示す用語です。

例えば↑このフォーメーション図。

フォーメーションで言うと4-4-2ですよね。

DFラインは4バックでフラットで、MF陣は1ボランチのダイアモンド型の配置です。

このDFライン4バックと1ボランチのダイヤモンド型の配置がシステムを示しています。

ちょっと大雑把かもしれませんが、担当する人数を同じくらいにしてバランスよく攻撃も守備もやろうというシステムです。

  • フォーメーション:4-4-2
  • システム:フラットな4バック、1ボランチダイヤモンド型

 

 

こちらのフォーメーションも先ほどと同じ4-4-2です。

先ほどと違うのがMF陣の組み合わせです。

ボランチが2人(ダブルボランチと言います)のボックス型の構成です。

先ほどの4-4-2は攻撃も守備も同じくらいの人数でバランスよくやろうとしていましたが、

こちらのダブルボランチのボックス型は先ほどのダイアモンド型に比べて守備の人数が1人多くなりますので、守備を重視した4-4-2になります。

  • フォーメーション:4-4-2
  • システム:フラットな4バック、ダブルボランチのボックス型

ということになります。違いがお分かりになりますでしょうか。

フォーメーションは同じ4-4-2でも、

選手の配置の仕方や役割の比重を変えるなどのこと(システムが違うこと)で、攻撃の方法や守備の方法が異なりますね。

これがシステム(の一部)です。

 

念のため、もう一例確認しておきましょう。

こちらは4-3-3のフォーメーション。

フラットな4バック、ダブルボランチのトライアングル型のMF、両サイドにウイングを配置した3FWというシステムです。

4-3-3のフォーメーションは攻撃を重視する特徴がありますが、ボランチを2人配置することによって守備もおろそかにはしませんよという意図がうかがえます。

攻撃は左右のウイングにボールを集めて攻めるという意図もうかがえますね。

4-3-3という攻撃的なフォーメーションでもシステムによって攻守のバランスを重視する意図がうかがえます。

  • フォーメーション:4-3-3
  • システム:フラットな4バック、ダブルボランチ、ウイングを配置した3FW

 

 

こちらも攻撃的な4-3-3のフォーメーション。

こちらは1ボランチのフラット型に近いMF陣、FWはトップの後方に2人のSTを配置した1トップ2シャドーのシステム。

先ほどの4-3-3に比べ攻撃の人数が多いので、攻撃を重視する意図がうかがえます。

また、ウイングを配置して広く攻撃しようというのではなく、1トップにボールを集め2人のSTが得点を狙うという意図もうかがえます。

ピッチの左右の攻守はサイドハーフの運動量がカギになりそうですね。

  • フォーメーション:4-3-3
  • システム:フラットな4バック、1ボランチのワイド、1トップ2シャドーの3トップ

 

フォーメーションとシステムの違いが伝わりましたでしょうか。

フォーメーションは11人のプレーヤーの隊形、基本布陣を示し、

システムは11人のプレーヤーの攻撃/守備のときの動きや役割の仕組みや計画のことを示します。

この違いが分かれば、フォーメーションやシステムの特徴を覚えることによって、サッカーの試合でチームの傾向がみえてくることになります。

 

ただし、システムってのは色々細かいところまでありますので、全てを説明するのは難しいですが、

とりあえず、ここで説明した例から、違いを覚えてもらえれば、サッカーを十分に楽しめると思います。

まとめ

今回はフォーメーションの特徴を紹介しました。

システムや戦術などの言葉とややこしい関係にありますけど、違いがわかれば、難しいことではありません。

フォーメーションは11人のプレーヤーの隊形のこと、

システムは11人のプレーヤーがどんな仕組みで攻撃や守備(サッカー活動)を実施するのかということです。

本来、サッカーでは先に戦術やシステムを計画してその結果フォーメーションを決めるということがセオリーです。

フォーメーションからDF-MF-FWの人数がわかるので、そのチームのある程度の特徴がわかりますが、

フォーメーションに加えシステムをみるとそのチームがどんなサッカーをしようとしているかがよりわかります。

フォーメーションでは選手の人数を確認することで特徴がわかりますよ。

よかったら、過去記事の<<サッカーがよくわかる「ポジション」について解説します>>もご参照ください。