サッカーのポジションのひとつ「セカンドトップ」。
世界のサッカーで考えるとメッシ、グリーズマン、香川真司などスター選手がセカンドトップだったりします。
では、セカンドトップの役割とはなにか、今回はこの役割を解説します。
CF、WG、トップ下などの他のポジションと役割が重なる部分もありますが、確認してみましょう。
目次
セカンドトップとは(おさらい)
セカンドトップの役割を確認する前に、セカンドトップのポジションなどをおさらいしておきましょう。
このブログの過去記事でセカンドトップとトップ下の違いについて紹介していますので、目をとおしてみてください。
セカンドトップはFWのポジションのひとつです。
試合のときのFWは通常1~3人配置され、FWの人数によって、
- FW1人:ワントップ(1トップ)
- FW2人:ツートップ(2トップ)
- FW3人:スリートップ(3トップ)
と呼ばれます。
セカンドトップは、原則、FWが2人の2トップのときに出現するポジションです。
FWの配置を図で確認してみましょう。
↑こちらはFWが3人の3トップの配置です。
この場合CFとWGというポジションが出現し、セカンドトップは配置されません。
↑こちらはFWが2人の2トップの配置です。
2人のFWのうち少し後ろに配置されるのがセカンドトップです。
※ちなみに、この場合の最前線のFWを「ファーストトップ」と呼ぶことはありません(笑)
つまり、セカンドトップとは、
- FWのポジションのひとつ
- 2トップのときに配置される
という2つの大原則を覚えておいてください。
「2トップの場合のちょっと引き気味のFW」がセカンドトップと覚えてもらっても良いと思います。
セカンドトップの役割を理解するときに、FWであること、ちょっと引き気味のFWであること、がポイントとなります。
セカンドトップの役割
サッカーのポジションであるセカンドトップの位置がわかったら、その役割を覚えましょう。
セカンドトップに関わらずサッカーのポジションの役割を考えるときには、
サッカーの基本である「どのポジションも守備と攻撃の役割を担う」ということを確認しておいてください。
→サッカーがよくわかる「ポジションと役割」について解説します
FWであるセカンドトップも、相手がボールを保持しているときには、守備をしなければならないことは言うまでもありませんね。
しかし、ここでは、セカンドトップというポジションの特徴的な役割を確認していこうと思います。
前述しましたが、セカンドトップはFWであり、2トップの引き気味に位置するということから、次の2つのことが大きな役割であると言えます。
- 得点すること
- 得点チャンスを創り出すこと
この2つの役割がセカンドトップが担う「責任」です!(書いてみたら至極当たり前のことでしたが笑)
自ら得点を奪い、アシストや効果的なオフザボールによってフィニッシュチャンスを創り出すことがFWであるセカンドトップの役割です。
フォーメーションの最前線に位置するCFは得点することが最も期待されますが、
セカンドトップはそのCFより少し後ろに位置しますので、得点を期待されることはもちろんですが、
CFよりも、チャンスを創り出す(ちょっと引き気味に位置するので)ことを期待されるのです。
近年の世界のサッカーでは、2トップでセカンドトップを使うチームが少なくなってきましたので、
この選手が!とわかりやすい例として示すことが難しいですけど、
例えば、近年のアトレティコ・マドリードは2トップを使い、グリーズマンがセカンドトップとして得点を量産していますし、アシストも多いです。
FCバルセロナは3トップを使っていますが、メッシも2トップのときにはセカンドトップになりますし、
FCバルセロナではCFを務めているルイス・スアレスですが、
ウルグアイ代表ではカバーニとの2トップを組み、スアレスがセカンドトップを務めたりしますね。
1990~2000年くらいのサッカーは2トップが世界の主流でしたので、
バッジョ、ラウル、ベルカンプ、レコバなどなどサッカー界のレジェンド級の選手がセカンドトップを務めていました。
これらの選手は、ことごとく得点もできてチャンスを創り出すことを役割としていました。
セカンドトップの役割の参考になるわけではありませんが、
現代の世界のサッカーのセカンドトップの第一人者グリーズマンの映像をお楽しみください。
セカンドトップの役割は応用されます
セカンドトップのポジションはFWであり2トップのときの引き気味のFWであること、
また、セカンドトップの役割は、得点すること&得点チャンスを創り出すことと紹介しました。
このセカンドトップの最大の役割である得点シーンを創り出すことは、2トップ以外のとき(セカンドトップを配置しないとき)には、どのポジションが担うんでしょうか?
1トップ、3トップのときににはトップ下やウイングのポジションがセカンドトップの役割を担うことになります。
近年のサッカーのフォーメーションのトレンドは4-3-3と4-5-1(4-2-3-1)です。
→2018年のフォーメーションの流行、トレンドは?【サッカー】
前述したとおり、1トップ&3トップのときにはセカンドトップは配置されません。
このときの得点も狙いつつ、得点チャンスを創り出す役割をトップ下やウイングが担当するんですね。
例えば、ポイチJAPANは4-5-1のフォーメーションを使いますので、
1トップの大迫の後ろにはMFであるトップ下を配置しますよね(よく南野が担当していますが)。
このときのMFであるトップ下の南野は得点&チャンスメイクを担当することになります。
さらに例えば、2015年のFCバルセロナはFWを3人配置する3トップを使っていました。
CFがスアレスで左右のWGにメッシとネイマールを配置していました。
3トップなので当然セカンドトップはいません。
このときのセカンドトップの役割である得点&チャンスメイクはWGであるメッシとネイマールが担当するわけです。
これらのことから言えるのは、試合に出場する11人のポジションの中に、
役割として得点も取れてチャンスメイクもできる選手を配置したいんだけど、
どのフォーメーションを用いるかによって、得点&チャンスメイクを担当するポジションが違うということです。
つまり、セカンドトップとWGとトップ下というポジションは、配置場所はちょっと違うんだけど、役割は凄く似ているということになります。
実際に、先ほど紹介した現代のセカンドトップの第一人者であるグリーズマンですが、
所属クラブであるアトレティコ・マドリードでは2トップでセカンドトップを務めていますが、フランス代表ではMFであるトップ下を務めています。
メッシはFCバルセロナで2トップのときにはセカンドトップを務めますが、3トップのときにはWGとして配置されます。
グルーズマンもメッシも担当するポジションは違いますけど(試合でプレーするエリアはちょっと違うけど)、同じ役割を担っているということです。
繰り返しますが、得点&チャンスメイクという役割は、フォーメーションやFWの人数が違ったとしても誰かがやらなければならない、
それがセカンドトップであり、WGであり、トップ下であるので、ポジションは違っても役割はとても似ているということも覚えておきましょう。
また、サッカー選手で得点&チャンスメイクを任される人は、フォーメーションが違ったとしても、
セカンドトップでも、WGでも、トップ下でも、複数のポジションでプレーできるよう考えましょう。
複数のポジションができるという観点でサッカーを考えたときに、2トップの場合のCFとセカンドトップの関係性も考えておいてほしいです。
FWとしてポジションを考えたときには、CFでもセカンドトップでもできるよ!となると良いですね。
2トップの使い方、配置の仕方については、チームによって取り扱いが違うことがあります。
CFとセカンドトップという配置、役割を固定するチームもあれば、固定しないチームもあります(固定するほうが断然多いと思いますけど)。
CFとセカンドトップのポジションチェンジのことなんですけど、
試合の状況や時間帯などによって、CFとセカンドトップの役割が変わることがよくあります。
できればFWを担当する選手は2トップの場合のCFとセカンドトップのコンビネーションについても意識しておくことをおすすめします。
例えば、ウルグアイ代表のカバーニとスアレスの2トップなんですが、基本はカバーニがCFでスアレスがセカンドトップという配置です
この2人は良くポジションをチェンジし役割を交代しています。
中学生や高校生のサッカーでは、この2トップのポジションチェンジ、役割の変更は良く見られます。
カバーニやスアレスの2トップを観る機会がありましたら、参考にしてみてください。
役割の応用が長くなりましたのでまとめておきます。
- 得点&チャンスメイクは誰かがやらなければならない
- フォーメーションの違いによって役割を担うポジションが違う
- セカンドトップ、WG、トップ下の役割は凄く似ている
- 得点&チャンスメイクが得意な選手は複数のポジションができたほうが良い
- 複数のポジションができることで考えればCFとセカンドトップの関係性も意識する
セカンドトップというポジションの役割から、これらのことも意識してみてください。
さらにサッカーが楽しくなると思いますよ。
まとめ
以上、今回はサッカーのポジションのひとつであるセカンドトップの役割について紹介しました。
セカンドトップとはFWのひとつで、2トップのときに出現するポジションです。
その役割は得点&チャンスメイクです。
得点&チャンスメイクは誰かが担当しなければならないので、フォーメーションが違ってもWGやトップ下が担当することになります。
これらのことを踏まえてサッカー観戦なり、自分のサッカーなりに活用してみてください。
今回は役割のことがメインでしたので、次回はセカンドトップの動き方や上達のためのコツなども紹介したいと思います。
今回の記事が読んでくださった皆さんのサッカーの楽しみにお役に立てればうれしく思います。
よかったら関連記事のこちらもご一読ください。
→トップ下の動きは自由!だけどセオリーだけは確認【サッカー】
最後まで読んでいただきありがとうございます。