昔のサッカーではサイドバックは自分の担当するエリアの守備をしておけば役割をこなしているということだったんですが、
現代のサッカーではサイドバックに多くの役割が求められるようになりました。
そこで今回は、サイドバックの役割の確認と、凄いサイドバックになるために欠かせない3つのコツを紹介したいと思います。
目次
サイドバックの役割
サイドバックなどのサッカーのポジションの役割はなんだ?って考えるときには、
過去記事のポジションと役割で解説しているんですけど、サッカーの試合という活動を理解することが大前提です。
サッカーの試合ではボールを保持しているチームが攻撃をして、ボールを保持していないチームが守備をするという構図になります。
つまり、サッカーの試合は攻撃と守備という活動から構成されていて、サイドバックであろうがセンターフォワードであろうがもちろんゴールキーパーであろうが、
味方が攻撃をしているときには攻撃を、守備をしているときには守備をすることになります。
このことが理解できれば、どのポジションであろうがその役割は攻撃のときの役割、守備のときの役割が同じようにあるわけです。
ですから、サイドバックの役割はサイドバックの担当するエリアでの攻撃と守備ということになります。
この攻撃と守備という役割をさらに詳しく考えていくと、同じ攻撃と守備という役割でもサイドバック以外のポジションの攻撃と守備という役割には違いがあります。
センターフォワードとサイドバックの守備は違うこと想像できますよね。
例えば、役割としての守備を考えたときに、守備の最大の目標は相手のボールを奪うことですけど、
センターフォワードとサイドバックを比較したときに、ボールを奪うというプレーはサイドバックのほうが求められますよね。
攻撃の役割をセンターフォワードとサイドバックで比較すると、
攻撃の最大の目標である点を取ることについて、サイドバックよりもセンターフォワードのほうがより求められます。
しかし、サイドバックは直接点を取らなくても攻撃の役割は担っているわけです。
要するに、自分の担当するエリアでの攻撃と守備が全てのポジションの役割なんですけど、その役割の比重とプレーの内容が違うということになります。
センターフォワードには守備よりも攻撃的な役割や攻撃的なプレーが求められますし、
サイドバックには攻撃よりも守備的なプレーが求められます。
が、役割と考えれば両ポジションともにそのポジションに応じた攻撃と守備が求められるということです。
この違いは、サッカーがフォーメーション(隊形)を組んで試合をすることから、担当するエリア、ポジションが違うからです。
攻撃と守備という役割に、フォーメーション上の配置と担当するエリア(←まぁこれがポジション)を理解することができれば、各ポジションのより詳細な役割がわかるようになります。
このことがわかればサイドバックの役割、またサイドバックのプレーの特徴がよくわかりますので、
このサイドバックの特徴的なプレーを磨くことが、次の項目で説明する上手になるための3つのコツになります。
これぐれも、サッカーの各ポジションの役割とは、
- 担当するエリアでの攻撃と守備
- 担当するエリアで特徴が異なる
ということはしっかりと覚えておきましょう。
上手になるための3つのコツ
サイドバックの担当するエリアはフォーメーション上の最後尾であり、↓ピッチ上の両サイドになります↓。
↑ここのエリアがフォーメーション上の配置になりますが、
サッカーの試合では攻撃によって相手陣に進入したり、自陣で守備をしたりましますので、
サイドバックの動くエリア(←基本的には)は↓このエリアを動くことになります。
↑攻撃、守備のときにこのエリアを動き回ることになりますので、これらのことから、サイドバックに必要なプレーを理解し、そのプレーを磨くことがこれから紹介します、
凄いサイドバックになるためのコツということになります。
1.1対1の強化
サイドバックはピッチ上のサイドのエリアを担当しますので、攻撃の場面でも守備の場面でも対峙(マッチアップ)する相手選手と1対1の局面が多くなります。
ですから、サイドバックに求められるプレーはまず第1に1対1の局面で負けないことが求められます。
1対1の強化は絶対に必要になり、これがひとつ目のコツになります。
1対1の局面でも特に1対1の守備が重要になります。
サイドバックは最後尾に位置しますので、自分の後ろには味方選手はいません。
この誰もいないスペースを使われてしまったら、相手にはチャンスになり、味方はピンチに陥ります。
サイドバックはなんとしても自分の後ろのスペースを突かれないような守備をしなくてはなりません。
練習で1対1の局面で負けない、1対1でボールを奪取できるような強化が必要になり、
繰り返しますが、1対1の強化が凄いサイドバックになるための最も大事なコツになります。
2.豊富な運動量
凄いサイドバックになるための2つ目のコツは運動量です。
先ほどのサイドバックの担当エリアと動くエリアで確認してもらうと良いんですが、サイドバックは11人の選手の中で最も広いエリア、長い距離を動かなくてはなりません。
同じディフェンスラインを形成するセンターバックは、守備のときにはサイドバックと同じラインに並びますが、攻撃で相手陣に進入するときには、サイドバックほど前に行きません。
せいぜいハーフウエイライン付近までが一般的です。
しかし、サイドバックは相手陣のペナルティエリア付近まで、オーバーラップ&インナーラップするときには、相手陣のゴールライン付近まで進入することもあります(サイドバックの攻撃のあり方はチームの方針によりますけど)。
昔のサイドバックといえば、最後尾でエリアの守備をしておけば良いという傾向にありましたが、
現代のサッカーではこれまでの守備に加え、サイドに位置しているという特徴から攻撃的なプレーも求められるようになりましたね。
つまり、自陣深い位置での守備もしなければならないし、相手陣深い位置まで進入して攻撃を担当することも求められているわけですから、
走力、スピード、スタミナという豊富な運動量が必要です。おそらくチーム1の運動量が求められます。
先ほどの1対1の守備のところでも触れましたが、サイドバックの後ろのスペースを突かれたときには大急ぎで走っていって対応しなければならないことも多々あります。走力、運動量は1対1の強化でも必要なんですね。
これらのことから、凄いサイドバックになるには豊富な運動量が必要で、この運動量を鍛えることが凄いサイドバックになるための2つめのコツです。
3.ビルドアップへの参加
凄いサイドバックになるための3つ目のコツはビルドアップ(構築/組み立て)への参加です。
サッカーは攻撃と守備というチーム活動を繰り返すスポーツで、攻撃のための守備、守備の(軽減)ための攻撃という側面もあります。
攻撃の場面でしっかりとボールを保持し、相手にボールを渡さないかぎりは、相手は攻撃をすることができないわけです。
サイドバックの動きについての記事でも少し触れているんですが、
各ポジションの攻守の役割に、隣接するエリアのフォロー・ヘルプというものもあるんですけど、
このフォローという意味合いを含めて、攻撃のときのビルドアップへの参加がサイドバックには求められます(←サイドバックの攻撃の役割のひとつです)。
特に、昔からチームの攻撃のときには、センターハーフ(ボランチなど)が、最近ではセンターバックなどがチームのビルドアップを求められますが、やはり最近はサイドバックにも求められる傾向にあります。
攻撃の起点となって長短のパスを使って攻撃の有利な形を作るプレーをビルドアップと考えていただいて良いんですが、
ビルドアップはパスで組み立てる選手だけではなく、そのパスを受ける選手もビルドアップ能力が求められるわけです。
つまり、攻撃の起点が密集しているセンターのポジションであるセンターハーフやセンターバックだけではなく、
比較的スペースと時間に余裕のあるサイドバックにも攻撃の起点となり、
適切な場所にパスを出し、攻撃を組み立てることができることが求められることが多くなってきました。
また、パスで組み立てるだけがビルドアップではなく、自分が有利なポジションどりをしているとなればパスを受け、
その後に効果的な攻撃に移るというビルドアップへの参加も、ビルドアップのひとつです。
このように、サイドの位置は密集していることが少ないので、攻撃のビルドアップとなりやすいことから、サイドバックにビルドアップ能力、ビルドアップへの参加が求められます。
ビルドアップができるサイドバックに、ビルドアップを助けることができるサイドバックになることが、凄いサイドバックになるためのコツです。
- 1対1の強化
- 豊富な運動量
- ビルドアップへの参加
この3つが凄いサイドバックになるために必要な資質で、コツだということになります。
サイドバックとしての意識
サイドバックの役割とサイドバックに求められるプレーを3つのコツとして紹介しました。
担当するエリアでの攻撃と守備という役割、その役割を高いレベルで遂行するために必要なプレー3つをきちんと身につければ、凄いサイドバックになります。
・・・しかし、なかなか3つ全て揃ったサイドバックはプロでもない限りそんなにいませんm(__)m。
1対1の強化、豊富な運動量という資質、コツを満たすことができればしっかりとしたサイドバックになれることは間違いありません。
その2つのコツを満たすことができたら、3つめのコツであるビルドアップへの参加と順番で考えてもらっても良いと思います。
ただ、プロのサッカーが参考になるかどうかわかりませんが、
例えば、マルセロなり内田篤人なりのようなビルドアップのできるサイドバックになったら、チームは凄く強くなりますよ。
これらの3つのコツを満たしていくためには、やはり普段の練習が大事になります。
サイドバックというプレーヤーとして、質の高いプレーをしてチームに貢献すると考えられるのであれば、普段の練習から特にこの3つのコツを意識して研鑽されることをおすすめします。
1対1の強化は反復した練習でボール奪取できる、できなかったとしても簡単には抜けれないというスキルを身につける必要があるでしょうし、
豊富な運動量は地道なフィジカルトレーニング、スタミナ強化のトレーニングが必要になると思います。
ビルドアップのスキルについては、反復練習よりも周囲の情報を収集し、分析し、選択、決断するという知的なプレーが求められますので、
考える力、イメージする力を磨く訓練が必要になるでしょう。
いずれにせよ、3つのコツを満たしていくには練習や経験を積むしかないんですが、
サイドバックとしての意識を高く持って普段の練習を質の高いものにすることが必要だと思います。
まとめ
以上、今回はサイドバックの役割と上手になるための3つのコツというテーマで、役割と求められるプレーについて紹介しました。
役割は簡単です、担当するエリアでの攻撃と守備です。
くどいかもしれませんがどのポジションでも同じです。ただし、この役割は比重とプレーの内容が違うということです。
プレーの違いがポジションの特徴の違いなのですが、サイドバックに求められるプレーとして考えたときに、サイドバックの役割を高いレベルで遂行するためには、
- 1対1の強化
- 豊富な運動量
- ビルドアップへの参加
というスキルが必要であり、この3つを満たすことが凄いサイドバックになるためのコツということです。
このスキル、このコツは練習で鍛えるしかありません。
くれぐれも消化型の練習をするのではなくて、サイドバックとしてのプライド、責任感、高い意識をもって練習に取りくまれることをおすすめします。
今回の記事が読んでくださった皆様のサッカーの楽しみにお役に立てればうれしく思います。
よかったら関連記事の以下もご参照ください。
→サイドバックはオーバーラップしなきゃいけないの?【サッカー】
最後まで読んでいただきありがとうございます。