どんなスポーツでも身長が高いにこしたことはないのかもしれませんが、身長が低いことによるメリットもあるんですよね。
サッカーは他のメジャースポーツの中でも身長の低い選手が活躍できる傾向にあるのかもしれません。
今回は、サッカーの身長の低いスーパースターを紹介しつつ、
身長が低いことによるメリットを少々紹介したいと思います。
目次
身長が低いことによるメリット
あくまでも、僕の経験に基づく私見ですのでご了承ください。
スポーツ全般において、身長が低いことの最大のメリットは「敏捷性(アジリティ)」です。
体が大きいことと比較した場合、体が小さいほうが、敏捷性が高くなる傾向にあります。
敏捷性とは、単なる移動する速度(スピード)だけではなく、
トップスピードまでに至る時間の速さや方向を変える速さ、体の姿勢を変えるときの速さなど、動作の速さのことを言います。
もちろん、身長が低い人が全て俊敏性があるということではなくて、
身長の高い人と低い人を比較したとき、同じ筋肉量、質が同じ条件だったとした場合、
身長の高い人に比べて、身長の低い人のほうが、敏捷性が高いということになるわけです。
身長の高い人が敏捷性がないということでもありません。
野球にしろバスケにしろバレーボールにしろ、どんなスポーツにも敏捷性は求められる要素だと思いますが、
特にサッカーは、他のスポーツよりも、敏捷性が求められる傾向にあると考えられます。
ランニング、ダッシュ、ジャンプ、移動&ターン、チャージなどなど、
たくさんの体の動かし方や姿勢の変更などが多い競技です。
敏捷性が求められるスポーツですから、
敏捷性を発揮しやすい身長の低い選手が、そのフィジカルを生かして活躍できることが多いのがサッカーだと思います。
スポーツにおいて、身長が低いことの最大のメリットは敏捷性を生かしやすいからということです。
ですから、昔から、世界のサッカー界でスーパースターと評される選手には、身長の低い選手がたくさんいるんだと考えられます。
ちなみに、身長が低い人が敏捷性が乏しいのは、サッカーではちょっと困ります(笑)
敏捷性は鍛えなければなりませんので、
身長が低いことでサッカーに対する悩みや不安のある方は、敏捷性を高めるトレーニングをしてくださいね。
このブログの過去記事で紹介していますので、よかったら参考にしてみてください。
あ!もちろん、身長の高い人も敏捷性を鍛えたほうが良いのはいうまでもありません(笑)
身長が低いサッカーのスーパースター
ご存知だとは思いますが、世界のサッカーの歴史に名を残すであろうメッシは170cm、
2019年現在で期待されている日本人選手、中島翔哉は167cm、らしいです。
神レジェンドであるペレは171cm、マラドーナは165cmです。
サッカー選手がアスリート化してきた現代と比較しても、この4人は身長が低いですよねぇ。
これらの選手以外にも身長の低いサッカー界のスーパースターはまだまだいます。
ここでは、そんな選手を紹介したいと思います。
ルカ・モドリッチ 172cm
国籍:クロアチア
所属:レアル・マドリード
現代のサッカーで、この男を外すわけにはいかないですね。
「バルカンのクライフ」ことルカ・モドリッチ、ご存知のように2018ロシアW杯ゴールデンボール(大会MVP)受賞、
勢いそのままに2018バロンドールに輝きます(←クロアチア人初)。
172cmとのことですから、メッシよりは高いですが、やはり身長が低い部類に入りますよね。
身長の低いサッカー選手の現代のスーパースター、モドリッチです。
シャビ&イニエスタ 170cm
国籍:スペイン
所属:FCバルセロナほか
↑左からイニエスタ、メッシ、シャビ、3人とも170cm。
2008~2012年で、欧州選手権を連覇、その間でW杯も初優勝というスペインの黄金時代を支えたシャビとイニエスタ。
この2人、ホントかどうかわかりませんが2人とも170cm(体重68kg)という公表です。
当時の世界最強のスペイン、それも細かいパスワークを武器としたスペインのダブルエースが、
なんとサッカーの世界でも身長が低い部類の170cm、それも同じcm(笑)
シャビもイニエスタも、メッシ&Cロナと同じ時代じゃなかったらバロンドールに輝いていたでしょう、
そのくらいのスーパースターです。
ファビオ・カンナバーロ 176cm
国籍:イタリア
所属:パルマ、レアル・マドリードほか
176cmってそんなに低いことないと思われるかもしれませんが、カンナバーロはセンターバック(CB)なんです!
現代のサッカーは選手が大型化してきていますし、特にCBの大型化は世界的な傾向で、190cm前後が標準になっています。
そんな傾向にあるなか、カンナバーロは176cmという身長であり、
ご存知のように純粋なDFの選手として史上初のバロンドールを受賞しました(ベッケンバウワー、ザマーはもともとMFということでm(__)m)。
サッカー界の世界的なスーパースターです。
ダニエル・パサレラ 173cm
国籍:アルゼンチン
所属:リーベル、フィオレンティーナほか
カンナバーロを紹介しましたので、パサレラも紹介しないわけにはいかなくなりました。
パサレラもCBでして、身長は173cm!
僕の知っている限り、世界的なCBでは最も身長が低いCBです。
1978年自国アルゼンチンでのW杯、優勝時のキャプテンです。
173cmのCBなのに得意なのはエアバトル(空中戦、ヘディング)なんですよね、ジャンプ力が凄かったです。
国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)によると、DFの選手として世界で2番目に得点が多いとのこと(←1位はロナルド・クーマン)。
パサレラもCBとしては身長がかなり低いですが、スーパースターです。
アラン・シモンセン 165cm
国籍:デンマーク
所属:ボルシアMG、FCバルセロナほか
バロンドールに輝いた選手の中で一番身長が低いはずです、アラン・シモンセン、人呼んで「小さな巨人」。
1970年後半から1980年中ごろまで活躍した正しくスーパースターです。
ペレやメッシよりもまだ低く、マラドーナと同じ165cmの選手です。
よかったらご覧ください。
→Allan Simonsen, Simonet [Best Goals]
アラン・ジレス 163cm
国籍:フランス
所属:ボルドー、マルセイユ
そして、この身長の低いスーパースターの中で最も紹介したかった選手、アラン・ジレス!
1980年代の強いフランスの象徴、プラティニを中心にジレス、ティガナなどと、華麗な中盤を構成した名選手です。
バロンドールには選ばれなんせんでしたが、1982年のバロンドールの2位になったことがあります。
ジレスの異名も「小さな巨人」、シモンセンと同じ。
現役のとき、引退してからも来日し日本でチャリティマッチなどに出場していました。
まぢ上手いっすからね、ジレスは。
・・・ジレスの映像はあまり残っていませんでした・・・m(__)m
→La coupe du Monde selon Alain Giresse
チャナティップ・ソングラシン 158cm
国籍:タイ
所属:コンサドーレ札幌
世界的なスーパースター・・・ではないかもしれませんが、
現在Jリーグで大活躍しているチャナティップは158cmです!
2019年で26歳になる選手として最盛期を迎えているチャナティップですが、
これからも日本で観ることができるかどうか。
瞬間的なスピード、細かいボールタッチは、正に身長の低い選手のお手本となります。
→チャナティップ Chanathip Songkrasin ► タイからの贈り物 2018
以上、身長の低いスーパースター7人を紹介してみました。
それでも身長の高い順に並べてみますと、
- 176:カンナバーロ
- 173:パサレラ
- 172:モドリッチ
- 170:シャビ&イニエスタ
- 165:シモンセン
- 163:ジレス
- 158:チャナティップ
この面々をならべると身長が低くても一流、いや超一流のサッカー選手になることが可能だと思いますね。
身長の低い選手が多いポジション
身長の低い選手の特徴や、身長の低い選手でスター選手を紹介してきましたが、
これらを集約すると、身長の低い選手がどのポジションを担当していることが多いのか、ということに着目できます。
この記事で紹介した選手たちのポジションをまとめてみますと、
カンナバーロとパサレラはCBで、他の選手たちはMFかFW、しかも、カンナバーロとパサレラはレアケースであることを考えれば、
攻撃的なMFやFWに多い傾向にあると思われます。
もちろん、マケレレやカンテのような守備的MFを担当する170cmもいるし、長友などのように170cmでSBを担当する選手もいます。
また高さが求められるポジションのGKでもホルヘ・カンポス(←自称175実際は165くらい)がいますけど、極めてレアケースですね。
そう考えると、やはり、身体的特徴である敏捷性を生かして、狭いスペースでも、多彩な動きのできる攻撃的なポジションが多いと思われます。
メッシやペレ、中島翔哉のようにFWのうちウイング(WG)やセカンドトップ(ST)、
フォーメーションによってはMFのうちトップ下やサイドハーフ(SH)などの攻撃的なポジション、
また、シャビやイニエスタ、ジレスなどのように、MFのうちチャンスメイクを行う攻撃的MF(OMFやインサイドハーフなど)が、
身長の低い選手が任されそうなポジションではないでしょうか。
裏を返せば、高さやブロックなどフィジカルサイズを要するポジションに身長の低い選手は少ないということになります。
これらのことから、身長の低いことでどんなサッカーをすれば良いのかと考えている方は、
身長の低いという特性を生かして、
今回紹介したスター選手をモデルにしながら、
STやMFのポジションを目指してみるというのはどうでしょう。
もちろん、サッカーの基本技術であるボールコントロールは絶対に必要ですし、対人プレーや味方とのコンビネーションも必要です(←練習しないといけないということ)。
その対人プレーや味方とのコンビネーションに、つまり、サッカーのプレー、活動に、
身長が低いことの特性である敏捷性を生かすという考えが大事なんだと思います。
また、他の多くのスポーツと違って、サッカーはプレーが途切れることが少なく流動的に展開していきます。
次々に展開する状況を処理して、判断して、決断するという素早い思考が求められます。
この「プレー中の思考が最も大事で体の大きさはさほど重要ではない」とは、あるスター選手の言葉です。
敏捷性を生かすのは体の機能だけではなく、頭脳も必要なんだということだそうです(笑)
まとめ
以上、今回はサッカー選手のうち身長の低い選手のスター選手の紹介と、
サッカーにおいて身長が低いことのメリットを紹介しました。
身長が低いことで不安を感じている選手は、その特性を生かしてサッカーに取り組む、
もちろん、身長の高い人も自分の特性を生かしてサッカーに取り組む、
このような考えでサッカーに向き合ってみて、自分のスタイルが確立できると良いですね。
今回の記事が読んでくださった皆さんのサッカーの楽しみにお役にたてればうれしく思います。
よかったら過去記事の<<テクニックの名前を整理してみました【サッカー】>>もご参照ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。