サッカーのポジションのひとつに「トップ下」があります。
トップ下の動き方がわからないって選手はいらっしゃいませんか?
なぜ、わからないかわかりますか?
教えます!
トップ下は自由だからです!自由だからわからなくなるんです(笑)
今回はトップ下の動き方を紹介しますけど、覚えておいておいてください。
トップ下は自由だから、自分で考えなければならないんです。
目次
トップ下の役割を確認します
トップ下の役割を確認しておきましょう。
この役割がわかれば動き方もわかってきます。
サッカーの各ポジションの役割について、できましたら、
→サッカーがよくわかる「ポジションと役割」について解説します
の記事でおさらいしていただくとわかりやすいんですけど、
サッカーの試合ではどのポジションでも、担当するエリアで攻撃と守備をしなければなりません。
ですから、当然ですが、担当するエリアでの攻撃と守備がトップ下の役割になります。
まずこれが大前提です。
さらに、トップ下の具体的な攻撃方法、守備方法を理解します。
こちらの記事で説明しているんですが、
サッカーの戦術上、フォーメーション上、つまりピッチ上の11人の選手配置からトップ下を考えたときに、
トップ下はどんな役割を期待されているかというと、得点に絡むことです。
得点に絡むこととは、
- 得点チャンスを創り出すこと
- 得点をとること
です。
「得点チャンスを創り出す」をもっと具体的に言うと、「アシストをする」「ラストパスを送る」と言うことで良いです。
この得点に絡むことがトップ下に期待される最大の役割です。
トップ下の役割をまとめておきますと、
- 担当するエリアでの攻撃と守備
- 得点に絡むこと(アシスト、得点)
です。
この記事はトップ下の動き方を確認することがメインテーマですが、
動き方を理解するためには、このトップ下の役割を理解しておかなければなりません。
逆の言い方をすれば、トップ下というポジションの役割が理解できていれば、その動き方は自ずとわかります。
ちなみに、最初のほうで言いましたけど、
トップ下と言うのは、11のポジションの中で最も自由が与えられたポジションだと言えます。
得点に絡むという役割から、試合の状況に応じて、アイデアを駆使しなければならないんです。
チームが得点するために、ドリブルなのか、パスなのか、シュートなのか、
ためるのか、ダイレクトなのか、
チームが攻められっぱなしのときに、どう得点チャンスを創り出すのか、などなど、
攻撃の最終局面はトップ下を経由して創り出されるわけです。
ですから、トップ下にボールが渡ったときに、
どうやって得点チャンスを作るのかは、トップ下のアイデアが多くなければならないんですね。
アイデアが少ないと、プレーの種類が少なくなり、相手に読まれ、対応が簡単になってしまいます。
「次なにやってくるかわかんないぞこのトップ下は・・」
と思われるくらいの多彩な攻撃方法を持っておかなければなりません(笑)
ですから、トップ下にはある程度の自由が与えられるわけです。
しかし、その自由を間違った解釈をしてはいけませんよ。
「俺はトップ下で攻撃のタクトを振るうわけだから、守備は周りにまかせる」
という個人の好き勝手なのとはちょっと違います(笑)
得点に絡むという目標のために、自由にプレーしてもらう、
ということをチームから与えられている、役割としての自由なんです。
ピッチ上では11人でサッカーをやるわけですから、チームの最低限のルールはあるわけです。
守備をしないトップ下、得点チャンスを創れないトップ下は、役割を果たしていることになりませんよね。
この自由と最低限のルールということも、動き方に関係がありますので、
しっかりと覚えておきましょう。
トップ下の担当するエリア
上記のトップ下の役割をふまえて、トップ下の動き方を確認しましょう。
記事の表題にもしましたが、動き方のセオリー(理論、方法論)を紹介するんであって、
こんなプレーをしなければならないということではありません。
繰り返し言っていますが、トップ下がどんなチャンスメイクをするのかは、トップ下のアイデア次第です。
そのための動き方の基本と考えてくださいね。
まずは、トップ下の担当するエリアを確認しておきましょう。
↑ピッチ図の白いエリアがトップ下が担当するエリアになります。
原則、このエリアで攻撃と守備を行うわけです。
攻撃のときには相手ペナルティエリアの中まで進入していくでしょうし、
守備のときには、自陣まで引かなければならないでしょう。
状況によっては、このエリアから出ることもありますけど、
原則はこのエリアの中でプレーし、プレーに応じた動き方が必要になります。
トップ下の守備のときの動き方
まず、守備のときの動き方を確認しておきましょう。
サッカーの守備の目標は、
- ボールを奪うこと
- ボールを近づけないこと(ゴールに)
- ゴールさせないこと
ですから、トップ下の守備もこれらが基本になります。
先ほどのトップ下の担当するエリアで相手のボールを奪うことができれば、完璧です。
しかし、実際にはトップ下の守備は「ボールを近づけないこと」という方法が多くなります。
トップ下は相手のボランチやセンターバックと対峙しますので、
ボールホルダーに対してアプローチすることが、大事な守備の役割です。
そのアプローチのときには、
トップ下の後ろの中央部への進出を防ぐことを考えなければなりません。
これらを踏まえた守備のときの動き方は、
↑こんな感じで、自陣ゴールを意識しながら、相手ボールホルダーにアプローチしなければなりません。
さらに、もう一枚、
↑こちらは、相手のボールが自陣に入ったときの状況ですが、
トップ下の対峙する相手ボランチがボールを保持していたら、
相手陣にボールがあるときよりも危険度合いが増していますので、大急ぎで対応しなければならないですよね。
このように、トップ下の守備のときの動き方は、
トップ下の対峙する相手ボランチやセンターバックがボールを保持しているときに、
自分の後方の味方選手や自陣ゴールを意識しながら、
ボールホルダーにアプローチするという動き方が必要になります。
アプローチしていってボールを奪うことができれば100点ですが、
奪えなくても、ボールをゴールに近づけないための守備、
相手ボールの方向を限定させるワンサイドカットを意識した動き方が重要です。
この守備をすることが、先ほど説明しましたチームの最低限のルールの部分です。
トップ下であっても守備をすること、また守備ときの動き方を覚えておきましょう。
トップ下の攻撃のときの動き方
それでは、トップ下の最大の見せ場である攻撃のときの動き方を確認しましょう。
守備のときと同じように、
ピッチ上のどのエリアでボールに触るか(←攻撃をするのか)によってプレーは違いますけど、動き方は同じだと言えます。
こちらも図で説明します。
↑味方の選手が、自陣でボールを奪って、いざ攻撃を始めるという場面では、
そのボールを持っている味方からパスを受けるために、適切な位置へ動きます。
この図ではボールホルダーを左SBにしていますが、CBでも、ボランチでも、逆サイドでも同じです。
「近寄っていく」のです。
そしてパスを受けたら、次の展開をしていくわけですね。
↑こちらはハーウェイラインあたりのエリアで、右SHがボールを持っている場面です。
トップ下は右SHからパスを受けるために、例えば図のじぐざぐ矢印のように「近寄っていく」のです。
パスを受けたら、トップ下が考える次のプレーをします。
↑トップ下の攻撃の最大の役割、バイタルエリア付近で得点チャンスを創り出すための動き方です。
この場面こそ自由です!
どんな得点チャンスを創り出すのかによって、必要な動きを自分で考えなければなりません。
この図ではボールを載せていませんけど、
ボールがどこにあるのかによって、トップ下の考えるプレーに応じて、動き方を決めるのです。
念を押しておきます。
このバイタルエリアの場面でトップ下がどんなプレーをするのかによって、動き方を自分で考えるのです。
- 相手DFラインをドリブルで突破してシュートorラストパス
- パスを受けダイレクトでスルーパスorラストパス
- CFとワンツーorリターンを使って自分がシュート
- 自分のマークを連れていってスペースを空ける
などなど、やろうとするプレーによって必要な動きをするんです。
最初に書きましたが、「トップ下の動き方がわからない」という選手は、
この、今この瞬間!どんなプレーをすれば良いかということがわからないから、動き方がわからないとなるんですよ。
ですから、動き方を先に考えるのではなくて、
今からやろうとするプレーを先に決めて、そのプレーのための動き方をすれば良い、と理解してもらいたいんです。
トップ下が、自分でシュートまでもっていくと決めれば、そのための動き方、
ラストパスを送ると決めれば、そのための動き方をすれば良いということです。
このことが、トップ下が自由だということです。
ちなみに、トップ下の選手に限ったことではありませんが、
自分の担当するエリアから出て、他の選手の担当エリアでプレーする機会があるんですけど、
トップ下も状況によってはピッチのサイドの方に移動してプレーすることがあります。
この場合は、ポジショニングのセオリーとして、
ポジションを入れ替える(ポジションチェンジ)ということも覚えておいてください。
トップ下がサイドに移動していき、SHのエリアでプレーすることになったら、
SHがトップ下のポジションに移動し、トップ下のエリアでプレーすれば良いのです。
このことも、動き方のセオリーと言えるでしょう。
トップ下の動き方をまとめておきます。
- 守備のときには正しい位置に動く(アプローチ)
- 攻撃のときには味方からパスを受けるために正しい位置に動く(近寄る)
- 攻撃の最終局面は考えるプレーに応じて動く(自由)
この3点がトップ下の動き方のセオリーです。
どんなプレーをするかと言うことではありません。
攻撃や守備のときにどんな動き方をすれば良いのかということです。
動き方を覚えて、トップ下の威力が発揮できると良いですね。
まとめ
以上、今回はトップ下の動き方について紹介しました。
トップ下は最も自由が与えられるポジションです。
しかし、その自由は、役割を最大限に発揮してもらうためのもので、個人が好き勝手やっても良いという自由ではありません。
攻撃や守備の場面ではチームのルールが優先されますので、トップ下もそのルールに基づいて攻撃や守備をしなければなりません。
どんどんボールに触って、チャンスを作ってください。
また、トップ下の最大の役割である得点に絡む場面では、
今からどんなプレーをするのか、どうやって得点をとるのかということを、いろんなアイデアの中から導き出し、それに応じた動きをしてください。
サッカーで、トップ下というのは、一番上手いと言われる選手が担当します。
背番号10を背負うのもトップ下の選手が多いです。
つまり、サッカーの一番の見せ場を創るのがトップ下というポジションです。
「なにしてくるかわからないぞこの選手は」みたいなトップ下を目指しましょう。
今回の記事が読んでくださった皆さんのサッカーのお役に立てればうれしく思います。
今回のトップ下の動き方と関連するこちらの記事もご一読ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。