子供さんにサッカーを教える人と言えば監督、コーチ、そして親御さんです。
サッカーの競技者として高いレベルでプレーしてほしい、サッカーを楽しんでほしい、
いろいろな思いがあるでしょうが、所詮は教える側の思い。
今回は、サッカーを教える人たちに、子供さんへのサッカーの教え方について気を付けてもらいたいことを、自分の経験を基に紹介したいと思います。
目次
子供さんそれぞれのサッカー
最近、僕の経験談で良い例がありましたので、子供さんのサッカーのあり方?取り組み方?の例として紹介してみます。
2018年のU14ナショナルトレセンの後期に、知り合いの子供さんが選出されまして参加しました(←もちろん選手とも知り合いです)。
この子供さんも、そのご家族とも、年に何回か定期的に食事会?宴会?をするような間柄でしたので、
このトレセンに選出された子供さんがキッズの頃からの付き合いで、この一家のサッカーへの取り組みはずっと知っています。
親御さんはサッカー未経験者でしたので、サッカーの知識がなかったので会うたびにサッカーのことを私にいろいろ聞いてきました。
まぁアルコールが入りますので、どこまでシビアなレクチャーができたかは分かりませんけど(笑)
この子供さんは、5歳でクラブに所属しサッカーを始めたんですけど、
小学2年生ごろまで、クラブの練習の後、22:00くらいまで近所の広場でボールを蹴っていました。
お父さんは、仕事等でできないとき以外は、その子供さんの練習に付き合っていました。
雨が降る日以外ほぼ毎日です。
小学4年生でボールリフティングは1000回を超え、その後はボールを落とすことなくリフティングできるようになります。
小学6年生のときには、サッカー選手としての基礎は全て出来上がり、将来を期待される選手になります。
高いレベルのクラブからも誘いがあり、今は地元の強豪校でサッカーをしています。
この子供さんのサッカーへの取り組みは凄まじかったです。
普通の小学生であんなストイックに取り組む子供さんはなかなかいません。
本人の考え方がしっかりとしていて、親御さんがサッカーを教えるということではなく、
子育てとして子供さんに関わってきたことが、現在に至っているんだろうと思っています。
このナショナルトレセンに参加した子供さんにとってのサッカーっていうのは、
将来、プロの選手になりたい、サッカーで飯を食っていく、という価値観でのサッカーなんでしょうね。
年は1つ違うのですが、この子供さんとキッズの頃から比較されてきたのが私の息子です。
その子供さんの小学生時代のモデル?指標?が息子だったんです(笑)
息子は身体能力が高くて、かけっこをはじめとする様々な運動がなんでもできて、その子供さんと息子は一緒にクラブに入りました。
小学生同士ともに切磋琢磨しサッカーに取り組んでいて、常に一歩前に行くのが息子で(←まぁ年が1コ上ですから)、
その子供さんの身近なライバル?モデル?が息子だったわけです。
親だからといって贔屓目にみていたわけではありませんが、
息子は運動神経がずば抜けていていましたし、感覚も他の子どもたちと違うものがりましたので、
順調に成長していけば、どんな選手になるのかと、期待できるくらいの子供でした。
小学生たちに限りませんが、運動能力の差っていうのはなかなか埋まらないものですから、
その子供さんが、うちの息子に追いつけないのはしょうがないことだったんですけど。
自他ともに、また周囲の大人たちも、この2人を注目していた状況にありました。
しかし、私の息子は小学4年生でサッカーを辞めます。
これは今思い返しても、私たち家族がはらわたが煮えくり返るような気持ちになるんですけど、
・・・まぁ少年サッカークラブの運営によくある指導者からの標的になった?と言いましょうか(←他の親御さんからは「いじめ」だと言われてましたけどす)とても理不尽な扱いを受けたんですね。
このときの息子が半べそをかきながら「サッカーなんかつまんない」「僕はサッカーが下手だから」と話してくれたこと、
それでも、チームの仲間たちとサッカーがやりたいとの気持ちから、この理不尽な扱いを1年間我慢して頑張り、
意を決して、クラブの監督(←サッカーへ誘ってくれた方)に退団を伝えに行き、退団を承認されたときの息子の安心したような表情は、私は一生忘れません(良いことではありませんが当該指導者への恨みも)。
あんなに大好きだったサッカーは、いろんな人間関係、因果関係によって、
そのころの息子の生活の中で、べそをかかなくてはならないほどの強烈なストレスでしかないものになってしまったんですね。
・・・辛かったんだろうと思います。サッカーを辞めて正解だったと思います。
私の息子は、トレセンに選ばれて子供さんと同じように、サッカーが大好きだったんですが、サッカーを続けることができませんでした。
他にもたくさんの子供たちの例がありますけど、今回はこの2人の子供たちのサッカーへの関わり方から、
指導者や親御さんなどの大人が、子供にサッカーを教えるときに必要なことを考えてみたいんです。
監督やコーチなどの指導者、そして子供さんの親御さんのサッカーの教え方を考えてみませんか。
私の経験に基づく考え方を強要するわけではありませんで、読んでくださっている皆さんの考える機会になるとうれしく思います。
サッカー指導者の教え方
クラブの監督、コーチなどの指導者の方の多くは、昔からボランティアでやってらっしゃる方がほとんどでした。
僕はこの形態が日本のサッカーを支えてきたと思っています。
最近ではサッカー専門のクラブ運営が広まってきて、ある程度の報酬を得ながら指導をされる方々も増えてきました。
Jリーグが始まって以降に特に目立つようになりましたね。
クラブを運営し、子供たちに教えるわけですから、それなりの知識や技術はもってらっしゃるんでしょう。
僕はそんな指導者にサッカーそのものの教え方をとやかく言うつもりはありません。
ご自分の知識、技術、経験に基づいて、教えていただければ良いと思います。
ただ、サッカーを教える、指導するときに、踏まえてほしいことがあります。
子供さんたちは、れっきとした人格をもった人間であり、
サッカーを教える場面であっても、人格を否定したり、尊厳を侵すことがあってはならない、ということです。
大の大人が、子供さんたちを傷つけちゃだめなんですよ。
できれば、指導者としての教育を受けてほしいと思います。
サッカーの指導者になろうと思えば、某団体が主催する指導者ライセンスなどの講座などもありますが、そんなライセンス教育ではありません。
例えば、組織マネジメントについてとか対人関係構築の研修(←例えばコーチングとか)などです。
小学生をはじめとする子供さんたちは指導者の部下ではなく、指導者は子供たちの支配者ではありません。
子供さんたちはれっきとした人格だということを踏まえてほしいんです。
つまり、子供さんたちを一人一人の人間として認め、
子供さんたちに失礼のないようにということを踏まえたサッカーの教え方をしてほしいのです。
受けてほしい教育とは、対人関係力を養えるような教育です。
ハラスメント(嫌がらせ)をしない指導者であってほしいと考えます。
繰り返しますが、サッカーの技術や戦術などのノウハウはそれぞれの指導者が思うままの教え方をしても何も問題ありません、むしろありがたいのです。
しかし、その指導の際には、指導の対象となる子供さんたちをモノ扱い、駒扱いするのではなくて、赤の他人として失礼のないような姿勢をもって、サッカーを教えてほしいと願います。
子供さんたちは、自分で上手くなるものです。
そのヒントを与えるのが指導者の役割だということを忘れないでほしいです。
指導者が可能性のある子供たちの成長を妨げる存在になっては本末転倒。
そうならないための指導者としての資質を身につけてほしいところです。
例えば、横浜DeNAの筒香はこう言っています。
親御さんの子供さんへの教え方
自立心をもって生活ができるようになるまでの子供さんにとって親御さんもサッカーを教える人です。
もちろん、サッカーの技術なりを教えられる親御さんもおられるでしょうが(←経験者の方であれば)、
未経験の親御さんは技術を教えることは難しいでしょう。
サッカーを教えない親御さんの教え方ってなんでしょう?
私の実体験のところと、指導者のところで関係することを書きましたけど、
行きつくところ、子供さんって自分で上手くなるんですよ、しっかりとサッカーに向きえば。
いくら親御さんや指導者が、リフティングのやり方を教えてあげたとしても、子供さん本人がリフティングをやりたくないのであれば、上手くなるはずがありません。
やる気、意欲のない、面白いとおもわない、子供さんは練習をしません。
つまり、親御さんは子供さんに対して、「意欲的になる」ような関り方をしてほしいんです。
子供さんが何かに一所懸命に取り組むことが凄いことで、価値のあることなんだと教えて欲しいんですよね。
トレセンの親御さんをモデルにしてしまいますが、子供さんの取り組みを一緒にやるとか。
これが、私の考える、親御さんの子供さんへのサッカーの教え方です。
リフティングを1000回やる方法はサッカー指導者でも教えられません。
もし、この記事を指導者の方がご覧になって下さっていたとしたら、ご自分の指導する子供さんたちのリフティングを考えてみてください。
あなたはリフティングを1000回できる方法を教えられますか?
あなたの指導を受けている子供さんたちの何人がリフティング1000回できますか?
↑極端な例だとは思いますけど、1000回できるかどうかは子供さんがやろういう意欲があるかどうかかによるんです。
サッカーの技術なりを教えることだけが子供さんたちへの教え方ではなくて、
子供さんたちが「意欲的に」「楽しいと感じながら」サッカーに取り組んでもらう、という教え方もあると思います。
子供さんへのサッカーの教え方について、必要以上に考える必要もないんですけど、私の経験から、
子供さんがサッカーが上手になるためには子供さんがサッカーをどう考えるかによりますので、
干渉しすぎず、ほったらかしにもしないで、
子供さんのサッカーを父ちゃん母ちゃんも応援してるぞ感が子供さんに伝わる程度の距離感で接することが良い教え方のひとつだと思います。
私の息子のように「サッカーをするのがつらい」などとなったらサッカーをやる意味はありません。
子供さんがサッカーをしていることが楽しいと感じながら、
サッカーに取り組む子供さんに付き合ってあげることが、私の考える親御さんのサッカーの教え方です。
経験者の親御さんが子供さんにいろいろを教えている場面をみてきましたけど、
ん~子供さんが楽しそうな表情、前向きな表情で聞いていたという記憶がありません(笑)
決して親御さんは教えるなということではありませんけど、
是非、サッカーを頑張るんだという子供さんを応援するぞ的な教え方をしてほしいと思います。
まとめ
以上、今回は子供さんへのサッカーの教え方について、指導者と親御さんの教え方?関わり方?を私の体験を基に紹介してみました。
まとめでも自分語りをして申し訳ありませんが、
私は親からサッカーを教わったことはありませんし(たとえやっていたとしても教わりたくはありませんが笑)、
小学校から大学まで(その後も社会人サッカーはやりましたよ、ほぼ遊びですけど笑)やりましたけど、
監督やコーチからサッカーの指導を受けたことはほとんどありません(←大会前に臨時の指導者などから教わったことはあります)。
でも、それなりにサッカーができるようになりましたよ(笑)
ジーコやプラティニ、ルムメニゲ、マラドーナなどの試合のビデオは観まくりました(←マニアと言われるほど覚えていますよ(笑))
サッカーが上手になるかどうかは、自分次第、自分がサッカーとどう向き合うかによります。
指導者の教え方、親御さんの教え方は、影響がないとは言いませんが、やはり子供さんの考え方次第で効果があったりなかったりするものです。
むしろ、子供さんの意欲や楽しみを応援してあげるような教え方がちょうどいいのではないかと思います。
くれぐれも、この記事の内容は、私の経験に基づく「私見」でありますことをご了承ください。
指導者のみなさん、いつもお疲れ様です、子供さんたちは私たちと同じ人格をもった人間ですので、人格を尊重したうえでサッカーを教えてください。
親御さんのみなさん、子供さんのやる気が出るような関りを考えてみてください。
この記事が読んでくださった皆様のサッカーの楽しみにお役に立てればうれしく思います。
よかったら過去記事の<<子供さんが自宅でできる効果的な練習【サッカー】>>もご一読ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。