どうやったらボールを奪うことができるのか、どうやったら相手に抜かれないのか、こう考えている選手はいませんか?
効果的なディフェンスのためにはボールを奪い、相手に抜かれないように対峙する相手選手との「間合い」が重要になります。
今回は、サッカーのディフェンスのときの間合いについて覚えてしまいましょう。
目次
ディフェンスの目標
これまでもこのブログの中で説明してきたのですが、サッカーの試合はオフェンスとディフェンス(攻撃と守備)を繰り返す活動です。
自分たちがオフェンスのときでもディフェンスのときでも対峙する相手やチームの活動を上回らないと、効果的なオフェンス、ディフェンスになりません。
オフェンスでもディフェンスでも、相手の活動を上回るためには技術、スキル、フィジカルの状態などなどいろいろな要素が必要になります。
今回のテーマである「間合い(のとり方。以下「間合い」と言います)」もサッカーに必要な技術、スキルです。
また、間合いはオフェンスのときにもディフェンスのときにも、効果的な間合いが必要になりますが、
ここではディフェンスのとき(←相手がボールを保持している場面/相手が攻撃をしている場面)の間合いについて考えていきたいと思います。
効果的なディフェンスのために必要な技術、スキルのひとつである間合いを覚えるためには、
- なんのための間合いなのか
- 間合いを正しく覚えたらどんなプレーができるのか
ということを知っておかなければなりません。
効果的なディフェンスをするために間合いを覚えるわけですから、ディフェンスの目的、目標を再確認しておきましょう。
ディフェンスの目的は相手からボールを奪い、攻撃をするため、得点するというプレーに繋げていくためです。
ディフェンスの目標は優先順に
- ボールを奪う
- ボールをゴールに近づけない(遠ざける)
- ゴールさせない
ということです。
つまり、ディフェンスのときの間合いは、
- ボールを奪うための間合い
- ゴールに近づけないための間合い
- ゴールさせないための間合い
でなければなりません。
過去記事でディフェンスのときのポジショニングについて紹介していますが、
ディフェンスのポジショニングとディフェンスのときの間合いはとても似ている技術、スキルです。
ポジショニングというプレーの中に間合いというプレーが含まれていると考えても良いです。
ポジショニングも間合いもボールに触れていないときのプレー、動き(オフザボール)であり、
ディフェンスの目標を達成するために必要な技術、スキルであるということです。
ちなみに、ポジショニングとは「位置を定めること」「位置どり」というプレーで、
この記事の間合いとは「間合いをとる」というプレーです。似てますでしょ?
このように、サッカーには間合いという技術、スキルがあり、
ディフェンスのときの間合いはディフェンスの目標を達成するために必要だということを覚えておきましょう。
間合いの考え方
それでは、ディフェンスのときの間合いはどうあれば良いのかを覚えてしまいましょう。
ここで言う間合いとは距離感と考えてください。
間合いには時間やタイミングを示す意味合いもありますけど、ここでは距離感のことです。
何に対しての間合いなのか、自分のマークする相手、対峙する相手との間合いです。
相手がボールを保持しているときに、その相手からどのくらいの間合いをとれば良いのか、それは先ほどのディフェンスの目標に応じます。
ディフェンスの優先順に確認してみましょう
1.ボールを奪う
対峙する相手からボールを奪うのは、ドリブルやキープしているボールを直接奪うのとインターセプト(パスカット)の2つです。
ボールを直接奪うにしろインターセプトにしろ、自分がボールを奪うことのできる間合いが必要です(←正確にはボールを奪う可能性が高い間合い)。
ドリブルやキープしているボールを直接奪うためには、自分がボールを奪うことのできる間合いをつかんでいなければなりません。
この距離感になったら自分はボールを奪うんだという、いわゆる「自分の間合い」というやつです。
さらに、相手チームのパスが対峙する相手に渡る前にパスカットする間合い、
相手がトラップした瞬間にボールを奪う間合い、
相手がドリブルやキープしているボールを奪う間合い、
ボールの奪い方によって違う間合いがあるんですね、ほんのちょっとの違いですけど。
どうでしょう、イメージできますか?ちょっとのことでしょうけど、
この3つのボールの奪い方で対峙する相手との間合いが違うことがわかりますでしょうか?
このように、ボールを奪うための自分の得意な間合いが、まず!あって、
さらにボールを奪うシチュエーションによる間合い(シチュエーションによって間合いが違う)があるということを覚えておきましょう。
2.ゴールに近づけない
ディフェンスのときには、対峙する相手からボールを奪うことが難しいので、
ボールをゴールに近づけない、ボールをゴールから遠ざけるためのプレーをしなければなりません。
例えば、相手にボールをもたせて、自分は振り切られないでついていき、ピッチの外側へ追い込んでいくプレーです。
外へ追い出していくには、ワンサイドカット(ゴール方向にいかせないように)するためのポジショニングが必要になりますけど、
敢えてボールをもたせるわけですから、相手に「抜こう」という気持ちになせないような(←「抜くための勝負をしたらボールを奪われるかもしれない」と思わせるような)距離感が大事になります。
自分がかわされてしまったらピンチを招きますので、相手に抜かせることなく、ボールをゴールから遠ざけていくというディフェンスのための間合いが必要になります。
ただし、この相手にボールをもたせゴールから遠ざけていくディフェンスをしているときに、
ボールを奪うことができる自分の間合いに入ったら、当然ボールを奪わなければなりませんよ。
ボールを奪う間合いとこのゴールに近づけない間合いは違うことがイメージできますでしょうか。
難しいかもしれませんが、絶妙な間合いが必要になります。
3.ゴールさせない
そして、いよいよ相手が自分たちのゴール近くの危険エリアに侵入してきたときには、
ブロックやタックルなどで決定的なプレーを阻止するようなディフェンスが必要になります。
サッカーの中継で良く耳にすると思いますが、「体をはって」というディフェンスです。
体をはるといえば、おすすめはしませんけど、ゴールさせないディフェンスには、
テクニカル・ファウルというイエローやレッドのカードを出されるであろうブロックやタックルもあったりしますよね。
相手のシュートやラストパス、クロスという得点に繋がるオフェンスを、体のあらゆるところを使って(←顔面やあそこに当たると悶絶しますので嫌ですけど(笑))
ブロックやタックルでディフェンスするんですけど、このプレーにも間合いがあります。
相手のプレーに届かないところでブロックやタックルをしても意味はありませんから、
有効なブロックやタックルができる間合いが必要になります。
この体をはったディフェンスもボールを奪う、ゴールに近づけないディフェンスとは間合いが違います。
もちろん、この危険エリアでボールを奪取することができれば、最も良いディフェンスですけど。
このように、ディフェンスの目標に応じたディフェンス方法の違いによって、
それぞれのディフェンス方法に適した間合いがあって、
その間合いは少しずつ違っている、距離感が違うんだということを覚えておきましょう。
自分の間合いをつかめ!
ディフェンスの目標によってディフェンス方法が違い、そのディフェンス方法によって、間合いが違う。
んじゃ、正しい間合いはどれくらいなんだ?
この間合いは選手個人個人で違うのです。
選手個人個人のフィジカル(身長、走力など)や技術、スキル(←サッカー知能も含みます)は違いますので、
得意なプレーや苦手なプレーなども違いますよね。
ディフェンスの場面でも同じく、ボール奪取能力もインターセプト能力、ブロック能力、タックル能力が選手によって違いますから、
当然、相手と対峙したときの間合いも違うんです。
どうすれば良いのか。
この項のテーマである「自分の間合いをつかむ」ことが重要になります。
この間合いに入ったらボールを奪うことができる!というボールを奪うための自分の間合いをつかむことが絶対に必要です(←ただし、相手がいることなので100%奪えるということはありません)。
DFであろうがMFであろうがFW、GKであろうが、まず、ボールを奪取できる間合いをつかみ、
それがつかめれば、ゴールに近づけない間合い、ゴールさせない間合いもつかむことができます。
どうやったらつかめるのか?経験です。もっと言えば質の高い経験です。
サッカーの基礎であるボールコントロール(トラップ、キック、ドリブル)はもちろんですが、
実戦スキルを上げるための練習、ディフェンス技術を向上させるための対人メニューを繰り返し、
ミニゲームや練習試合、また公式戦などの実戦を積み重ねていき、成功や失敗を繰り返す、
これら一連の活動が経験です。
また、これらのサッカー活動をなんとなくこなすのではなく、意図や考えを明確にして活動すると経験の質が上がるわけです。
自分のチームメイトのプレーや試合をした相手のプレーを観察したり、
プロなどの試合を観察したり、自分たちのサッカー映像をチェックしたりすることが、
意図したり考えたりする機会だったりしますよね。
ディフェンスのための間合いをセオリーを理解し、しっかりとサッカーに取り組むことが、自分の間合いをつかむ王道です。
ディフェンスのときの「間合い」について、理屈を並べてきましたので、まとめておきます。
ディフェンスのときの「間合い」をまとめておきます。
- ボールを奪う間合い
- ボールをゴールに近づけない(自分が振り切られない)間合い
- 身を挺して妨害する間合い
↑という間合いがあって、この間合いは、
- 選手個々の特徴(身体的特徴や保有技術など)によって違う
- 対峙する相手によって違う
↑という状況が発生します。
ディフェンスの目標を達成するためには、自分の得意とする「間合い」を覚えなければならないんですけど、
それには、
- 経験を積む(実戦や対人練習で成功や失敗)
- 経験の中から自分の間合いを理解する
という活動が必要です。
まとめ
以上、今回はディフェンスのときの間合いについて紹介してみました。
間合いとは対峙する相手との距離感のことで、サッカー選手には必要な技術、スキルです。
適切な間合いを使うことができれば、オフェンスのときでもディフェンスのときでも効果的なプレーに繋がります。
しかし、この間合いは、選手の特徴によって差がありますので、自分の得意な間合いをつかむことが重要です。
練習や試合など普段のサッカー活動を継続して、考えながらサッカーをやることが、自分の間合いをつかむことができます。
自分がボールを奪える得意な間合いをつかんで、ディフェンス能力を向上させていきましょう!
今回の記事が読んでくださった皆様のサッカーの楽しみのお役にたてればうれしく思います。
記事の中にも書きましたが、間合いとポジショニングという技術、スキルはとても似ていますので、
過去記事の<<ディフェンスのときのポジショニングについて【サッカー】>>も是非参考にされてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。