2018年ワールドカップサッカーロシア大会、我らが日本代表のあの時間稼ぎとともに、ターンオーバーが話題になりました。
欧州では、ターンオーバー制を取り入れているクラブチームは少なくない状況で、
日本サッカー界では規約などの影響によりターンオーバー制の導入が難しい状況にあります。
今回は、サッカーのターンオーバーについて考えてみます。
目次
ターンオーバーとは

出典:https://web.gekisaka.jp
サッカーで使われるターンオーバーとは、リーグ戦やカップ戦などの試合のときに、チームの先発メンバーを大きく入れ替えることです。
欧州のビッグクラブなどは、そのクラブの国内リーグ戦やリーグのカップ戦に加え、欧州内でのリーグ戦やカップ戦(UEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグ)など、
クラブによっては、3つのリーグ戦でサッカーの試合をしなければならないケースがあります。
これは選手にとっては、過密スケジュールにより、疲労や怪我などコンディションに影響がでて、クラブの成績に影響しかねない状況なんです。
そこで、クラブの中には、サッカー選手を多く抱えて、交代で試合に臨むというターンオーバー制を導入しているケースもあります。
UEFAチャンピオンズリーグの常連クラブは少なからずどのクラブもやっていたりしますよね。欧州では普通にやられているわけです。
日本のサッカーでも、Jリーグではリーグ戦、リーグカップ戦、天皇杯、クラブによってはAFCチャンピオンズリーグに出場しなければなりません。
リーグ戦とカップ戦が重なるスケジュールのときには1週間の間に2試合しなければならず、この週2の試合はけっこうたいへんです。
Jリーグには規約があって、ベストメンバー規定というルールが定められていて、要約しますけど、
【最強チームによる試合参加】
1.Jクラブはその時点における最強チーム(ベストメンバー)をもって試合に臨まなければならない。
2.先発メンバー11人は、試合直前のリーグ戦5試合のうち、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない。
という意味合いの内容になっています。
このルール設定には
- サッカーくじなどに関係する八百長試合の防止
- スター選手を観にきたサポーターへの配慮
- 大会のスポンサーへの配慮
などが理由にあるとされています。
このルールにより、試合でのターンオーバーが制限される傾向にあり、批判の対象となったりしています。
ターンオーバーの最大の狙いは、選手のコンディションをベストの状態に保ち、試合で質の高いパフォーマンスを目指すことでして、
選手の健康維持はもちろんですが、どうしても勝ちたい試合、落とせない試合のときに、ベストメンバーのベストパフォーマンスで臨みたいという、クラブ戦略のひとつなんですよね。
欧州で普通に行われているわけですから、日本でももっと取り入れられても良いと思いますね。
ちなみに、僕の経験ですが、学生時代のリーグ戦のシーズンは、週1の試合でした。
鍛え方が違うので比較はできませんけど、疲労も蓄積して抜けなくなりますし、どこかを痛めたら治らない状態で試合に出なければなりませんでした。
週1でもキツいのに、週2やったら、かなりキツいと思いますよ。
Jリーグでもカップ戦が入ると週2試合のスケジュールになりますが、選手たちはけっこうキツいと思います。観ている僕らは楽しいですけどね(笑)
W杯でのターンオーバー
2018年ロシアワールドカップでベルギーと歴史的な死闘を繰り広げた我らが日本代表。
ベルギーと対戦する前の1次リーグでのポーランド戦、パス回しによる時間稼ぎが問題視されましたけど、ターンオーバーも話題になりました。
コロンビア戦、セネガル戦の先発メンバーから、6人を入れ替えたんですね。
これは、決勝トーナメントのためにレギュラーメンバーの疲労回復を図ることが最大の目的だったんだと思います。
西野監督は、選手を入れ替えたとしても、決勝トーナメントには残るだろうという目算があったんでしょう。
ところが、ポーランド戦では先制され、日本が決勝トーナメントに進出するには、同時刻で行われているコロンビア、セネガル戦の結果次第という状況になってしまったんです。
コロンビアがセネガルに1点リードしているとうことだったので、日本は0-1でポーランド戦を終えれば、決勝トーナメントに進出できると、あのパス回しを選択したんです。
そして、ターンオーバーが功を奏したのか、疲労の抜けた日本のレギュラーはベルギーをあと一歩のところまで追い詰める試合をすることができた、と評価できるかもしれません。
ポーランド戦で、どうしてそれまでの先発メンバーでいかなかったのか、先発メンバーで行っていればポーランド戦でリードされることはなかったんじゃないか、という考え方もあるかもしれませんが、
ターンオーバーは、決勝トーナメントで勝つ、ベスト8に進出するための戦略のひとつだったと言えるでしょう。
みなさんは、このポーランド戦のターンオーバーをどう評価されますか?
ちなみに、決勝トーナメントで日本と対戦する可能性のあったのが、ベルギーとイングランドです。
この両チームは、1次リーグ2戦までに決勝トーナメント進出を決めている状況で直接対決となったんですね。
で、この両チームはこの直接対決でターンオーバーを使うんですよ。
それも、イングランドは第2戦から9人、ベルギーは10人入れ替えました。日本は6人ですからね(笑)
レギュラーを休ませて、コンディションの回復を狙い、控えメンバーに試合勘をもたせるためだと思います。
ただ、日本と事情が違いまして、日本はまだ決勝トーナメント進出を決めておらず、イングランドとベルギーは決めていたんですね。
そこらへんの事情が、同じターンオーバーという戦略でも微妙に差があるということになりますね。
ターンオーバーってどのチームでも、どの監督でも、チームの戦略上必要と思えばやるってことです(笑)
さらに、ちなみに! 僕の勝手な考えでこのターンオーバーに対して具申させていただくとすれば、
第3戦のポーランド戦で、ポーランドに勝って決勝トーナメントに進出してほしかったんで、ターンオーバーをしてほしくなかったですね。
というのも、日本はグループHでしたので、日本の決勝トーナメント進出が決まるまでに、他の国々の決勝トーナメント進出は決まっていたんです。
日本が2位で決勝トーナメントに進出してしまうと、ウルグアイ、ポルトガル、フランス、アルゼンチン、ブラジルというバケモノグループに入ってしまい、完全にムリゲーなわけですよ。
1位で抜けると、スウェーデン、スイスなどのブロックに入り、しかも運よくイングランドが2位で来てくれれば、
ベルギー、ブラジルに比べれば、イングランド、スウェーデン、スイスあたりのほうがチャンスがあると考えたんです(イングランド、スウェーデン、スイスの関係者の皆様本当にすみません、日本ごときがm(__)m)
だから、ポーランド戦でターンオーバーするのではなく、ベストメンバーで勝ちに行ってほしかったですねぇ。
しかし、ポーランド戦でベストメンバーで行って、勝って1位で抜けたとしても、疲労が抜けない状態のヘロヘロで負けていたかもしれませんけど(笑)
僕の話は余計なところでした。西野監督は戦略上ターンオーバーを使ったんです。
西野監督だけではなく、イングランドもベルギーも戦略上ターンオーバーを使った、ターンオーバーは必要と考えればどこのチームでも使う戦略だってことをお伝えしたかったのです。
今後の日本サッカーへのお願い
実は先ほど紹介しました、Jリーグのベストメンバー規定について、2018年11月に事実上の撤廃が発表されました。
これまでこの規約違反には罰則があり、違反とみなされた場合には多額の制裁金が課されていました。
このルール変更によって、クラブはターンオーバーを使いやすくなると思います。
試合に出場するのが、いわゆる、レギュラーだけでなく、クラブの戦略上ターンオーバーを使うことによって、多くの選手、特に若手選手の育成に良い影響を及ぼすものと思います。
個人的には、30歳を超えた選手もコンディションを整えながら試合出場できる機会が増え、選手寿命を延ばすことに期待しますけど。
ただし、八百長や無気力試合など、応援している人たちを失望させるような運営をしてはいけません。
それぞれのクラブが、独自の運営方法を構築して、応援してくれる人たちの満足を得続けることを、個人的に願います。
僕は、閑古鳥が鳴いていた国立競技場で、日本リーグや日本代表戦を観ていた世代です。
緑の某クラブを応援する人たちも、代表を応援するウル〇〇スなんかも浮きまくってた頃です(笑)
あの頃からすると、今はどのスタジアムもお客さんが入り、日本のサッカー人気をうれしく思います。
選手にもお客さんにも楽しめるサッカーが続いて、また、さらに良い環境になることを願います。
まとめ
以上、今回は日本のサッカーのターンオーバーについて考えてみました。
ターンオーバーは選手の健康維持に効果があって、チームの戦略上、必要なシステムだと思います。
日本代表でもそうだったように、サッカーの本場であるヨーロッパでも普通に取り入れられています。
ただし、その使い方を誤ると応援している人たちの信用を失うことになりかねませんから、倫理観をもって運用してほしいものです。
このターンオーバーが日本のサッカーに良い影響を及ぼすことを期待しています。
この記事が読んでくださった皆様のサッカーの楽しみにお役にたてればうれしく思います。
よかったら過去記事の<<サッカーのソックスの価格って?アディダスでみてみましょう>>もご一読ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。