「くさび(楔)」と「ポストプレー」を覚えましょう【サッカー】

サッカーの用語でややこしいシリーズです。

今回は「くさび(楔)」と「ポストプレー」について解説します。

くさびとポストプレーという言葉はサッカーの練習や試合で、またテレビ観戦でもよく耳にするのではないでしょうか。

とても似ているプレーなのでややこしいんでしょうけど、ここで完全に覚えてしまいましょう。

目次

言葉の意味

くさびとポストプレーの言葉の意味を明確にしておきましょう。

くさびとは、「物を割る道具」のことで、

ポストプレーのポストとは、「支柱、柱」のことです。

ポストを郵便ポストとイメージしがちですがそうではありません。

それぞれ詳細に確認してみましょう。

くさび(楔)

くさびとは物を割る道具のことで、言葉の表現として、物と物の間、隙間に入り込むという状況?行為?として使われます。

「くさびを打ち込む」「くさびを入れる」などの表現がされますよね。

サッカーでは、

「くさびを入れろ!」

「FWがちゃんとくさびになんなきゃ!(←こんな使い方しましたっけ?)」

などと用語として使われますが、

これは先ほど説明しました物と物の間/隙間に入り込むという意味のプレーのことを指しています。

ちなみに、くさびというサッカー用語は純和風の用語で、英語など他の言語のサッカー用語にはないようです。

ポスト

ポストは、意味がいろいろあるのでややこしいんですが、「支柱、柱」という意味もあります。

サッカー用語でもゴールポストとかポストシュートなどが支柱、柱を意味する言葉として使われています。

ポストプレーを表現するとすれば「柱になるプレー」「支柱を利用したプレー」とかいうとイメージしやすくないですか。

サッカー用語としては、

「大迫のポストプレーが効果的でしたねぇ」

「ヤン・コレルはポストプレーヤーです」

などと使われたりしていると思います。

ポストプレーは英語でも通用するようです。

これらがくさびとポストプレーのポストの意味です。

サッカーのプレー内容の前に言葉の意味をしっかりと覚えておいてください。

プレーの内容

次にサッカーのくさびとポストプレーを説明します。

まずは、くさびもポストプレーも攻撃のときの方法のひとつということを覚えてください。

くさびもポストプレーも、特に、FWの選手(特にセンターフォーワード/CF)が担当することが多いです(くさびのパスを出すのはMFやDFがほとんどです)。

それぞれ説明します。

くさびのプレー

攻撃のときの方法で、主にFWの選手が、相手のDFの前で、味方選手から相手のMFの間をとおるパスを受けるというプレーです。

パスをする選手はMFでもDFでも構いませんが、味方のFWへ、相手MFの間をとおしてパスを送るというプレーです。

言葉の意味の「間に入り込む」という状況を表すプレーです。

誰か一人の選手のプレーではなくて、パスを受ける選手とパスを送る選手の2人で行うプレーです。

 

また、送られるパスはほとんどがグラウンダーの縦パス(←本来このパス自体をくさびと言いますが、ここではプレー成功までをくさびとします)になります。

くさびの狙いは、攻撃のときに有利な場面/局面を作る(次の攻撃の起点となる)ためで、

攻撃を組み立てる(ビルドアップ)方法のひとつです。

ポストプレーとの違いを明確にするために先に説明しておきますが、

くさびはこの2人のパスが成功したところまでを指します。

くさびというプレーで有利な局面ができたというところまでを「くさび」と言いますので、しっかりと覚えてください。

ポストプレー

攻撃のときの方法で、主にFWの選手が、相手DFの前で、味方選手からのパスを受けて、

周囲の味方選手を利用して次の攻撃をするというプレーです。

味方からの縦パス、サイドからのクロスのパス、後方からのロングパスなどいろんなパスを、

一旦トラップして自分でボールを保持し(ダイレクトもあります)、

周囲の味方選手とのコンビネーションで、次の攻撃に繋げていくというプレーです。

 

ポストプレーの狙いは、くさびと同じように攻撃のときに有利な場面/局面を作ることです。

ポストプレーにはくさびのプレーも含まれます。

くさびはパスを受けるまでのプレーですが、ポストプレーはパスを受けた後のプレーまでを指します。

このポスト役が言葉の意味の「支柱、柱」という状況を表していて、

次のプレーに繋ぐまでをポストプレーというわけです。

 

いかがでしょう、くさびとポストプレーの内容を説明しましたが、しっくりきました?

項目でまとめておきますので、確認をしてください。

参考となる映像もお借りししますので、ご覧になってください。

くさびのプレーの映像はくさび以外のパスもいっぱいありますけど、

基本的に相手の間をとおしている縦パス(斜めのパスもあります、むしろ多いくらい)がくさび、パスが成功しているのがくさび成功だということです。

 

また、くさびを受けた選手のほとんどがポストプレーをしていますので、

このことからも、くさびのプレーはポストプレーに含まれることも確認してもらいたいです。

くさびのプレーの映像はナポリのパスワークをお借りしました。

ナポリの選手が相手のDFとMFの間でパスを受けていますが、その選手に入る縦パスがくさびのパスです。

 

ポストプレーの映像では、ポストプレーを行う場所を注意してみてもらいたいんですが、

通常はCFがポストプレーを行いますので、

ポストプレーの場所はピッチの中央付近、相手CBの前あたりが多いのですが、

映像の1:42~ではタッチライン沿いでポストプレーをしています。

映像の中の説明文にありますように、相手のDFやMFの守備が固くて攻撃の起点が作れない場合は、

CFがサイドに流れてポストプレーをすることもありますね。

ポストプレーはCFがパスをもらえば終了ではなく、

味方の選手を使うこと(パスを出すとか味方をおとりに使って自ら次の攻撃に移るなど)によって成り立つことも覚えてもらいたいです。

くさびのプレー

  • 担当:FWとパスを送る選手(2人)
  • 内容:相手選手の間をとおす縦パス
  • 狙い:攻撃で有利な局面を作る

ポストプレー

  • 担当:FW(ポスト)とパスを送る選手とポストを利用する選手(複数人)
  • 内容:あらゆるパスを受け、次のプレーに繋げる(くさび含む)
  • 狙い:攻撃で有利な局面を作る

まとめ

今回は、ややこしいサッカー用語シリーズということで、くさびポストプレーについて解説しました。

解説の中身ではそれぞれのプレーの違いをお伝えしたかったので、

プレー重視の説明により、くさびの意味を拡大しています。

 

本来はくさびとは縦パスのことを指しますが、プレーの内容として考えたときには、

パスの出し手受け手の2人で行うプレーだと解釈しても良いと思います。

くさびもポストプレーも攻撃の方法であり、守備の場面では使いません。

攻撃の組み立てをする選手は相手を狭い場所に集めてしまう効果的なくさびを使いこなす遠藤ヤットや中村ケンゴーのような選手を目指し、

FWの選手は相手DFをがっちり受け止め翻弄する半端ない大迫、

いや世界のヤン・コレルみたいなポストプレーヤーを目指す、

また、観戦する方々は攻撃のときのくさびやポストプレーを観察しながら、

サッカーをもっと楽しめると良いと思います。

今回の記事が皆さんのサッカーに役に立てればうれしいです。

よろしかったら過去記事の<<ウイングとサイドハーフの違いを確認しましょう【サッカー>>】もご一読ください。