サッカーの試合でのペナルティ・キック(以下「PK」)は、
ゴールを死守するゴールキーパーにとっては見せ場でもあります。
PKはゴールして当たり前ですから、スーパーセーブで阻止したならキーパーはヒーローですよね。
今回は、ゴールキーパーがPKをストップする確率を上げるための2つのコツを紹介します。
目次
キーパーにとってのPK
サッカーのゴールキーパーにとってPKについてちょっと考えてみましょう。
PKの成功率は7~8割と言われています。
欧州のプロチームでは75%の成功率であれば一流チームだとの話もあります。
このことを考えれば25%ほどは失敗することになります。
4本蹴ったら3本は成功、1本は失敗ということです。
PKっていうのは圧倒的にキッカーが有利?決めて当然感で考えられていると思いますけど、4本中1本は失敗するという確率なんですよね。
この1本の失敗にはキーパーのセービングもあれば、キックが枠を外れたりポストやバーに当たってしまうことが含まれています。
PKを失敗する確率が25%、キックの失敗とキーパーのセービングを半々と考えると、
キーパーのセービング率は12~13%になりますよね。
まぁこれは単なる確率として考えたときの数字ですが(それも欧州のプロサッカーの)、
12~13%のセービング率というのは10本中1~2本ストップするという確率になります。
意外と止められないんだなぁと思いませんか?
PK戦であれば5本中1本ストップできれば標準的なんですよね。
これらのことから、サッカーの試合でのPKやPK戦などは、圧倒的にキーパーには不利な状況であり、PKを阻止するのは難しいんだということを確認してもらいたいです。
ですから、キーパーの選手がPKを止められないことを必要以上に悲観することはないと思います。
でも、サッカーにはPKというシステムがあり、
キッカーとキーパーの1対1によるプレーであり、
キーパーはゴールを守る立場ですから、
確率は低いとしてもストップすることが求められますよねぇ。
攻撃して得点をするということがほぼできないキーパーにとって、PKをストップすれば間違いなくヒーローですし(笑)
こんな具合で、PKを止めるのはなかなか難しいんですけど、
キーパーがPKを止める確率を上げていくためのコツを紹介してみたいと思います。
5本中1本は止める、いや5本中2本は止める(←こんなキーパーはもの凄いキーパーですよ)ような目標で、
PKストッパーになれるようチャレンジしてみませんか。
PKストップの2つのコツ
PKを止める確率を上げるためのコツを具体的に細かく考えていくと、結構たくさんあります。
- キッカーの助走の角度
- キッカーの助走の長さ
- 蹴るときに体の向き
- 蹴るときの軸足の向き
- 先に動かない
- ずばり、直感/第六感!
などなどがよく言われるところです。
PK戦でイチかバチか、5本全て同じ方向に飛んでみるっていうのも直感としてはありますよね(笑)
そんな直感も必要ないとは思いません、僕は勘も必要だと思います。
そんな勘も含めたところでのコツをおすすめしたいのです。
おすすめするコツは
- 予測
- セービング
の2つです。それぞれ詳しく説明します。
1.予測
「読み」と言い換えても良いです。
どこにボールが飛んでくるのか予測するのですが、予測の根拠が重要です。
予測の根拠となるのが先ほど説明しましたキッカーの助走の角度、軸足の方向、目線などをしっかりと観察・分析して
「よし、こっちだろ!」と予測に至るのです。
さらにこの予測はキーパーである自分が動き出す(セーブを開始する動き)直前に予測することになります。
キッカーがボールをセットしたりしているときの予測は「勘」です(←勘が悪いということではありませんけど)。
つまり、キッカーがボールを蹴る瞬間まで観察や分析をし続け、蹴る瞬間に予測の結論を出して、その方向をセーブするということです。
この予測は、キーパー個人が自分の頭で考えることですから、正しいとか間違いとかはありません。
もちろん予測の方程式もありません。
キーパーの考え、イメージ、観察、分析などの知性によるんです(←第六感とか勘も含まれます)。
んで、この知性はサッカーのスキルでもあるわけです。
予測が正しければPKをストップすることができますが、予測が間違っていればPKは止められません。
適正な予測ができるかどうか、そのための正しい観察、正しい分析ができるかどうかがスキルであり、能力であり、
PKをストップするためのコツなのです。
ちょっと指標が高くなったような気がしますが、ご安心ください。
4本中1本くらいストップできれば良いんです。
キッカーという相手がいて、その相手の勝負、駆け引きになるわけですから、予測がばんばん当たることはありません。
4本中1本予測が当たれば適正な予測ができているということになりますよ。
また、自分なりの予測で良いんです。観察も分析も第六感も自分なりで良いんです。
ただし、セービングをするまでに、相手がボールを蹴る瞬間までに、観察して分析して予測をする、
いや、しなければならないということを絶対に覚えておいてください。
そして、キーパーの選手は、PKのときには、この予測するというプレー?活動?を必ずやってくださいね。
2.セービング
予測が当たってもPKをストップできるとは限りません。
せっかく予測が当たったのであればストップできなければもったいないですよね。
PKをストップするための2つめのコツは、セービング技術になります。王道です!
キーパーですからキーパーに応じたセービングの技術は必要ですし、普段きちんと練習していれば技術は向上していきます。
しかし、PKをストップする確率を上げていくためには、当たり前の考えかもしれませんが、PKをストップすることに応じた技術が必要になります。
サッカーの試合中に、相手のシュートに対してキーパーは手や体全体を使ってセーブしたり、ストップしたりしていますから、ボールを触ることについては慣れていると思うんです。
PKのときにはこのセービングに加えて、キッカーとの駆け引きに応じた動きが加わります。
セービングをする前の動きのことです。
それはキックされるまで動かない(←できるだけ)ということです。
キッカーがボールを蹴る前に動いてしまわないことです。
キッカーによっては、キーパーを先に動かそうとしたり(←助走がゆ~っくりのときとか)、
キーパーの動きによってシュートのコースを決める選手がいます。
この場合はキーパーが先に動いてしまったら目も当てられない結果になってしまいます。
ですから、キッカーがどんな蹴り方をしたとしても、キックされる直前まで動かないこと、
キックされた瞬間(←正確にはキッカーが軸足を踏み込み蹴り足を振り上げた瞬間)に素早く動くこと、
これがPKのときのキーパーの技術であり、PKを止める確率を上げるコツです。
過去の記事でキーパーのセービングのコツについて紹介しているんですが、
これに加えてPK用の動き、技術を加えると考えていただくと良いかと思います。
このように、PKを止める確率を上げるコツは
- 予測(観察、分析をしたうえで)
- セービング(先に動かない)
の2つであり、このコツを踏まえて技術、スキルを磨いていくことをおすすめします。
PKストップの向上
PKストップのコツがわかったら、この2つのコツを踏まえて練習を繰り返し、技術、スキルを磨いていくことが、PKストップの確率を上げていくことになります。
どんな練習をすれば良いのか、普段からのキーパーの練習メニューをしっかりとやることが前提ですが、
練習メニューにPKの練習を設定することをおすすめします。
PKキッカーのほうの記事でも書いたのですが、
キッカーがPKを決める確率を上げていくことと同じで、キーパーがPKをストップする確率を上げるには、練習でPKのシチュエーションをやっておくことが最も効果的です。
キッカーは決めるために、キーパーはストップするためにPKの練習をする、集中してやれば30分ほどのメニューになると思います。
週1くらい取り入れることによってPKのシチュエーションに慣れるでしょうし、キッカーはキックとメンタルを影響を及ぼしますし、
キーパーはセービングと予測に影響を及ぼすと思います(←紹介したコツを意識して実施すれば)。
PKストップの確率を上げるには、
PKのときのセービング技術と予測をするという2つのコツをしっかりと意識して、
そのことを踏まえた練習を普段から実施して、技術、スキルを磨いておくことが大事です。
最後に、僕の経験によりますけど、キッカーがPKを蹴るときのあるあるを紹介しておきます。
絶対に合っているということではありませんが、このような傾向が強いという内容です。
キッカーのコースを予測するときに観察するポイントです。
キッカーが右足でキックするとした場合(左足は逆になりますよ)、
- まっすぐな助走の場合はキーパーの右
- 角度のある助走の場合はキーパーの左
ボールに対しての助走の角度を観察してください。
100%とは言えませんが(←敢えて逆をとるキッカーもいますので)、ボールへのアプローチによって傾向がつかめます。
助走のスピードも観察するポイントになりますけど、この助走を観察することに加えて、
- キッカーの軸足の向き
- キッカーの上体の開き
この2つをキックされる瞬間までしっかりと観察すれば、けっこうな確率でコースを予測できます。
もちろん、これも敢えて逆をとるキッカーもいます。
- 軸足の向いた方向へボールが飛んでくる傾向が強い
- 上体が開いていればキーパーの右
- 上体が開いていなければキーパーの左
へ飛んでくる傾向が強いです。
繰り返しますがキッカーが右足の場合ですよ、左足の場合は逆です。
助走の角度、助走のスピード、軸足、上体の開きを最後まで観察して、キックされるまで動かないで、「こっちだ!」と予測したほうへ飛ぶ、
これら一連の活動がPKをストップするコツであり、キーパーの技術、スキルのひとつです。
このPKキッカーあるあるもコースを予測するために行う観察、分析のひとつとして考えてもらうと良いと思います。
これらの観察や分析も普段のPK練習の中で鍛えられると思いますよ。
まとめ
以上、今回はキーパーがPKをストップする確率を上げるための2つのコツを紹介しました。
- 予測(観察、分析をしたうえで)
- セービング(先に動かない)
この2つが大事なコツであり、この技術、スキルを鍛えることがPKをストップする確率を上げます。
普段の練習から意識してやってみてください。
忘れないでほしいのは、キーパーがPKをストップするのは難しいんです。決められて当たり前。
目指すのは4本に1本止めることができるようなキーパーになることです。
5本中2本止めることができるキーパーになったら凄いキーパーになってしまいますので(笑)
ビッグセーブでPKをストップして、サッカー会場を歓声の渦に・・・こんな気持ちの良い場面を作り出せるのはキーパーだけです!
PKをストップしてヒーローになりましょう!
今回の記事が読んでくださった皆様のサッカーの楽しみのお役に立てればうれしく思います。
良かったら、PKキッカーのほうの<<PKを決めろ!2つのコツを紹介します【サッカー】>>もご参照ください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。