このブログでこれまでに、サッカーのシュートに関して種類、効果的な蹴り方、速度を上げるという内容を紹介してきましたが、
今回は正確性を上げることについて紹介したいと思います。
狙ったコースにシュートが決まると気持ちいいですよね。
正確なシュートが打てるようになるトレーニングメニューを3つお勧めしたいと思います。
目次
正確なシュートのためには
サッカーでは、強烈なシュートであろうが、正確にコントロールされたシュートであろうが、そのベースになるのはキックの技術です。
これまでも繰り返し説明していますが、
キックはmeet(ミート/芯)とimpact(インパクト/衝撃)が最も重要です。
このmeetとimpactを強化することがキックの精度を高めることであり、
そのためのポイントとなるのが蹴り足のテイクバックであり上半身や腕の使い方であり助走でありフィジカルの強化などです。
狙ったところにボールを蹴るには、このキックの技術をさらに高めることが大前提となり、
加えて、ボールをコントロールしたシュート技術を習得するという道筋になります。
そのためには、想定したトレーニングメニューの設定とトレーニングの積み重ねによって、
感覚を体で覚えていくことが必要になりますね。
それでは、トレーニングメニューを確認しましょう。
お勧めのトレーニングメニュー
狙ったところに正確なシュートを打つために、
お勧めするトレーニングメニューは「壁打ち」「シュート練習」「トラップ練習」の3つです。
以下、詳述していきます。
壁打ち
インサイドキックとインステップキックのmeetの精度を上げるためのメニューです。
meetが不十分な選手向けです。
インサイドとインステップの時に足首が固定されているかどうかがmeetが正しいかどうかの判断基準で、
正しくできている人はやる必要はありません。
壁にボール(空気を抜いたボール、パンクしたボールでもOK)を押し当てた状態でボールを蹴るという内容です。
ボールの真横に軸足を置き、
蹴り足をボールから一歩分引いたところに置き、
蹴り足の足首をしっかりと固定し、ノーステップでボールを6割程度の力で蹴ります(ボールを強く押すというイメージです)。
インサイドでもインステップでも、足の芯でボールを捉えられれば、爽快なジャストミート感が得られますので、
足のその部分が自分のmeetポイントだと実感できるはずです。
この原始的なトレーニングは、インサイドではくるぶし近辺、インステップでは足の甲の「自分の芯」をつかむために行います。
蹴り足の足首の固定、膝を使えていない、軸足への体重移動ができていないと正しいmeet感は得られません。
回数は特に制限はありませんが、意識して50回も蹴れば感覚がつかめると思います。
野球をやったことのある人であればわかるかもしれませんが、
バットのタイヤ打ち(←こんなバッティング練習ももうない?)と同じで、
バット、腕、体がピタッと合ったポイントでタイヤを捉えれば、ジャストミート感を得られますよね。
このことと同じです。
このトレーニングはチームとしてのメニューではなく、自主練でできます。
ただし、注意点が2つあります。
ひとつ目は、初心者さんや子供さんなどが、足首が固定できていないでこのメニューをやると足首を痛めてしまうことがありますので、
必ず空気の抜けたボールを使用してください。
慣れてきたら(足首が固定されてきたら)少しずつ空気の入ったボールにしていくと、ジャストミートをさらに体感できます。
くれぐれも思いっきり蹴っちゃだめですよ。6割くらいの力でやってください。
ふたつ目は、ボールを固定する壁に注意が必要です。
壁は膝より下で軸足が壁よりも前に置けるような壁にしてください。
膝より高い壁だと蹴るときに膝をぶつけます。
軸足が壁より前に置けないと軸足より前にあるボールを蹴ることになりますので、正確な足の芯がつかめません。
僕の場合はゴールポストや膝よりも低い段差でやってました。
僕が子供のころにやっていたトレーニングですので、今はもうやらない(古い)かもしれませんが、
自分の足の芯をつかむにはとても効果的なトレーニングで、チーム練習前や自宅の近所の広場でやってました。
足首の固定、膝を使う、体重移動をすることを意識して、50回蹴って10分程度、
初心者さんであれば3か月続ければ間違いなくmeetの感覚をつかめます。
最初に言いましたが、つかめたらこのトレーニングをやる必要はありません。
正確なコントロールキックのためには正しいmeetは欠かせません。
meetの感覚をつかみたい人にはお勧めできるトレーニングメニューです。
シュート練習
正しいmeetができたうえでが望ましいんですが、まだmeetが未熟な選手でもコントロールを付けるためのシュート練習です。
とても簡単でチーム練習でも自主トレでもできます。
どんな体制からでもどんなシチュエーションでもシュートを打つときには、
コースを狙う、コースを狙うことをイメージさせるためのトレーニングメニューです。
こちらをご覧ください。
ゴールの四隅に目印がついていますね。
これはシュートターゲットというトレーニンググッズだそうです。
いろいろなシュート練習のときでも、ゴールの狙うところ(僕は上2つはあんまり要らないかなぁと思いますけど)に目印を置いておくことで、
選手がその目印を狙ってシュートするというメニュー?です。
目印はマーカーでもコーンでも構いません。
シュート練習は、チームの意図などによりたくさんのメニューがありますが、
ゴールに目印をおき、ここを狙うんだと日々意識付けをすることで、
選手は自然とそのコースを狙ってシュートを打つことができるようになります。
また、この練習はチーム練習としても自主トレとしてもできますので、
ゴールに目印を付けたシュート練習も正確なシュートをするためのお勧めのトレーニングメニューです。
大事なのはシュートする選手がコースを狙うんだという意識を持つことです。
シュートのときにコースを狙うというイメージをもつということに関して、僕の経験をひとつ紹介します。
ゴールの正面からではなく、左右の位置、例えば左右45度くらいの位置からシュートするときに、どのコースを狙いますか?
このシュートの場面で、コースを狙うことを意識していない選手は、
角度がないことろからのシュートがGKの正面付近もしくはニアサイドに飛んでいくことが多いんですよ。
子供さんはもちろんですが、レベルもあるでしょうけど中、高、大学生でもみられる現象です。
みなさんはそんな経験はありませんか?
これは、シュートするときにコースを意識していないことの現れなんですね。
このことを気づいたときには、自分の指導の下手くそ加減を思い知ったものです。
角度のあるところからのシュートは、まず、ファーサイドを狙うことを意識付けさせておかないと、
そのための動きも身に付きませんし実戦でも得点する確率もあがっていきません。
ファーサイドに比べてニアサイドは苦しい体勢でも打つことができますので、
普段はファーサイドを狙うトレーニングをお勧めします。
この目印を利用したシュート練習は他にアレンジできます。
パスの練習やPKの練習にも使えますし、プレースキックでも動いているボールでもコースを意識させることができます。
正確にコントロールするためのシュートのトレーニングにお勧めできるメニューです。
トラップ(ボールコントロール)
正確にコースを狙ってシュートを打つには、シュートを打つ前のボールコントロール、ボールをどの位置に置くのかという技術が重要です。
シュートを打つ前のボールの位置が適正でなければ、正確なシュートは期待できません。
ここは、ハメス・ロドリゲスのあのシュートをみてみましょう。
2014ブラジル大会のベストゴールでしたか、こんなのが入ったらどんな相手でもお手上げですね。
普段、ハメスがどんな胸トラをするのかはわかりませんが、
このシュートは、シュートを打つ前からシュートのイメージをもって、
胸トラひとつでボールをコントロールしシュートしているんですね(ハメスに聞いたわけではありませんけど(笑))。
後方から飛んできたボールを左肩に近い部分を使い、ダイレクトでシュートできる位置にボールを置くんです。
このトラップが上手くいかなかったら、ダイレクトシュートはできません。
つまり、シュート前のボールコントロールが、シュートの正確性に影響するのです。
これは、胸トラに限らず、足でも腿でも同じことです。
トラップでのボールコントロール技術を高めなければなりません。
トラップには2段階あると考えていただきたい。
1段階目が文字通りボールをとめるということ、
2段階目はとめると同時に次のプレーに繋げるボールコントロールのことで、
ニュアンスで言えば「ファーストタッチ」というヤツです。
トラップのあと早くシュートを打つということではなく、
正確性の高いシュートを打つために、適正なところにボールを置くという意味合いでとらえてもらいたいです。
このためには、通常のボールをとめるというトラップ技術は当然習得てきていて、
次のプレーにスムーズに移行できる「ファーストタッチ」を鍛えるトレーニングをしなければなりません。
地味~ぃなんですけど、それは「ボールをとめないトラップの練習」というトレーニングです。
はあ?ってなりますよね(笑)
トラップ、パス、シュートなどの練習の時に、ワンタッチを入れるのです。
シュート練習の場面でポストシュートやクロスシュートのときにダイレクトシュートを禁止して、
トラップ+ボールコントロールをしてシュートを打つという内容です。
ワンタッチでコントロールできれば良いんですけど、できないのであれば2タッチでも構いませんが、
意識するのは、次のプレーの精度を高めるために正しい位置にボールを置くということです。
いくつか映像をみてみましょう。
1.ワンタッチコントロールからのシュート
簡単そうにやってらっしゃるように見受けられますが、まさにこのことです。
次のシュートのためにトラップでボールをコントロールしていることがわかりますよね。
ワンタッチ目からシュートまでがスムーズで素早いでしょ。
ダイレクトでシュートという選択肢もまりますが、シュートの正確性、コースを狙うコントロールシュートではこのプレーのほうが効果的ですね。
このメニューをベースにして、胸や腿などでのメニューにアレンジしていくとワンタッチコントロールの感覚がつかめると思います。
2.ロングパス練習でのトラップコントロール
ロングパスの練習で次のプレーを意識したトラップのボールコントロールの練習です。
シンジ選手がワンタッチでどこにボールを置くのかを見てもらいたいです。
特に0:30~0:34のコントロールがお手本になりますね。
こんなパスの練習でもワンタッチコントロールを鍛えることができます。
3.浮き球トラップシュート
このシュート練習もトラップからコントロールしてシュートに繋げるメニューです。
トラップと同時に次のプレーをスムーズにするためのボールコントロールをしなければなりません。
このような、トラップのトレーニングメニューを繰り返すことで、
正確性の高い、コースを狙ったシュートができるようになります。
ちなみに、シュート前に適正な位置にボールを置くときに、
足の裏の爪先部分を使うことを覚えるとコントロールしやすいですよ。
フットサルではボールが跳ねないので足の裏を使ったトラップやドリブルがよく見られますが、
サッカーでもコントロールしやすい部位ですよ。チャレンジしてみてください。
これらの練習もチーム練習でも自主トレでもできます。
是非、参考にされて、自分でアレンジして取り組んでみてください。
まとめ
今回は正確なシュート、狙ったコースにシュートが打てるようになるためのお勧めのトレーニングメニューを紹介しました。そのためには、
- meet(ミート/芯)技術の向上
- コースを狙うイメージ
- トラップのコントロール
を鍛えるトレーニングをすることをお勧めします。
また、ご紹介したメニュを自分で考えてアレンジしたメニューも設定すると良いと思います。
スピード、パワーで打ち抜くシュートも魅力はありますが、正確無比にコントロールされたシュートも気持ちいいですよね。
みなさんの参考になればと思います。
シュートの関しての過去記事<<インステップを極めてシュートの速度をあげろ!【サッカー】>>もご参照ください。