世界のサッカークラブを覚えましょうシリーズも第5弾となってしまいました。
今回は欧州から離れ、世界のサッカーの強豪地域、南米の強豪クラブを紹介したいと思います。
南米のサッカークラブも創設は1900年前後と欧州と同じ時期で、約100年の歴史があります。
南米にも、欧州に劣らない、いや同等以上の強豪クラブがありますよ。
目次
南米アルゼンチンの「超」強豪クラブ
サッカーの世界で、欧州と並んでサッカーの盛んな地域が南米です。
ご存知のようにブラジル、アルゼンチン、ウルグアイのW杯優勝国、
パラグアイ、ペルー、コロンビアなどのサッカーの強国が揃っていますね。
今回も、ご覧になって下さる皆さんが、サッカーの強豪クラブを覚えてしまいましょうという当方の勝手なテーマ設定により、
サッカーをもっと知りたい方々が覚えたほうが良い、覚えておくにこしたことはない、
南米の強豪クラブをピックアップして紹介します。
南米の強豪クラブを、南米のクラブレベルでの大陸選手権「コパ・リベルタドーレス」の実績、南米各国の国内リーグの実績に基づいて、
また、できる限り、覚えやすい順に、紹介しますね。
まずは、アルゼンチンの強豪クラブから覚えてみましょう。
ボカ・ジュニアーズ
- ホーム:ブエノスアイレス(アルゼンチン)
- 創設:1905年
- 愛称:ジェノバ人
- コパ実績:優勝6回(2位)、準優勝5回(1位)
- レジェンド:モウソ/タランティーニ/リケルメ
通称はボカ、コパ・リベルタドーレスで決勝まで進出した回数は南米最多の11回!
アルゼンチン国内リーグでの33回で第2位。
次に紹介するリーベルとのライバル関係が凄まじく、ボカvsリーベルの試合は「スーペルクラシコ」と呼ばれ、
イギリスのメディアから「死ぬまでに観るべき50のスポーツイベント」の第1位に選出されています。
世界のサッカーで、南米の超強豪クラブといえば、まずボカです。
日本から高原直泰が所属していました。
CAリーベル・プレート
- ホーム:ブエノスアイレス(アルゼンチン)
- 創設:1901年
- 愛称:リーベル
- コパ実績:優勝4回(4位)、準優勝3回
- レジェンド:ペウチェレ/ラブルナ/シボリ
通称はリーベル、コパ・リベルタドーレスでの優勝は4回。
コパの実績は宿敵ボカに及びませんが、アルゼンチン国内リーグでの36回で宿敵のボカを抑えて最多。
とにかく、南米のサッカーは?と言えば、このリーベルとボカのライバル関係は「名物」です。
この2チームのスーペルクラシコは暴動騒ぎが起きますし、サポーターと警官の衝突などもあり、
まぁある種アルゼンチン、ブエノスアイレスの風物詩みたいなものになっています。
南米の超強豪クラブと言えば、ボカとセットでリーベルも覚えておくと良いでしょう。
CAインディペンディエンテ
- ホーム:アベジャネーダ(アルゼンチン)
- 創設:1905年
- 愛称:赤い悪魔
- コパ実績:優勝7回(1位)
- レジェンド:エリコ/ボチーニ/ジュスティ
通称はそのままインディペンディエンテ。
コパ・リベルタドーレスで最多優勝回数を誇るのがインディペンディエンテです。
アルゼンチン国内リーグでの優勝は16回とリーベルやボカに及びません。
つまり、アルゼンチン国内ではリーベル、ボカの2強に次ぐ3番手のクラブなんですが、
南米大陸選手権であるコパ・リベルタドーレスでの最多優勝を誇るインディペンディエンテ。
アルゼンチンでは3番手、でも、リペルタドーレスでは最強!という、南米屈指の強豪クラブです。
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ
- ホーム:ラ・プラタ(アルゼンチン)
- 創設:1905年
- 愛:称:ロス・ピンチャラタス
- コパ実績:優勝4回(4位)、準優勝1回
- レジェンド:ベロン親子/ビラルド
通称はエストゥディアンテス。
コパ・リベルタドーレスでの優勝回数は4回でリーベルと並びます(準優勝回数がリーベルが1回多い)。
アルゼンチン国内ではリーベル、ボカ、インディペンディエンテに次ぐ強豪クラブと言えるでしょう。
エストゥディアンテスはニックネームがおもしろいです(笑)
ピンチャラタス(Pincharratas)というのは造語らしいんですが、意味は「ネズミに注射する奴ら」という意味らしいんですよね。
エストゥディアンテスは「学生」という意味で、クラブを創設した首脳陣がみんな学生だったとのことで、
医学部の学生が研究実験のためにネズミに注射をする様子から「ネズミに注射する奴ら」と呼ばれるようになったらしいんです。
かわいい(笑)
そして、エストゥディアンテスのレジェンドといえばベロン親子です。
父のファン・ラモン・ベロンはエストゥディアンテスの黄金期に活躍した選手で「魔法使い」と呼ばれ、
その息子であるファン・セバスチャン・ベロンは優勝請負人としてパルマ、ラツィオ、マンU、チェルシーなど多数のタイトル獲得に貢献し、
父親のラモンとの関係から「小さな魔法使い」と呼ばれました。
セバスチャンの身長は186cmですから、小さくないんですけど「小さい」と呼ばれるんです。
親父のラモンの偉大さを感じさせる形容ではないかと思います。
そんなエストゥディアンテスも南米の超強豪クラブと言えますね。
アルゼンチンのクラブでコパ・リベルタドーレスで実績を残している強豪クラブを紹介しました。
アルゼンチンのクラブは南米の他の国のクラブと比較しても圧倒的に強いんです。
コパ・リベルタドーレスはこれまでに約60回開催されているんですが、
リーベル、ボカ、インディペンディエンテ、エストゥディアンテスのアルゼンチンの4クラブの優勝回数を合わせると21回、3分の1になります。
サッカーの盛んな南米の超強豪クラブは、まず、このアルゼンチンの4チームを覚えておきましょう。
- ボカ・ジュニアーズ←高原
- リーベル・プレート
- インディペンディエンテ
- エストゥディアンテス
ちなみに!なんですけど、このアルゼンチンの4クラブをちょっと比較してみましょう。
【設立-国内優勝回数-リペルタドーレス優勝回数-準優勝回数】で羅列してみます(2020年12月時点)。
- リーベル:1901年-36回-4回-3回
- ボカ・Ju:1905年-33回-6回-5回
- インディ:1905年-16回-7回-0回
- エストゥ:1905年-5回-4回-1回
↑ちょっと力関係がうかがえますでしょうか。
南米ウルグアイ、パラグアイの強豪クラブ
続いて、ウルグアイ、パラグアイの超強豪クラブです。
CAペニャロール
- ホーム:モンテビデオ(ウルグアイ)
- 創設:1891年
- 愛称:ずる賢い奴
- コパ実績:優勝5回(3位)、準優勝5回(1位)
- レジェンド:スキアフィーノ/クビジャ/フィゲロア
ウルグアイ最強のクラブがペニャロールで、コパ・リベルタドーレスでも決勝進出10回は3位の実績です。
ウルグアイ国内での優勝は48回で最多で、ウルグアイ国内の宿敵ナショナル・モンテビデオと2強体制が昔から続いています。
ペニャロールもウルグアイだけでなく、南米全体でも超強豪クラブです。
日本人選手の松原良香が在籍したことがあります。
ナシオナル・モンテビデオ
- ホーム:モンテビデオ(ウルグアイ)
- 創設:1899年
- 愛称:トリコロール
- コパ実績:優勝3回(5位)、準優勝3回(3位)
- レジェンド:ナサシ/スカローネ
ペニャロールが出ればナシオナルを出さないわけにはいきません。
宿敵ペニャロールがイギリス系移民の労働者が作ったクラブであるのに対し、
ナシオナルは地元のウルグアイ人が作ったクラブであり、南米初の土着のクラブだとのこと。
サッカーウルグアイ代表は1924年、1928年のオリンピックのサッカー競技、
また、1930年の第1回W杯のサッカーの世界大会3連続優勝しているんですが、
当時の世界最強のウルグアイ代表の中心選手の多くがナシオナルの選手たちでした。
ナシオナルも南米の超強豪クラブです。
オリンピア・アスンシオン
- ホーム:アスンシオン(パラグアイ)
- 創設:1902年
- 愛称:カップ戦の王者
- コパ実績:優勝3回(5位)、準優勝4回(2位)
- レジェンド:アウレリオ・ゴンザレス/バエス/サンタクルス
通称はオリンピア、パラグアイ最強クラブです。
パラグアイのクラブで唯一南米チャンピオン、世界チャンピオンになったことのある強豪クラブです。
コパ・リベルタドーレスでは優勝3回、準優勝4回と決勝に7回進出していて、決勝7回進出は、ボカ、ペニャロールに次ぐ3位の実績です。
パラグアイ国内でも最多の優勝回数を誇り、パラグアイ国内のライバルチームであるセロ・ポルティーニョを大きく上回っています。
パラグアイのオリンピアも南米の超強豪クラブです。
以上、ウルグアイとパラグアイから3チームを紹介しました。
- ペニャロール(ウルグアイ)←松原
- ナシオナル(ウルグアイ)
- オリンピア(パラグアイ)
この3クラブも強烈に強いクラブです。
これまで紹介したアルゼンチンの4クラブ、ウルグアイの2クラブ、パラグアイの1クラブは、
南米のクラブ選手権コパ・リベルタドーレスの優勝&準優勝実績の上位7クラブです。
コパ・リベルタドーレスの実績を【決勝進出回数-チーム(優勝-準優勝)国】で並べてみますと、
- 11回:ボカ・Juni(6-5)アル
- 10回:ペニャロ (5-5)ウル
- 7回:インディペ(7-0)アル
- 7回:リーベル・P(4-3)アル
- 7回:オリンピア(3-4)パラ
- 6回:ナシオナル(3-3)ウル
- 5回:エストゥデ(4-1)アル
という上位7クラブ(優勝回数の上位7クラブ)になります。
・・・サッカーにお詳しい方はお気づきになりましたでしょうか・・「ブラ」がいないんですよ。
そうなんです、世界1のサッカー大国ブラジルのクラブが上位7番目までにないんです。
つまり、南米のクラブレベルでの実績を比較すると、
ブラジルのクラブよりも、これら7つのクラブのほうが強いと言えます(実績上は)。
世界のサッカークラブ、強豪クラブを覚えましょうというシリーズで、南米の場合には、
まず、ブラジル以外の7クラブを覚えると良いと思います。
南米ブラジルの強豪クラブ
世界のサッカーの強豪クラブを覚えるのに、サッカー大国のブラジルを外すわけにはいきません。
ブラジルのサッカークラブももちろん強いです。
しかし、紹介してきましたように、コパ・リベルタドーレスではアルゼンチンをはじめとした他国のクラブのほうが実績を残しています。
これは、完全なる私見ですが、
南米各国のサッカースタイルの相性が影響していたり、ブラジルの強豪クラブが分散傾向にあるという事情が影響していると思われます。
ちょっと面白いデータなんですけど、
サッカークラブの世界一を決める大会(インターコンチネンタルカップ)が1960年から正式に始まり、
日本で行われていたトヨタカップを経て、現在のFIFAクラブW杯まで続いているんですが、
クラブ世界一になったクラブの国の優勝回数を順にみてみますと、
(優勝回数-優勝したクラブ数:国)
- 11-3:スペイン
- 10-7:ブラジル
- 9-3:イタリア
- 8-6:アルゼンチン
- 6-2:ウルグアイ
- 4-2:ドイツ
- 3-2:イングランド
- 3-2:オランダ
- 2-1:ポルトガル
と、こうなるんですが、
例えば、スペインのクラブは合計で11回優勝していて、3クラブの合計、レアルとバルサとアトレティコです。
ブラジルの場合は2位の10回優勝しているんですが、優勝したクラブは7クラブで、国別でみたときには最多のクラブが優勝しているんです。
このように実績を振り返ってみると、スペインやイタリアなど世界1になるようなクラブが少ない(←強豪クラブが限られている)のに対し、
ブラジルの場合(2位のアルゼンチンも凄い)は、世界1になれるようなクラブが7クラブ(多い)もあるということで、他の国と比較して、強豪クラブが分散されている傾向にあると思います。
つまり、ブラジルのサッカークラブ事情は、
先に紹介しましたボカ、リーベルなどと同じレベルの強豪クラブが、いっぱいあるということになります。
前置きが長くなりましたが、そんなブラジルの強豪クラブを紹介します。
サンパウロFC
- ホーム:サンパウロ(ブラジル)
- 創設:1935年
- 愛称:トリコロール
- コパ実績:優勝3回(5位)、準優勝3回(3位)
- レジェンド:レオニダス/オスカー/セレーゾ
サンパウロは1960年に始まったインターコンチネンタル以降、世界1に3度優勝(歴代2位)した強豪クラブです。
ブラジル国内のタイトルはライバルのパルメイラス、コリンチャンスに及びませんが、
大陸選手権、世界大会ではブラジルのクラブでNo1の実績を残しています。
サントスFC
- ホーム:サントス(ブラジル)
- 創設:1912年
- 愛称:Peixe
- コパ実績:優勝3回(5位)、準優勝1回
- レジェンド:ペレ/カルロス・アウベルト
サントスはブラジルのクラブで初めてコパ・リベルタドーレスで優勝、インターコンチネンタルカップで世界一になった強豪クラブです。
南米チャンピオンに3度、世界チャンピオンに2度輝きました。
王様ペレが所属したクラブとして有名です。
日本から、三浦知良、前園真聖が所属したことがあります。
グレミオFBPA
- ホーム:ポルト・アレグレ(ブラジル)
- 創設:1903年
- 愛称:Tricolor dos Pampas(大草原のトリコロール?)
- コパ実績:優勝2回、準優勝2回
- レジェンド:デレオン/ロナウジーニョ
南米チャンピオンに3度、世界チャンピオンに1度輝いたブラジルの強豪クラブ。
ポルト・アレグレというブラジルの南部地域でアルゼンチンに近いこと、クラブを創設したのはドイツ系の移民だったことなどから、
ブラジル特有のリズム感溢れるサッカーではなく、スピードや激しさが特徴のグレミオです。
ロナウジーニョのデビューしたクラブです。
SCコリンチャンス・パウリスタ
- ホーム:サンパウロ(ブラジル)
- 創設:1910年
- 愛称:Timão(偉大なチーム?)
- コパ実績:優勝1回
- レジェンド:リベリーノ/ソクラテス
通称はコリンチャンス。
南米チャンピオンは1度だけですが、世界チャンピオンに2度輝いたブラジルの強豪クラブ。
世界チャンピオンになったのはFIFAクラブW杯になった後で、
レアル4回、バルサ3回に次ぐ2回の優勝で3位の成績、南米のクラブでは最多優勝です。
南米のクラブの中で最も儲けているクラブでもあり、ブラジルで絶大な人気を誇る強豪クラブです。
以上、ブラジルの強豪クラブの中で4クラブをピックアップしました。
ブラジルのクラブは強豪が多いので、大陸選手権や世界チャンピオンの実績でみたときには、
ブラジルの中ではこの4クラブが突出しています。
- サンパウロ
- サントス←カズ/前園
- グレミオ
- コリンチャンス←セル越?
さらに、南米選手権や世界チャンピオンの実績はこの4クラブには及ばないにしても、
ブラジル国内ではこの4クラブと同等以上の実績を誇る強豪クラブもあります。
- クルゼイロ
- インテルナシオナル
- パルメイラス←カズ/伊藤和磨
- フラメンゴ
- ヴァスコ・ダ・ガマ
- アトレチコ・ミネイロ
などもブラジルの強豪クラブです。
インテルナシオナルは世界チャンピオンになっていますし、
クルゼイロやパルメイラスはコパ・リベルタドーレスで優勝しています。
これらのように、南米の強豪クラブを覚えるときには、
ブラジルのクラブと、ブラジル以外のクラブに区分けすると覚えやすいと思います。
まとめ
以上、今回はシリーズ第5弾、世界のサッカークラブを覚えましょう、南米の強豪クラブ編をお届けしました。
日本で南米のサッカーを観る機会は多くはないと思いますが、
南米の強豪クラブもヤバいですし、南米のクラブ同士の対戦は非常にアツいです。
それぞれの国でライバルクラブが存在し、
そのライバル同士の対戦は、日本と比較するとちょっと危ないくらい盛り上がります。
そんな南米の強豪クラブも知っておくと良いと思います。
今回紹介した南米の強豪クラブを国ごとに、コパ・リベルタドーレスの優勝&準優勝回数を示して、まとめておきます。
アルゼンチン
- (6-5)ボカ・ジュニアーズ←高原
- (4-3)リーベル・プレート
- (7-0)インディペンディエンテ
- (4-1)エストゥディアンテス
ウルグアイ
- (5-5)ペニャロール←松原
- (3-3)ナシオナル
パラグアイ
- (3-4)オリンピア
ブラジル
- (3-3)サンパウロ
- (3-1)サントス←カズ/前園
- (3-2)グレミオ
- (1-0)コリンチャンス←セル越?
- (2-2)クルゼイロ
- (2-1)インテルナシオナル
- (1-3)パルメイラス←カズ/伊藤
- (2-0)フラメンゴ
- (1-0)ヴァスコ・ダ・ガマ
- (1-0)アトレチコ・ミネイロ
今回の記事が読んでくださったみなさんのサッカーにお役に立てればうれしく思います。
よかったら関連記事の以下もご参照ください。
最後まで読んでいただきありがとうございますm(__)m