サッカーは肉弾戦でもあります。
試合では体をぶつけあうチャージ、
体でボールや相手の行く手を阻むブロック(←守備ブロックとは違いますよ)など、
体を使ったプレー、技術も必要になります。
今回は、その体をぶつけあうことになりがちなタックルについて解説したいと思います。
くれぐれも、ファウルとなってはだめですよ。
目次
タックルとは
ラグビーやアメリカンフットボールなどにもタックルというプレーがありますが、
これは相手に飛びかかり捕まえるという行為、技術です。
サッカーでこれをやったらレッドカードですのでやっちゃだめですよ(笑)
サッカーでいうタックルとは「スライディングタックル」のことです。
相手が保持しているボールを、滑り込んで(←スライディング)ボールを奪う、
ボールの行く手を阻止するプレーです。
ラグビーやアメフトのタックルとは違いますのでご注意を。
ちょっと長いですけど、タックルを映像でご覧ください。タックルではないプレーもありますが、
滑り込んでいる(スライディング)プレーがタックルですので、ご確認ください。
→サッカーで最も英雄的な防御スキル●タックル & クリアランス
↑きれいなタックルはみてても気持ちいっすねぇ。
何と言っても、ディフェンダーの「見せどころ」でもありますしね!
相手のドリブルに対してボールを奪うためのスライディングタックルがここで言うところのタックルになりますが、
スライディングという行為・動作視点でみてみると、シュートをブロックするスライディングだったり、
ゴールを割りそうなボールをスライディングしてクリアだったりするプレーもあります。
余談ですが、プロの選手たちは、芝の整備されたきれいなピッチでスライディングしますので、怪我をすることも少ないと思いますけど、
土や砂っぽい?硬いピッチでは、太ももやお尻あたりに「ビフテキ」「ハンバーグ」などと言われる擦り傷ができてしまいます。
この擦り傷は痛かったですよねぇ(笑)。なかなか治らなかったですし。
タックルは相手のボールを奪取する、阻止するときに行う守備のプレー、技術のひとつです。
サッカー選手であればどのポジションを担当するにしても、できなければならないプレーですが、
特にDFの選手が行うことが多くなります。特に1対1の場面ですね。
体を投げ出して、滑り込んでタックルしますので、
守備の目的であるボールを奪うこと、
ボールをカットするのにとても効果的なプレーです。
タックルを受ける側は嫌なもんですよ。
ただ、タックルという行為にはデメリットもあります。
ピッチ上を滑り込むという行為ですから、全身を使ってピッチ上を滑る、場合によっては、地面に寝っ転がるという形態になりますので、
次のプレーに移る、次のプレーのために適正な体勢をとるのに時間を要してしまいます(←相手に次のプレーへの時間を提供することになります)。
さらに、ファウルをとられる危険性があります。
タックルのときには体を投げ出しますので、対峙する相手の足を払ってしまったり、相手の体にぶつかることから、
レフリーの判断によりますけど、反則プレーと判断されることがあります。
ファウルは相手にチャンスを与えることになってしまいますよね。
つまり、タックルは守備の方法、技術として効果的なプレーなんですけど、
失敗したり、ファウルと判断された場合には、ピンチを招くというリスクがあるということです。
ですから、タックルのやり方が重要になります。
正当で、効果的なタックルの技術が必要となりますし、
試合の中では、タックルというプレーを選択するのかどうかという瞬時の判断も必要になります。
正しいタックルのやり方を考えてみましょう。
- 守備のプレーとして威力抜群(メリット)
- 体勢を戻すのに時間を要する(デメリット)
- ファウルと判断されるかも(デメリット)
正しいタックルのやり方
正しいタックルのやり方は単純明快です。ボールに向かってタックルするということです。
これは基本中の基本であり鉄の掟です(笑)
タックルのときの足がボールに触る、ボールに向かっていれば、ほとんどの場合ファウルとなることはありません。
これが大前提です。
でも、ボールに向かってタックルをしたつもりでも、
相手のプレースピードのほうが上回ってしまい、
タックルした足が相手の足に当たってしまうケースもありますが、
これはファウルと判断されるでしょう。
できるだけ、このようなことにならないようにタックルのやり方を考えなければなりませんね。
タックルはボールに向かうことが正しいのですが、正しくボールに向かう2つの方法を覚えておきましょう。
ボールを止めるためのやり方と、ボールを蹴るためのやり方です。
↑このイラストのように、ボールの進行方向を阻止する、ボールを止めるという位置に足を出すというタックルのやり方です。
これはボールを奪取するとき、シュートやパスをブロックするときのタックルの足の出し方です。
足のインサイド部分、アウトサイド部分で行うことが多いと思いますが、
ケースによってはインステップ部分、もしかしたら脛(すね)やふくらはぎを使うこともありますね。
↑こちらはボールを蹴っちゃうタックルのときのやり方です。
相手ボールをカット、クリアするときにタックルしながらボールを蹴りだすときの足の使い方を表したつもりです(笑)。
相手がドリブルなどボールを保持している場面で、ボールを奪取するのではなく、
カットやクリアによって相手のプレーを阻止するために、ボールを蹴りだすためのタックルがあります。
その際には、このイラストのように、蹴り出したい方向に対し、
タックルの足がボールに向かっていなければなりません。
タックルとトゥキック、インステップキック、インサイドキックというキックの種類が組み合わさっているということになります。
正しいタックルは足がボールに向かっていることが大前提で、ボールに向かうときの足の使い方は、
ボールをインターセプト、ブロックするための足の出し方と、
ボールをカット、クリアするための足の出し方の2つのやり方があるということを覚えておきましょう。
正しいタックル
タックルの足がボールに向かっていること
正しいタックルのための足の出し方
- インターセプト/ブロック→ボールを阻止、行く手を阻む位置
- カット/クリア→蹴りだす方向に適切な位置
正しいタックルのやり方について、もうひとつポイントがあります。
先ほどもちょっと書きましたが、タックルを使うタイミングについてです。
守備のためのプレーのひとつであるタックルですから、ボール奪取、ボールカット、クリアのときに使うと効果的なのですが、
タックルをかわされたときのデメリット、ファウルとなったときのデメリットを考えると、確率の低いタックルはしないほうが良いと思います。
失敗するとピンチをもたらすプレーですから、どのシチュエーションで、どのタイミングでタックルを仕掛けるのかという正しい判断が必要になります。
タックルをするまでもなく、ボールを奪取することができたり、タックルをするまでもない技術を磨いたりすることを意識して練習したほうがいいでしょうね。
そうは言っても、タックルを使わないというDFはいないでしょうから、やはり、タックルの技術も持っておかなければなりません。
タックルを使わないで守備ができるという練習と、効果的なタックルができるという練習を並行して行うという考えをされることをお勧めします。
百発百中の必殺タックルを習得することが理想的ですが、相手のあることですからなかなか難しいですよね。
技術としての正しいタックルのやり方と、試合中の正しいタックルの使い方について意識しておかなければならないですね。
類似するプレー
最初のほうに書きましたが、サッカーは体と体がぶつかり合う肉弾戦でもあります。
タックルは体がぶつかることが多いプレーになりますから、ファウルにならないことを意識しなければなりません。
また、タックル以外にも体がぶつかり合うプレーがありますから、
サッカー用語を覚えるという意味でも、それらのプレーも確認してきましょう。
ショルダーチャージ
タックルと混同されることが多いと思いますけど、ショルダーチャージはプレー中に自分の肩(←ショルダー)と相手選手の肩をぶつけ合うというプレーです。
相手の体勢を崩すこと、自分の体制を崩されないことが目的です。
体をぶつける(←チャージする)ときには、肩でぶつからなければなりませんし、
ぶつかる側の腕が胴体部分と離れた状態だとファウルになりがちです。
また、激しすぎるチャージは危険行為と判断される場合もあります。
ボールを持っていない選手にチャージしちゃだめですよ。それはサッカーではなくなります(笑)
タックルはスライディングタックルのことを指しますので、ショルダーチャージと混同しないように気を付けてください。
ブロック
シュートブロックのことをブロックと言います。
これは体のいろいろな部分を使いますが、
相手の蹴ったボールに自分の足や体をぶつけて、ボールの方向を阻止する、邪魔するというプレーです。
ボールに体をぶつけて阻止する、邪魔するのはシュートの場面だけではなく、相手のパスやクリアに対してブロックすることもあります。
このブロックのときに、スライディングをしてブロックするケースがありますので、タックルと混同しやすくなりますね。ややこしいんですよ(笑)。
これらのように、タックルと類似するプレー、ショルダーチャージとブロックがありますので、
正しいタックルのやり方を覚えるためにも、プレーの違いを覚えておくと良いと思います。
まとめ
今回は、守備の技術のひとつであるタックルについて紹介しました。
タックルとはスライディングタックルのことで、守備のプレーとしては効果的なプレーですが、
ファウルとなる危険性などデメリットもあるので、正しいタックルのやり方を覚えることが大事です。
また、タックルと類似するショルダーチャージやシュートブロックなどのプレーと混同しないよう気を付けてください。
自分のプレーでもタックルを含む守備の技術を磨いたり、
サッカー観戦する方々は、屈強なDFの凄いタックルなども観察することも楽しみになるかもしれません。
今回の記事が、読んでくださった皆さんのサッカーのお役に立てればうれしく思います。
よかったらサッカーの守備についての過去記事<<サッカー「ディフェンス力UP!」お勧めの練習メニュー>>もご一読ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。