サッカーのポジション、「ウイング」と「サイドハーフ」について位置や役割などの違いを確認しましょう。
サッカー選手もサッカーを観戦する人も、違いがわかることで、サッカーの楽しみ方も違ってくると思います。
「ウイング」と「サイドハーフ」って、似ていてややこしいポジションですので、
ややこしい部分をクリアしてサッカーに詳しくなりましょう。
目次
ウイングとサイドハーフのポジション
まず、ウイング(WG)とサイドハーフ(SH)のポジションの違いを確認しましょう。
必ず知っておいてもらいたいのは
- ウイングはFW
- サイドハーフはMF
↑です。
それぞれフォーメーション図で確認してきましょう。
ちょっとややこしい部分がありますので、説明するのにフォーメーション図が多くなりますけど、よろしくお願いします。
↑こちらは、フォーメーション4-3-3で黄色い星がウイングのポジションです。
ウイングというポジションは兎にも角にもFWが3人で、
そのうちの両側の選手が大きくサイドに開いてポジションをとります。
FWが1~2人の場合にはウイングは存在しないことになります(昔はFW4人以上の頃もありましたが今はありません)。
そもそも「ウイング(wing)」とは「翼」という意味で、サッカーでは両サイドに対で(セットで)配置されるポジションを示しています。
ウイング、ウイングハーフ、ウイングバックなどがそうです。
そこに位置情報の左右が加わり右ウイング(ライトウイング)、左ウイング(レフトウイング)と呼ばれたります。
FWであるウイングのポジションはこういうことになります。
では、サイドハーフっていうのは、
↑こちらはフォーメーション4-4-2で黄色い星がサイドハーフのポジションです。
サイドハーフは通常MFの人数が3人以上で、ピッチの両サイドに大きく開いてポジションをとります。
※英語圏では「ウイング・ハーフ(Wing Half)」と言われることもあるようですが、日本ではサードハーフという呼び方が一般的です。
そして、このサイドハーフが配置されるフォーメーションでは、先ほどのウイングが配置されません(一部例外があります)。
これは役割のところで説明しますが、ウイングとサイドハーフの役割が重複しているからです。
さらに、もうひとつフォーメーションをみてみましょう。
↑こちらは現代サッカーの主流のひとつ4-5-1(4-2-3-1)のフォーメーションで黄色い星のポジションがサイドハーフになります。
先ほど説明したとおり、
MFが3人以上、そして、ウイングがいない、MFの両サイドに対で配置されている、ということを満たしています。
フォーメーション4-4-2、4-5-1(4-2-3-1)のときのサイドハーフのポジションはこのようになります。
ウイングとサイドハーフのポジションの違いがお分かりいただけたでしょか。
まとめてみますと、
- ウイングは3人以上のFWの両サイド
- FWが1-2人のときにはウイングはない
- サイドハーフは3人以上のMFの両サイド
- サイドハーフがいるときはウイングはない
これらが、ウイングとサイドハーフのポジションの要件になります。
ここまでは基本、原則ですからしっかりと理解していただきたいです。
それでは皆さんをややこしくさせてしまいますが(僕もややこしいんです笑)、例外をひとつ紹介します。
↑滅多にはないんですけど、禁断のフォーメーション3-4-3です(笑)
先ほどのウイングとサイドハーフは同時に配置されないということの例外です。
3-4-3を使うチームがいくつかありまして、
例えばアヤックス、バルセロナ、バイエルンなど、
3-4-3を使う監督がビエルサ、グアルディオラ、そして日本代表監督だったザッケローニ。
3-4-3はチームや監督によってMFのシステムが異なるのですが、
ビエルサやザッケローニはMFをフラット気味(横並び)に並べることがあり、
このようにウイングとサイドハーフが配置されるということがあります。
強烈なサイド攻撃を仕掛ける意図がうかがえます。
厳密に言うと、3バックのときにサイドのMFを大きく開いた場合はウイングバック(ウイングとサイドバックを兼ねたポジション)と言うのですが、
超例外としてこのようにウイングとサイドハーフが配置されることがあります。
・・・例外ですので覚える必要はないかもしれませんけど(笑)、一応紹介してみました。
また、これまでに何回かウイングバック、ウイングハーフというウイングのつくポジションが出てきましたが、
さらにややこしくなりますので、別の機会にしたいと思います。
これは私見になりますけど、サッカーのポジション名に使われる「ウイング(Wing/翼)」というのは、
フォーメーション上の両サイドに対で(左右のセット)で配置される場合に、使われる呼び方だと思っています。
ここでは、サッカーのポジションのややこしいしリース「ウイング」と「サイドハーフ」の違いを覚えてもらいたいので、
ウイングとサイドハーフについて確認してもらえればと思います。
ウイングとサイドハーフの役割の違い
各ポジションの役割については過去の記事で紹介しましたとおり、
各ポジションの担当するエリアでの守備と攻撃が基本中の基本で、
その役割の違いは?と考えたときには、担当するエリアでの守備と攻撃の比重が異なるということが大前提です。
今回のテーマであるウイングとサイドハーフの違いから、役割の違いを考えた場合、
重なる部分が多いのですが、その攻撃と守備の比重が若干違うということになります。
ウイングはFWですから、MFのサイドハーフに比べて攻撃>守備ということになり、特に得点に結び付く直接的な役割が求められます。
サイドハーフはMFですから、FWのウイングと比較すると、攻撃と守備を均等に行うということになり、得点をとるというよりも、サイドからのチャンスメイクの役割が求められる傾向にあります。
ウイングとサイドハーフは、担当するエリア(ピッチのサイド)から、ほぼ同じような役割が求められるのですが、
ウイングのほうがより攻撃的、サイドハーフはウイングよりもやや守備的な役割を求められるということです。
このことが、ウイングとサイドハーフの役割の違いです。
また、守備と攻撃の比重の違いということで考えると、
前述のフォーメーション図で紹介しましたように、同じサイドハーフでも、
4-4-2と4-5-1(4-2-3-1)のサイドハーフではMF陣のシステムの違いによって、守備と攻撃の比重が異なるんですねぇ、ややこしいんですが(笑)
4-4-2よりも4-5-1(4-2-3-1)のサイドハーフのほうがより攻撃的な役割と求められる傾向にあります。
このようなケースのとき、
ウイングと4-5-1のサイドハーフは、求められる役割がものすごく似ているということになります。
これらのことがウイングとサイドハーフの違いをややこしくさせていると思っているんですが、
これは戦術(フォーメーションやシステムを含む)の違いによるものですから、わかりにくくて当然です。
ウイングとサイドハーフの役割の違いは、こう覚えておきましょう。
担当するエリアでの守備と攻撃の役割は同じで比重が違う。
- 超攻撃的:ウイング
- 攻撃的:サイドハーフ(4-5-1)
- 普通:サイドハーフ(4-4-2)
↑というニュアンスでよろしいかと。
ウイングとサイドハーフの主なプレー
役割が上記のとおりですので、プレーの内容もだいたい同じになりますが、
やはり、そのプレーの頻度が違うということになります。
ウイングもサイドハーフもサイドアタッカーの部類ですから、シュート、ドリブル、クロスなどを多く使う傾向にあります。
ここでは、ウイングと3-5-1のサイドハーフは同じとして、4-4-2のサイドハーフと比較しますね。
プレーの内容を「多-中-少」で表記してみます。
また、プレーの違いがイメージできるように、それぞれに該当する有名選手を示してみますね。
ウイング=サイドハーフ(4-5-1)
- 多:ドリブル(相手DFを抜き去る)
- 多:スプリント(相手DFスライン突破)
- 多:クロス/センタリング(ラストパス)
- 多:シュート(得点を狙う)※近距離
- 少:アプローチ(相手のパスコースを限定)
- 少:プレス(相手にプレッシャー)
- 少:ボールカット(ボール奪取)
アザール、ネイマール、エムバペ、乾、原口
サイドハーフ(4-4-2)
- 中:ドリブル(相手DFを抜き去る)
- 中:スプリント(相手DFスライン突破)
- 中:クロス/センタリング(ラストパス)
- 中:シュート(得点を狙う)※中長距離
- 多:アプローチ(相手のパスコースを限定)
- 多:プレス(相手にプレッシャー)
- 中:ボールカット(ボール奪取)
イニエスタ、ディ・マリア、ベッカム、ルイス・エンリケ
ウイングとサイドハーフ(4-5-1)はほぼ同じです。
それとサイドハーフ(4-4-2)との違いを表してみました。
役割が重なっているポジションですので、細かい部分での違いになってしまいますが、
該当する選手の比較でイメージできればと思います。
まとめ
今回は、サッカーのポジション、ウイングとサイドハーフの違いについて紹介しました。
サイドハーフには2種類のタイプがあり、その違いはフォーメーションによる違いです。
ウイングと4-5-1のときのサイドバックはほとんど同じ役割、プレーになりますけど、4-4-2のサイドハーフとは少しの違いがあります。
非常にややこしい、違いが分かりづらいポジションですが、
基本はウイングはFWの分類で、サイドハーフはMFの分類だということです。
この紹介が読んでくださった皆さんのサッカーの気になる情報のお役に立てればうれしく思います。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。