サッカーの試合で欠かせないスローインについて、前回、その投げ方の基本を紹介しました。
基本がわかったら、今度は実戦で効果的なスローインができるようになりたいところですよね。
サッカーの試合で効果的なスローインをするためには、
いくつかの「パターン」を持っておくと良いです。
今回は、サッカーの試合で使えるスローインのパターンを3つほど紹介したいと思います。
目次
スローインの基本のおさらい
サッカーの試合のときに考えておかなければならないのは、
「自分たちに有利になるように」
「相手チームに不利になるように」
ということで、このことを常に考えながらプレーすることが重要です。
スローインの場面でも同じことで、
自分たちのスローインの場面であろうが、相手ボールのスローインであろうが、
どうプレーすれば自分たちに有利に、相手に不利になるのかを考えておかなければなりません。
自分たちに有利なスローイン、スローインの結果とは、
スローインでボールを投げ入れたあとも、自分たちがボールを保持している(自分たちの攻撃が継続している)という状況です。
つまり、スローインのあとも、自分たちのチームがボールを保持している、というスローインを第一に考えるということです。
・・・とは言っても、試合中の状況によっては、確実にマイボールにできるかどうかわからない、というシチュエーションもありますよね。
この試合中の状況とは、スローインをする場所、スローインを受ける味方の人数と邪魔をする相手の人数、などのことです。
そんな場合には、確率を考えて、
もしかしたら味方に有利になるかもしれないからチャレンジしてみる、
チャレンジが失敗して相手ボールになったとしても、重大な危険にはならない、
というようなスローインもあるでしょう。
例えば、敵陣深い場所でのスローインとか。
逆に、スローインをしても、どうも相手ボールになってしまいそうな気がする、
自分たちがボールをキープするのが難しそうなシチュエーションのスローインもあると思います。
このようなシチュエーションでも、自分たちに有利に、相手に不利になるようなスローインを考えなければなりません。
例えば、自陣深い場所でのスローインの場面とか。
おさらいしておきますと、スローインで考えておかなければならないのは、
自分たちに有利に、相手に不利に、なるように、
- 確実にマイボールにする
- 危険が少ないのでチャレンジする
- マイボールにするのが難しいので危険を最小限にする
というように、優先順にこの3つを考えておくことをおすすめします。
・・・カンの良い方はもう分かったかもしれません(笑)
試合のときに使える3つのスローインのパターンは、この3つの考えを踏まえたスローインになります。
以下で、この3パターンのスローインを紹介しますので、参考になさってみてください。
普段の練習で身につけることができれば、必ず試合で役に立ちます。
くれぐれも、スローインのパターンの根本には、有利不利、安全危険の考えがあるということを忘れないでください。
スローインパターン1
まず、確実にマイボールにするスローインをパターン1とします。
これは、スローインをした選手にボールを返すというスローインです。
最低でも2人、できれば3人でスローインからのコンビネーション(連係プレー)を考えてもらいたいです。
「スローインの鉄則」と言っても良いくらいのパターンです。
味方選手の正面に投げて、スローインした選手がそのリターンを足元にもらいます。
このこのスローインが成功すれば、少なくとも、スローインした選手にボールが渡るまで、ボールを保持することができます。
↑こんな感じですね。
このスローイン&リターンは、スムーズにできるように身につけてほしいです。
スローインのセオリー中のセオリーだからです。
このスローインをスムーズに行うコツは、
- 投げる選手が受ける選手の扱いやすいところ(高さ)に投げること
- 受ける選手は、スローインの選手が扱いやすいボールをリターンすること
です。
例えば、投げる高さは、受ける選手がボールを扱いやすい(リターンをしやすい)、胸、もも、足元です。
受ける選手が手で合図するなど指定してあげると良いでしょう。
スローインの受け手の扱いやすいボールを投げれば、スムーズにリターンが返ってきますので、
スローインした選手にボールが返る段階までボールを保持することができますよね。
さらに、どうでしょう、中学生くらいになると、3人くらいでスローインを考えることをおすすめしますが、
このリターンができれば、コンビネーションである3人目の動きを加えることによって、
さらに、堅実なスローインに発展させることができます。
例えば、上記の図のスローインのコンビネーションに、もう一人味方を加えて、こんな感じでボールを展開していくのです。
↑①②のやりとりをしている間に、3人目の味方選手がしているスペースへ移動し、そこで、
リターンをもらったスローインの選手から③のパスを受けるのです。
この③のパスまで成功すれば、自分たちがボールを保持している時間(攻撃の時間)はさらに続きますよね。
この「スローインからのワンツースリー」は、
普段の練習でほんのちょっと練習すればできるようになりますので、
確実にマイボールにできるスローインのパターンとして、身につけてほしいです。
このスローインはピッチのどの場所でも使えますので、ぜひ覚えておいてください。
スローインパターン2
おすすめのスローインのパターン2つめは、チャレンジしてみるスローインです。
スローインから得点に繋がりやすいシチュエーションのスローインになります。
危険が少ないので、得点に繋がるようなスローインの方法はいくつかあります。
代表的なものはロングスローです。
スローインの基本編でも紹介しました映像を参考にしてみましょう。
↓こちらのロングスローで、スローインのボールを最初に触る選手のプレーに注目してください。
↑スローインの結果、相手ボールになる可能性があるにも関わらず、
スローインに最初に味方が触るとあわやゴールになる(ゴールもありますけど)可能性があることがわかると思います。
あ!僕はロングスローをおすすめしているのではありませんでした(笑)
映像のように相手陣の深い位置でのスローインは、
ちょっと工夫すれば、シュートまでもっていく、言うならばセットプレーにもなるような威力を発揮することがあります。
そのようなスローインの代表的なものをひとつのパターンとしておすすめします。
敵陣深くの↓ここらへんからのスローイン。
で、↓このようなシチュエーションになります。
スローインを縦方向へ投げるふりをしながら、
一番近くにいる味方選手が、ゆっくりと(←ここ大事!)スローイン選手の前を通り過ぎます。
ほぼほぼ相手のマーカーはついていきます。
↓こんなシチュエーションになります。
↑ここまで相手マーカーを連れてきたら、一気にスピードを上げてマーカーを置き去りにします!
受け手の選手はゴール方向へ一気にスピードを上げ、そのタイミングでスローインを投げ入れます。
↑スピードの変化と直角の動きでマーカーを置き去りにして、スローインのボールが渡れば、
中央にいた相手が対応しなければならなくなりますよね。
そうすると、中にいた味方の選手がフリーになりますので、シュートのチャンスになります。
これも、スローインを投げる人、受ける人に加え、3人目が加わるコンビネーションで、
先ほどの映像のロングスローと同じく、シュートまでもっていけるチャンスのあるスローインのパターンです。
このスローインのコツは、
- 受け手の動き方(直角緩急)
- スローインのタイミング
です。びたっとハマれば大きなチャンスになります。
図では右側のみ紹介しましたが、もちろん、左側でも同じです。
普段の練習で、3人で練習してみると、簡単に覚えられるパターンです。
もちろん、3人でのコンビネーションとして、周囲の選手たちも準備をしておかなければなりませんよ。
ちなみに、この受け手がマーカーを外すための動き方は様々ありますので、このパターンを基本としてアレンジもしてみてください。
スローインパターン3
試合で使えるスローインのパターン3つめは、危険を最小限にするスローインです。
ぶっちゃけ!「投げるところがない!」というシチュエーションです。
↓こんな感じです。
↑自陣の深い位置で、GKに向かってスローインするのは危険ですし、相手がそれを狙っていたりします。
当然、GK方向には投げられません。
縦方向に投げようとしても、相手にとっては、相手陣深い位置ですから、ボールを奪ってしまえばチャンスになりますので、
スローインのボールを奪ってしまおうと間合いを詰めてきているというシチュエーションです。
これ、ほぼほぼ投げるところがないんですよねぇ。
ここで、スローインのパターン1の確実にマイボールにできるスローインができれば100点です。
それができるのであれば、それをやってください(笑)
この危ないシチュエーションを回避することができます。
しかし、そのパターン1でも、危ないと感じた場合のスローインになります。
この危険な場面で考えなければならないのは「ゴールからボールを遠ざける」ということです。
はい、縦に(タッチラインに沿って)、空高く(できれば味方の選手の頭に向かって)投げます。
↑こんな感じのスローインです。
相手選手の頭を越えていくほどのスローインを投げることができれば、それにこしたことはありません。
が、それが難しいときには、受け手の味方選手がタッチライン際にポジションをとり、
高く投げられたボールをヘディング(バックヘッド)で、ボールをゴールから遠ざけましょう。
できれば、周りの選手は、バックヘッドでボールがこぼれてくることを準備しておいてほしいです。
受け手の選手のヘディングができそうな高さのボールを投げると、
相手マーカーとヘディングの競り合いになる可能性があります。
その場合、タッチライン際に投げておくことによって、ボールが相手にあたりタッチをわるかもしれません。
そうすると、再び自分たちのスローインになり、
先ほどの位置よりもゴールから遠ざかっているということになりますでしょ(←危険度が下がった)。
スローインの構造自体は、先ほどのゴール前のロングスローの映像と同じです。
高いボールを投げて、受け手がヘディングで方向を変えるという構造です。
これが、危険を最小限にするためのスローインのパターンです。
サッカーの試合では、自陣深い位置でのスローインの場面で使います。
この危険を最小限にするためのスローインのコツは、
- タッチライン際に投げる
- 受け手はバックヘッド(投げる人はヘディングの高さに)
- 周囲の選手はバックヘッドの後を準備しておく
です。
このスローインも練習でパターンをつかむ取り組みをしていれば、誰でもできるスローインです。
試合で使えるスローインを身につけるには
これらのように、サッカーの試合で使えるスローインのパターンを3つ紹介しました。
- 確実にマイボールにする
- 危険が少なのでチャレンジする
- 危険を最小限にする
ための、具体的なスローインです。
サッカーの試合中に、ピッチのどの辺りでも確実にマイボールにできるスローインができれば、そのスローインをやってくださいね。
そのスローインが難しい場合には、チャレンジの、危険を最小限にする、スローインを考えてください。
でも、スローインの基本や理屈を知っていたとしても、いきなり試合で使うことはできないでしょう。
ですから、普段の練習の中に実戦的なスローインの練習を取り入れたほうが良いと思います。
これは、個人的な経験による考えですが、
少年少女、キッズのサッカーのスローインは、受け手の正面に投げてリターンしてもらうというマイボールにするためのスローインで十分だと思います。
小学高学年、中学生以上になれば、
スローインをセットプレーだと考えて、チームでいくつかのパターンは持っておきたいところではないでしょうか。
中学生以上になると、「動きながらプレーをする」という頻度が多くなり、
スペースを使う、味方とコンビネーションを組むというプレーが求められてきます。
そう考えたとき、やはり、普段のチーム練習で、コンビネーションとしてのスローインの練習を取り入れられることをおすすめします。
まとめ
以上、今回はサッカーの試合で使えるスローインを3パターン紹介しました。
個人的には、今回の3パターンは、実戦的なスローインとしては、基本的なパターンだと思っています。
この3つのスローインをスムーズにできれば、サッカーの試合で困ることはないと思いますよ。
「俺らのチームはスローインどうすんだ!?」
「うちらの得意なスローインをみんなで覚えとこうよ!」
みたいに、チームでスローインについて考えてみられることをおすすめします。
今回の記事が読んでくださったみなさんのサッカーの楽しみにお役に立てればうれしく思います。
よかったらスローインの過去記事もご参照ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。